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超短編小説・夢の錬金術

kage

2012/11/27 (Tue)

20XX年、ある研究所で長年の努力が結実して有史以来の人類の夢であった錬金術がついに完成した。研究所長は早速マスコミ各社を呼んで完成披露記者会見を開催した。所長の難解な説明が一通り終わった後、ある新聞記者が手を挙げた。「この錬金術で無限に金が生産できるのでしょうか?」「そう上手くはいきません」と所長は冷静に答えた。「空気から金を生むわけではなく、複数の重金属や貴金属を原材料とするため自ずと生産量には限りがあります。しかもそれらの原材料を人類史上最高レベルの超高圧で融合させる必要があるため現時点の生産コストは金価格より高くなってしまいます。」「それでは錬金術の意味がないではありませんか。」記者の落胆した反応に所長は胸を張ってこう答えた。「当研究所の試算によると、量産化後の生産コストは金価格の半分以下になるはずです。」所長の口調は自信たっぷりだったが、会場の雰囲気は微妙であった。

錬金術がついに完成したというニュースは瞬く間に全世界に拡散した。しかし世の中の多くの人はまだ半信半疑だった。それでもマーケットは素早く反応した。ニュースが伝わると同時に金価格が急落を始めたのである。さらに完成した錬金術の技術的検証が進み、どうやら本物らしいと分かってくると金価格はさらに暴落を始めた。その後いったんは所長が量産化後の生産コストとして挙げた半値レベルで下げ止まったものの、投資資金が金から急速にプラチナ(白金)や銀に流出を始め、ついには当初の価格から1/4レベルにまで暴落してしまった。ことここに至っては自信たっぷりだった所長も苦渋の表情で量産化断念を発表せざるを得なかった。こうして夢の錬金術は夢のままで終わったのである。

ほとんど自己満足の世界ですが、「超短編小説・完璧な相場予測プログラム」に続いて性懲りもなく第二弾を書いてみました。ここで私が言いたかったことは、マーケットではおおむね適正な値付けがされるという相場の真理です。生産コストを半減できる技術が確立されればマーケットはそれを織り込んだ値付けをします。このようにさまざまな材料を織り込んでおおむね適正な価格を形成する役割を果たしているのがアクティブ投資家です。インデックス投資家はアクティブ投資家のことを内心では「バカな奴らだ」と蔑んでいたとしても、表向きは「適正な値付けのために頑張ってくれてありがとう」と敬意を表していただきたいものです。

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この記事へのコメント

kage

和製コモディティヘッジファンド

コモディティ価格って生産コストとどれくらい関係がある値段なんでしょうか。
このリンクのコモディティファンドは「アクティブ」ですよね、勉強の為に買ってみようかと思っています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDRNDY6K50ZD01.html
元メリルの林田さんって人がやっていて、エレメンツキャピタルっていうそうです。先物カーブの形をみるそうです。日本では珍しいかな。。。

Posted at 11:40:33 2012/12/03 by みつお

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kage

みつおさん

コメントありがとうございます。

恥ずかしながらこれまで私はヘッジファンドはすべてアクティブ運用だと思っていましたが違うのでしょうか?インデックス運用のヘッジファンドがあればそれはそれで面白いと思いますが。それにしても富裕層向けのヘッジファンドを勉強のために買えるとは羨ましい限りです。

Posted at 21:48:22 2012/12/03 by おやじダンサー

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kage

山村正です。

はじめまして山村正です。
興味があるのでまた遊びに来ますね!

Posted at 03:54:39 2012/12/05 by 山村 正

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kage


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