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投資の損益分岐点はプラスマイナスゼロではない

kage

2012/10/11 (Thu)

2年半前のこちらのエントリーで私は「ヤレヤレ売り」について触れました。

株の売買をする人たちの間で使われる慣用句のひとつに「ヤレヤレ売り」という言葉があります。これは大きな含み損を抱えていわゆる「塩漬け」になっていた株の価格が戻って損益がゼロになった時点で「ヤレヤレやっと塩漬けから解放されたか」という安堵感からその株を売ってしまうことを指します。このような言葉があるということはこの行動が人間心理に基づくありがちな行動であるという証明といえるでしょう。


つまり「ヤレヤレ売り」とは、株や投資信託が買値に戻ったところで売る行為です。買値と売値が同じであれば、見かけの損益は確かにゼロです。しかし実際には、ヤレヤレ売りでは目に見えないコストの分だけ損をしていることになるのです。

その目に見えないコストとは株の売買手数料とか投資信託の信託財産留保額のことではありません。それらは目に見えますので。私が指摘したい目に見えないコストとは「機会費用」のことです。

機会費用(きかいひよう)

ある生産要素を特定の用途に利用する場合に、それを別の用途に利用したならば得られたであろう利益の最大金額を指し、実際の生産額の費用とする概念。オポチュニティーコスト。(大辞泉より)


何だか難しい説明なので、不肖私が投資信託に例えてご説明を試みたいと思います。ある投資信託を基準価額1万円で購入→しかしその後運用成績は低迷→1年後にやっと基準価額が1万円に回復→ヤレヤレ売り。この事例では見かけの損益はプラスマイナスゼロです。しかしもし1年前にこの投資信託を買わずに預金していたらどうなったでしょうか?雀の涙ほどですが利息が付いて元本が増えていたはずですよね。この差が機会費用(オポチュニティーコスト)です。厳密には他の選択肢の中で最大の利益差が機会費用となるので、最も優れた運用成績を残した投資信託との差ということになるのでしょうが、そこは見逃してください。

私たちが投資を行う理由は期待リターンがプラスだからです。期待リターンがゼロやマイナスであれば、投資はやめて預貯金や個人向け国債を選ぶべきです。私たちの投資には1日ごとに期待リターンの分だけ見えないコスト(機会費用)が上乗せされているのです。そしてそれこそが事実上の損益分岐点になるわけです。10年経ってヤレヤレ売りをしたのでは大損であることを、私たちは正しく認識しておく必要がありますね。



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