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超短編小説・完璧な相場予測プログラム

kage

2012/10/06 (Sat)

20XX年、ある研究所で長年の努力が結実して完璧な相場予測プログラムが完成した。研究所長は早速マスコミ各社を呼んで完成披露記者会見を開催することにした。所長の難解な説明が一通り終わった後、ある新聞記者が手を挙げた。「よろしければ試しに何か予測してもらえないでしょうか?」所長は「いいでしょう」と自信たっぷりに答えると手元のタブレッド端末を操作した。所長は30秒ほど画面を注視していたが、やがておもむろにマイクを取り上げた。「今日から1週間後の日本10年国債の利回りを予測してみました。結果は0.055%の上昇と出ました。」所長は相変わらず自信たっぷりだったが、会場の雰囲気は微妙だった。

そして記者会見から1週間が経過した。その日の日本10年国債の利回りはプログラムの予測どおり0.055%上昇していた。しかしまだ世間の雰囲気は半信半疑だった。一度だけの的中ではまぐれ当たりの可能性も排除できないのである。それでもプログラムの予測が二度、三度と的中を続ける間に世間の雰囲気は確実に変わっていった。プログラムが四度目の予測として「1ヵ月後のドルは対円で9.88%下落する」との結果をはじき出したとたん、市場参加者たちは一斉に円買いドル売りに動いた。その結果、1ヵ月後のドルの下落幅はプログラムの予想より遙かに大きなものとなった。完璧な相場予測プログラムは、その予測が完璧であるがゆえに完璧ではなくなってしまったのである。

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前々から思っていたのですが、この「完璧な相場予測プログラムのパラドックス」は占いにもあてはまるのではないでしょうか?例えばものすごくよく当たると評判の占い師がいたとします。もしその占い師に「近い内にあなたは道で転んでケガをします」と言われたら、皆さんならどうしますか?当然、道で転ばないように気を付けますよね。その占い師が実は予言者で、どんなに注意をしても道で転んでケガをする運命から逃れられないのなら話は別ですが、一般論としては「よく当たる占い師の占いほどはずれる」というパラドックスが成立するのではないか?などと、とりとめもなく考えた土曜日の午後でした。



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