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日本版ISAに関する報道を読む際の注意点

kage

2012/09/09 (Sun)

最近になって日課の投資情報収集をしていると、忘れかけていた「日本版ISA」という単語を目にする機会が増えてきました。この「日本版ISA」に関しては当ブログでも以前は頻繁に取り上げていました。念のために検索してみたところ、初出は2009年12月25日付の下記のエントリーでした。

セゾン投信定期積立経過報告

その後も下記のエントリーで「日本版ISA」について触れています。

海外株式投信評価額(2010.03.19現在)

海外株式投信評価額(2010.10.15現在)

国が実施する優遇措置に対する考え方

セゾン投信定期積立経過報告

再掲・独立系投信は直販にこだわるべきか?

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このように過去に「日本版ISA」に関する話題を取り上げた経験を元に、今回の「日本版ISA」に関する報道を読む際の注意点の指摘させていただくと、「日本版ISAの恒久化を要望、13年度税制改正で=松下金融相(ロイター)」のように、「日本版ISA」の詳細を伝える報道の発信元はすべて金融庁であることには留意が必要です。

この指摘がどういう意味かを具体的に説明しますと、金融庁は「日本版ISA」を推進する立場にあり、現在報道されている「日本版ISA」の内容は金融庁がこうなって欲しいと希望しているものであるという点に留意が必要であるということです。これは「日本版ISA」も含む証券税制全体の構図を考えれば理解しやすいのですが、金融庁は常に優遇継続(あわよくば優遇恒久化)派であり、優遇否定派の財務省と毎回激しいバトルが繰り返されてきた歴史があります。財務省は現在適用中の証券優遇税制はできるだけ早期に廃止して税率を本則の20%に戻したいと考えていますので、「日本版ISA」についてもおそらく金融庁とはまったく違う考えがあると思われます。しかしながら現時点では金融庁案への対案はまだ報道されていませんので、報道の受けてとしては極論の片方だけを聞いているという認識が必要です。

立場によって認識が異なるひとつの例として「日本版ISA恒久化、たばこ増税に慎重対応=民主の税制改正要望(ロイター)」が挙げられます。このように与党・民主党は「日本版ISA」の恒久化については現時点では中立の立場であると判断できます。ただし、個人的に「いつもと少し風向きが違うな」と感じたのは「インタビュー:日本版ISA恒久化、ひとつの提案だ=民主税調会長(ロイター)」です。民主党の藤井裕久最高顧問(税制調査会長)は旧大蔵省出身でバリバリの財務省派だと私は思っていましたので、「日本版ISA」の恒久化に一定の理解を示したことは正直意外でした。もしかすると水面下で金融庁と財務省の話し合いが進んでいるのかも知れませんね。もっとも、衆議院議員の任期が1年を切った現状では政権の行方も流動的ですのでこの先どうなるか不透明ですが。

現在報道されている「日本版ISA」の内容は金融庁が主張する極論である点には注意が必要です。だからといって論評に値しないとは私も言いません。現在の報道内容を元に国民レベルでも建設的な意見交換が行われることは良いことであると思います。私は天の邪鬼なので以前から「日本版ISA」のメリットよりもデメリットが気になります。例えば口座をひとつに限定するとどうしても大手が有利になり、中小や独立系投信などは「日本版ISA」のシステム対応に莫大なコストをかけても選んでもらえないというジレンマに陥ります。また「非課税」は「損失の救済なし」と表裏一体ですので、損失を抱えた場合のことも考慮しておく必要があります。現実的な解としては高配当株や有配のETFなどを「日本版ISA」に集中させて配当を非課税とする使い方が良いかもしれません。また安定的に普通分配金を出せる毎月分配型投信であれば「日本版ISA」口座に入れることで無分配型投信より有利になる可能性も出てきます(これまで無意味の象徴とされていた分配金再投資が一転して有利になる可能性が出てくる)。もし非課税枠が5年や10年限定となれば、含み益がある銘柄については期限切れの前に一旦利益確定をする方が結果的に有利になることもあり、Buy&Holdが不利になる可能性がある点にも留意が必要ですね。

とりあえず「日本版ISA」の行方については、これからも注視を続けていきたいと思っています。



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