2017 07 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2017 09

インサイダー取引の課徴金が安すぎる?

kage

2012/05/30 (Wed)

増資を巡るインサイダー取引を行った疑いで、証券取引等監視委員会が旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)とヘッジファンド「あすかアセットマネジメント」に課徴金を科すよう金融庁に勧告した件に関して、あまりにも課徴金が安すぎるという意見をインターネット上で見かけました。具体的な課徴金の額は旧中央三井アセット信託銀行に対しては8万円、あすかアセットマネジメントに対しては13万円でした。この金額だけを見ると確かに安すぎるように思えます。しかし安いのにはそれなりの理由があったのです。

<増資インサイダー>旧中央三井アセットへの課徴金勧告(毎日新聞)

大型公募増資に絡むインサイダー問題を巡り、証券取引等監視委員会は29日、金融商品取引法違反(インサイダー取引)の疑いで旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行、東京都)とヘッジファンド「あすかアセットマネジメント」(東京都)に課徴金を科すよう金融庁に勧告した。いずれも個人的な取引ではなく業務の一環として不正取引をしており、情報の入手先は増資の幹事証券だったとみている。

旧中央三井への勧告は、国際石油開発帝石の公募増資を巡るインサイダー取引に続き2度目。



監視委は「市場の信頼を損なう行為」としつつ、いずれも幹事社名を明らかにしていないが、旧中央三井には野村証券、あすかアセットにはJPモルガン証券が情報提供したとみられる。情報提供者はインサイダー取引の処分対象ではないが、野村証券による不正取引への関与発覚は、旧中央三井の国際帝石の案件に続き2度目で、監視委は金融商品取引法違反(信用失墜行為など)の疑いで行政処分を勧告する方針を固めている。

監視委によると、旧中央三井のインサイダー取引は10年6月公表のみずほフィナンシャルグループ(FG)の公募増資を巡り行われた。男性ファンドマネジャー(運用担当者)が、増資の幹事だった野村証券の営業員から事前に増資情報を入手し、公表前日の6月24日、みずほFG株117万8600株を1億8418万円で売却。増資公表後に株価は暴落しており、ファンドマネジャーは2020万円の損失を回避したという。野村の営業員は損失回避後、株価が下がった段階で、発行した新株をファンドマネジャーに買い付けてもらったという。

あすかアセットは、10年8月公表の日本板硝子の公募増資で、幹事証券だったJPモルガンの営業員から事前に情報を入手。同月5~23日にかけ215万株を4億6538万円で空売りし、公募増資発表後に下落した株を買い戻して6051万円の不正利益を得ていた。JPモルガンの営業員は株売買の手数料収入で利益を得ていたという。

ただし、いずれも業務の一環として株売買されており、こうしたケースでの課徴金は不正利益ではなく運用報酬に基づき算定されるため、旧中央三井は8万円、あすかアセットは13万円にとどまった。


今回の事案で課徴金があまりにも安い理由はこの記事の最後に書いてあるとおりです。すなわち、インサイダー取引でファンドマネージャーが私腹を肥やしていたわけではなく、自己勘定取引で会社が利益を得ていたわけでもなく、結果的に旧中央三井アセット信託銀行が損失を回避した2020万円とあすかアセットマネジメントが空売りで儲けた6051万円は顧客の利益となりました。このため両社に対する課徴金は運用報酬額相当となり、「あまりにも安い」金額となったわけです。

もちろん課徴金の額が安いからといって罪が軽くなるわけではありません。プロの運用者にとってインサイダー取引に手を染めることは最も恥ずべき行為であるといえます。武士の時代なら間違いなく切腹ものですね。さらに問題なのは、インサイダー情報を漏らしたと疑われている野村証券とJPモルガン証券の担当者が処罰の対象とならないことです。上記記事にある野村の営業員の行為などは贈賄のようなものだと個人的には感じます。証券界のガリバーと称された野村がなぜそこまで落ちぶれたのか?、はたまた手段を選んでいられないところまで追い詰められているのか?、是非真相を知りたいものです。

この記事を読んでふと思い浮かんだのは、もし自分が思いがけず間接的にインサイダー取引の利益を受けてしまった顧客になったらどうするか?という想像です。自分にはまったく責任はないのに、不正な利益を得たと他人から非難されるかも知れません。あるいはもし証券取引等監視委員会から自主的にインサイダー取引相当分の利益を返上して欲しいと言われたらどうでしょう?私は道義的にインサイダー取引で得た利益を返上することに異議はありませんが、その場合は運用会社に迷惑料の請求くらいは行わないと気が済みませんね。このように顧客を間接的に共犯者にしてしまうことも今回のインサイダー取引事件の罪深いところです。



関連記事

この記事へのコメント

kage

続く野村関連の不祥事

証券監査委員会が中央三井アセットに下した判定が課徴金5万とか8万とか言われているが子供の小遣いじゃあるまいし、冗談も良い加減にしろ。これが法令違反に対するものとは呆れてものが言えぬ。度重なる違反行為に、野村トップの交代、課徴金1000倍、関わった野村社員の解雇、等当然で「営業活動の内」などとうそぶく野村という会社は、もう必要ないので、消してしまうかどこかに人事一新して吸収してしまうべきだ。下々では大沢義博の様に目録書も見せずにケイマンの投信を売り顧客に損失を与え、それを可とした
名古屋地裁の谷口豊など、野村は上から下まで腐りきってる株屋であり癒着も多いとみられるからるから、即刻消滅させる同時に金融に関する法改正を急がないと世界から孤立してしまうだろう。

Posted at 09:36:24 2012/06/18 by cello

この記事へのコメント

kage

celloさん

コメントありがとうございます。

野村のケースは「貧すれば鈍する」の典型のような気がしています。

Posted at 20:54:40 2012/06/18 by おやじダンサー

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック