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沸騰の現場 日本脱出!? 日本の個人資産はどこへ行く?

kage

2012/05/12 (Sat)

本エントリーのタイトルはテレビ東京系で放送されている経済情報番組「未来世紀ジパング」5月7日放送分よりいただきました。たまたまテレビ番組表で出演者に藤巻健史氏の名前を見付けて、久しぶりに藤巻節を聞きたくなって録画予約していたのですが、昨日になってようやく視聴することができました。視聴してみるとその内容はネタの宝庫でしたので、当ブログのネタに流用させていただくことにした次第です。

なお、放送内容の概要は下記番組サイトでご覧いただけます。

沸騰の現場 日本脱出!? 日本の個人資産はどこへ行く?

そこで本エントリーでは私の感想を中心に書き進めていきたいと思います。

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最初に登場した若い女性(28歳・派遣OL)、昨年夫と共同で新築マンションを購入したが買ったとたんに値段(筆者注:評価額のことですね。)が下がることにご不満の様子。そんな彼女が給料をコツコツと貯めて新たに狙う投資対象はハワイのリゾートマンション。賃貸と転売を考えている。

現在ハワイの不動産価格は急上昇中。昨年の値上がり率は前年比24.2%。さらなる値上がりも予想されている。円高の内に買っておきたいという多くの日本人がハワイを訪れている。

ハワイを訪れた若い女性が地元の不動産業者に最初に案内されたのが単身者向けのワンルームタイプ。価格は10万ドル以下(800万円以下)。眺望は最高(ベランダからダイヤモンドヘッドが見える)、立地条件も最高(ワイキキビーチまで徒歩5分)。女性は即決で購入を決めた。

若い女性曰く「バブル崩壊後の日本に住んでいると不動産価格は下がり続けるというイメージしかなかった。しかし海外で不動産を探し始めてから不動産価格は経済状況で価格が大きく変わる(10倍になることもある)ことに気付いた。」

次に登場したのは名古屋の夫婦。夫が昨年定年退職し、退職金の運用に悩んでいる。夫婦で作った運用プランでは夫が82歳で退職金は枯渇。妻曰く「このプランニングシートを見るとゾッとする。」(筆者注:日本人男性の平均寿命は80歳なので実際には現実的なプランなのでしょう。ただしこれからは長生きするリスクにも備える必要があるかもしれませんね。)

退職金の運用に悩む夫は勧められるままに(筆者注:金融機関にでしょうね)ある金融商品を50万円分だけ購入した。その金融商品とは「ノルウェー輸出金融公社 円建・日経225ETF償還条項付債券(早期償還条項付、ノックイン型)」。年利3.25%という高い金利にひかれたのだ。(筆者注:ここで私は心の中で「オイ!」とツッコミを入れていました。これはいわゆる日経平均リンク債ですよね。リターンには上限があるのにリスクは事実上無限の個人投資家にとっては極めて不利な金融商品です。これを退職者に勧めた金融機関も、単に高利回りのノルウェー債券としか説明しない番組の姿勢にも疑問を感じます。)

妻曰く「素人なので本当のところあまり分からないで買っているのが現実。」(筆者注:ここで私は再度心の中で「オイ!」とツッコミを入れていました。分からないものは買わない、が投資の大原則ですよ。以前こちらのエントリーでご紹介した番組でも触れられていましたが、投資経験ゼロのままリタイアを迎えるリスクは極めて高いと感じました。)

それ以降夫婦は他の金融商品は一切買っていない。夫が資産運用セミナーでもらったと思われる資料には「個別株投資の時代は終わった、プロが市場平均に負ける理由」の文字が見える。そこには「株はやるな」と大きく手書きされた文字がある。結果的に残りの退職金は銀行に預けたまま。

妻曰く「(銀行に預けていても)増えないからこれからどうしようかなと(考えているところ)。」日本の個人金融資産1,500兆円の多くを保有するリタイア世代にはこの夫婦のようなケースが多い。

次に登場したのはマレーシアの日本人不動産購入ツアー。この内容は上記リンク先に書いてありますので書いていないこと中心で進めたいと思います。

マレーシアの国民は超親日的。人気のショッピングモールには東京街(トーキョーストリート)という一角がある。街中にも日本食の店が目立つ。メニューはあえて日本語表記。現地の人にはこれがオシャレなのだと。

今、マレーシアのリゾートマンションは投機目的で買われている。その影響もあり昨年のマレーシアの不動産価格上昇率は前年比7.8%。地元の著名不動産業者曰く「中国のお金がマレーシアに流れ込んでいる。中国ではもはや不動産価格は頭打ち。投資にうま味がない。そこで投資先がマレーシアに。そのマネーが不動産価格を押し上げている。中国人は今の内に買ってみんな大儲けしたいのだ。」

しかし日本人がマレーシアで不動産を買う理由は日本の現状への強い危機感も大きい。東日本大震災がきっかけになった人もいる。大切な資産を日本にだけ置いておいていいのだろうか?という思いがある。

シンガポールには別の手段で海外に資産を移そうとする日本人が多く訪れている。それはHSBC(香港上海銀行)への口座開設。日本、円、日本国債、日本の銀行などへの不安が彼らに行動を起こさせている。(日本人のHSBC口座開設といえば香港のイメージでしたが最近はシンガポールが主流なのでしょうか?)

ここでようやく藤巻健史氏が登場。「伝説のトレーダーと呼ばれた」と紹介。モルガン銀行時代は藤巻の発言でマーケットが動くと言われたと。

藤巻氏が指摘する「日本を脱出する理由」。銀行のゼロ金利(預金しても増えない)、地価・株価の低迷財政赤字震災

藤巻氏「昨年末時点の日本の累積赤字は約959兆円。毎年10兆円ずつ返済しても96年かかるほどの莫大な赤字。しかし今年の予算は10兆円返済するどころか新たに約44兆円の国債を発行して赤字を増やしている。このままでは200年経っても300年経っても借金は返せない。」

藤巻氏が指摘するもうひとつの「日本を脱出する理由」。それは円高。海外のモノが安く買えるので国内資産の海外脱出が進んでいる。

藤巻氏の主張「円安が日本を救う」。輸出産業の復活国内雇用の増加税収アップ。(筆者注:日本がこれからも外需製造業依存型の経済を続けるのであればそのとおりなのですが、個人的にはそろそろ転換期が来ているようにも思えます。)

藤巻氏の理論。資産が海外に出る→円安になる→輸出企業が儲かる。

米国のグリーンカード(永住権)取得を目的に米国に投資をする人もいる。こちらの内容も上記リンク先にありますが、これは「EB-5プログラム」のことですね。以下はWikipediaからの引用です「EB-5プログラムまたはEB-5ビザは、アメリカ合衆国において一定条件を満たす外国人投資家に対してグリーンカード(永住権)を取得できるようにしたビザ取得プログラム。1990年の移民法(Immigration Act)で新たなカテゴリーとして制定された、2012年10月終了予定の時限法。EB-5プログラムで永住権を取得するには、連邦政府指定の地域センター(Regional Center)の投資案件事業に50万USドルまたは100万USドルを投資し、少なくとも10人の従業員の雇用をしなくてはならない。外国人はアメリカの永住権の早期取得を期待でき、投資対象事業者は複数の外国人投資家の資金を集めることで事業に資金を投下し、地域は雇用を創出することができる。」

イチローが所属するマリナーズが本拠地を置くシアトルはEB-5プログラムのおかげで開発ラッシュ。米国人の雇用も増えている。投資責任者曰く「グリーンカードはアメリカにとって打ち出の小槌ですよ。日本人の莫大な個人資産がアメリカを今、潤しているんですよ。」

EB-5プログラムを活用してグリーンカードを取得したハワイ在住の母娘。母から娘に対する投資という側面も。ハワイ大学に通う娘の学費は地元住民扱いで他の留学生の1/4。卒業後の選択肢も広がる。

藤巻氏「残念ながら日本が財政破綻する可能性は否定できないと思っている。日本が財政破綻すると、震災復興費が出ない、株価の大暴落、企業の倒産激増などの事態に。日本が借金できなくなったら日本の全てのマーケットが無茶苦茶になる。」(筆者注:世界最大の債権国である日本が財政破綻したら、その影響は日本国内だけに止まらず、世界大恐慌になるかもしれませんね。)

龍谷大学経済学部教授・竹中正治氏は藤巻氏の主張に異議を唱える。竹中氏は3年前まで銀行の為替ディーラーだった。竹中教授「総合的な事情から考えて、今のヨーロッパのイタリアやスペインやギリシャで起こっていることが今のアメリカや日本ですぐに起こるというのはどう考えてもあり得そうにない。慌てて今すぐ日本の資産を叩き売って海外に移すことは合理的ではない。」

慌てて動くな、の根拠となるのが日本国債への高い信用。日本国債の91.5%は日本国内で消化されている。日本人が日本国債を買い続けている間は日本の財政は破綻しない。竹中教授「日本で国債の暴落のような危機が目先2-3年の内に起こるのではないかという恐怖とか不安に駆られて何かをする必要はない。すぐそこに危機が迫っているわけではない。」(筆者注:東日本大震災後に散々聞かされた「直ちに影響があるわけではない」と同じで、いずれ影響が出ると言われているようなもので、かえって不安が高まりますね。)

藤巻氏「私はそれほど楽観的ではなく、(日本の財政破綻は)いつ来てもおかしくないと思っている。日本の個人金融資産は1999年以降全然伸びていない(2010年時点で約1,483兆円)。これに対して国の債務は1997年には300兆円程度だったのに2011年には3倍以上の約959兆円に。どんどんこの差が縮まってきている。これが交差するまでは大丈夫ということではない。なぜなら皆さんが全部の個人金融資産を国債で持つわけではないから。従ってある程度差が縮小した段階でもはや個人金融資産では国の債務は賄えない(カバーできない)ということになる。」

藤巻氏の未来予測「日本破綻 その先に夜明けが」。一度クラッシュするがその後の日本はグイグイと良くなる。(筆者注:実際にロシア、アルゼンチン、韓国など、財政破綻した国がその後急成長する事例は多いです。ただし国民は塗炭の苦しみをなめることになります。日本でいえば終戦直後のような状況ですね。)

藤巻氏「私が言いたいのは資産は自分で守るということ。政府自身が財政破綻が迫って厳しくなっているので彼らが国民を助けてくれるわけがない。今日番組で紹介された人の先見性や危機感は尊敬するが、海外に行って不動産を買うとか海外の銀行に預金を移すことまではやらなくていいので、まずは日本の銀行とか証券会社で外貨建て資産を買えばいい。日本の銀行が全部破綻するのではないかと心配している人がいたが、私はそれはちょっと心配し過ぎだと思う。なぜなら私も長男は銀行に勤めさせているから。(筆者注:もし本当に危険だったら辞めろと言うはずだ、という意味でしょうね。)」

藤巻氏「日本を捨てて海外に資産を移すことは利己的だと思われるかも知れないが、最終的には国のためになっている(筆者注:円売り外貨買いで円安圧力になるとか海外で利益や配当を得て所得収支に貢献するとか。)海外にお金を移すことに罪悪感を持つ必要はまったくない。」

感想中心と書きながら結局はレポート中心になってしまいました。藤巻氏の意見には異論・反論も多いと思いますが、「資産を守る」という観点で資産運用を行う必要性があるという指摘には異論は少ないと思います。日本人が本気で資産防衛を考え始めたことは日本の投資環境転換のきっかけになるかも知れないと感じました。また日本人の不動産と預金に対する絶大な信頼(不動産神話+預金神話)はDNAに刷り込まれているのかも知れないとも感じました。



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