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電機王国ニッポンの落日

kage

2012/04/10 (Tue)

本日、電機王国ニッポンを代表する企業であったソニーとシャープが相次いで業績の下方修正を行いました。

過去最悪5200億円の赤字=大幅下方修正、苦境鮮明に-ソニー(時事通信)

シャープ、赤字3800億円に=テレビ事業低迷(時事通信)

この赤字額を見ただけでも両社の経営環境が危機的状況に陥っていることが良く分かります。もちろんこれは両社に限ったことではなく、パナソニックも2011年3月期連結決算が7,800億円の赤字となる見通しを発表しています。かつて世界市場に君臨して電機王国ニッポンを築き上げた日本のメーカーがなぜこんな体たらくに陥ってしまったのでしょうか?果たして電機王国ニッポンの復活はあるのでしょうか?

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ソニーとシャープが業績の下方修正を余儀なくされた理由はたくさんありますが、両社に共通する主犯は「テレビ」でした。下記は価格.comからお借りしてきたテレビの販売価格推移グラフです。左がソニーのブラビア・LDL-40EX720で、右がシャープのアクオス・LC-32V5です。機種選定は販売ランキングの上位から適当に選びました。これを見れば日本のテレビ事業が危機的状況にあることが一目瞭然です。

SONY KDL-40EX720 SHARP LC-32V5

ご覧のとおり液晶テレビの値崩れは凄まじいものがあります。ソニーのブラビア・LDL-40EX720は発売から1年強で7割引状態になり、シャープのアクオス・LC-32V5も発売から1年強で6割引状態になっています。素人目に見てもこの状態で利益を確保することは至難の業であるように思えます。ソニーにとってもシャープにとってもテレビ事業はかつてのドル箱でした。これを野球に例えるなら不動の4番バッターのようなものです。それが極度のスランプに陥り三振ばかりでは業績が急速に悪化するのも致し方ありません。

4番バッターのテレビが極度のスランプに陥っても、その前後を打つクリーンナップが頑張ってくれれば傷も浅くて済んだのですが、残念なことに彼らも4番バッター以上のスランプに陥っていたのです。下記は価格.comからお借りしてきたブルーレイ・レコーダーの販売価格推移グラフです。左がソニーのBDZ-AT350Sで、右がシャープのBD-W500です。こちらも機種選定は販売ランキングの上位から適当に選びました。

SONY BDZ-AT350S SHARP BD-W500

ご覧のとおりブルーレイ・レコーダーの値崩れはテレビ以上に深刻です。値下がり幅自体はテレビより小さいものの、発売直後から値崩れが始まるのではもはやビジネスとして成立していないように思えます。個人的な印象では生鮮食料品の値動きに近付いているように感じます。生鮮食料品であれば昔ながらの製法を守り、同じ品質の商品を生産し続けるという選択肢もあるのですが、残念ながら電機製品には通用しません。テレビやブルーレイ・レコーダーは常に性能向上とコストダウンを求められ続ける宿命にありますので。

繰り返しになりますが、この販売価格推移を見る限りはビジネスとして成立させるのは難しいでしょう。過去の常識や経験に囚われない大胆かつ抜本的な改革が必要であるように思えます。もしこれからもテレビやブルーレイ・レコーダーで勝負したいのであれば、値崩れを防ぐために従来にない高付加価値が必要です。ソニーが開発で先行していた有機ELテレビなどは有望株だったのですが、今ではすっかり韓国勢にお株を奪われてしまったことは誠に残念です。ただ高付加価値には性能の向上だけでなく、消費者の細かい要求に対応してカスタマイズ可能にするようなサービスの向上も含みますので、努力次第では大逆転の可能性は十分にあると思います。しかし冷静かつ客観的にに現状を分析して、テレビやブルーレイ・レコーダーはコモディティ化して勝負にならないと判断したのであれば、潔く撤退するという選択肢も真剣に検討すべきでしょう。いずれにせよ電機王国ニッポンの復活を議論する前に、まずは企業が生き残るために大胆な決断を行う必要があることは言うまでもありません。

大胆な決断といえば電機メーカーの再編も選択肢に挙げるべきでしょう。日本の電機メーカーは数が多過ぎて過当競争に陥っていることはずいぶん以前から指摘されていましたが、業界再編はまだほとんど進んでいません。主力メーカーが危機的状態に陥った現在はある意味で業界再編には絶好の機会なのかも知れません。もしかすると先に発表されたシャープと台湾の鴻海との資本・業務提携は業界再編の先駆けになるのでしょうか?いずれにせよここで何も変わらなければ待ち受けているのは電機王国ニッポンの滅亡なのかも知れません。



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