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震災後一年のアクティブファンド比較

kage

2012/03/11 (Sun)

今日で東日本大震災の発生からちょうど一年です。私自身の中ではもう一年経ったのかという思いと、一年経っても復興や原発事故の問題解決が遅々として進まない現実に対するいらだちが複雑に絡み合っています。しかしそれでも世界経済は日々動いており、投資環境も日々変化を続けているのが現実です。本エントリーは「震災後3ヵ月のアクティブファンド比較」と「震災後半年のアクティブファンド比較」のフォローです。なおこの比較のきっかけとなったのは震災後のセゾン投信定期積立経過報告に書いた以下の疑問でした。

ところで激変した日本の投資環境を見てふと思ったのですが今はある意味でアクティブ運用の銘柄選択が容易になっているのではないでしょうか?すなわち復興需要期待銘柄や西日本が基盤の銘柄を買って消費マインド低下の影響を受ける銘柄や東日本に基盤のある銘柄を売れば良いのでは?実際に多くの機関投資家やアクティブ運用の投資信託が東京電力を売って関西電力など他の電力会社に乗り換える行動に出ているそうですし。インデックス運用は銘柄の選択を行いませんので東京電力の株も大きな被害を受けた企業の株も買い続けなければなりません。果たして長期的にこの差は出ないのでしょうか。それとも現在の株価はこれらの要因をすべて織り込んだ価格なので結局銘柄選択はするだけ無駄という結論になるのでしょうか?個人的に気になっていますのでもし覚えていれば1年後くらいに比較してみたいと思っています。


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比較対象は前回、前々回と同じです。ベンチマークも同様に国内株式運用の代表的なインデックス指数であるTOPIXとします。それではまず国内株で運用する代表的な独立系投信4社の比較です。

独立系投信

緑:結い2101(鎌倉投信)
赤:ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
黒:コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
青:さわかみファンド(さわかみ投信)
橙:TOPIX


こうして改めて震災後一年間のチャートを眺めてみると、昨年8月頃から明らかに流れが変わっていることが分かります。この時期に何が起こったかといえば、ギリシャ問題に代表される欧州債務危機の再燃でした。つまりこのころから東日本大震災より欧州債務危機の方が市場への影響度が高くなって行ったと考えられます。そして結果的に震災から一年後の現時点では各ファンドの運用成績に大きな差が出る結果となりました。すなわち組み入れ銘柄が多く常にフルインベスト状態のさわかみファンドはTOPIXとほぼ同等、常にフルインベストに近いが組み入れ銘柄を30程度の絞り込んだコモンズ30ファンドはTOPIXを上回り、銘柄の絞り込みに加えて臨機応変に現金比率を変動させた結い2101やひふみ投信はさらに良い成績を残す結果となりました。ただしこの比較を始めたきっかけは、震災という大きな出来事により明確な投資テーマが生まれることでアクティブファンドが有利になる可能性を検証してみたいというものであり、昨年8月以降の差は震災以外の要因から生じたものと思われます。従って当初の私の疑問に対する結論は「震災を要因としてアクティブファンドが有利になる状況は確かに存在した。しかしその期間は5ヵ月だった。」とさせていただきます。

それでは続いてモーニングスター社のFund of the Year2010において国内株式部門の表彰を受けた投信4本で比較してみましょう。

Fund of the Year2011

緑:スパークス・ジャパン・スモール・キャップファンド
青:ストラテジック・バリュー・オープン
黒:フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)
赤:損保ジャパン・グリーン・オープン
橙:TOPIX


※フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)は昨年4月11日、7月11日、10月11日と今年1月10日に各50円の分配金を出しています。またストラテジック・バリュー・オープンは7月に100円の分配金を出しています。その分だけ基準価額が下落している点にご留意下さい。

こちらは結果的に一年を通してほとんど同じような傾向で推移していますね。この結果だけを見ると東日本大震災も欧州債務危機の再燃も各ファンドの運用成績に大きなインパクトを与えていないように思えます。これをポジティブに表現すれば安定的な運用ができている証拠であり、ネガティブに表現すればチャンスを生かせていない証拠であるとも言えそうです。ただしすべてのファンドがTOPIXを上回る運用成績を残していますので、少なくともTOPIXと同等の成績しか残せなかったさわかみファンドを選ぶよりはマシだったという判断はできそうです。

モーニングスター社のFund of the Year2010で表彰されたアクティブファンドの成績がこの程度なのだから、証券会社や銀行で販売されている一般的な公募アクティブファンドはどれも期待薄なのかといえば、もちろんそんなことはありません。下記はモーニングスター社のFund of the Year2011で表彰されたアクティブファンドの過去一年の基準価額推移です。

Fund of the Year2011

青:JFザ・ジャパン
赤:三菱UFJグローバルイノベーション
緑:ストラテジック・バリュー・オープン
黒:TOPIX


ご覧のとおり、JFザ・ジャパンや三菱UFJグローバルイノベーションは結い2101やひふみ投信といい勝負になっています。このように一般的な公募アクティブファンドでも優れた運用成績を残しているものが少なからず存在しているのです。インデックスファンドが有利な理由のひとつとして優れたアクティブファンドを事前に探し出すことが不可能であることが挙げられます。しかし私のようなハイリスク投機家にしてみれば、不可能と言われる困難な状況の中から宝探し感覚で優れた成績を残すと期待できるアクティブファンドを発掘する努力をすることは(それが結果的に無駄な努力であったとしても)楽しく感じるものなのです。加えて過去一年間の結果論で言えば、ここで紹介したどのアクティブファンドを選んでもTOPIXに負けることはありませんでした。ハイリスク投機家としてはここにアクティブファンドの可能性を感じます(感じたいと望んでいるという表現の方が的確かも知れません)。アクティブファンドが切磋琢磨して運用成績を上げれば、結果として市場平均が上昇してインデックスファンドのリターンも向上しますので、インデックス投資家の皆さんにもぜひアクティブファンドを応援していただきたいものです。少なくともアクティブファンドを全否定することは、自分で自分の首を絞めるに等しいことだと分かっていただきたいと思っています。

東日本大震災をきっかけに始めた当企画は一応今回をもって完結とさせていただきます。なおアクティブファンドの比較自体は今後も何かと理由を見付けて続けていきたいと思っています。



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