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震災後半年のアクティブファンド比較

kage

2011/09/11 (Sun)

今日で東日本大震災の発生からちょうど半年となります。遅々として進まない復旧・復興には言いたいこともたくさんありますが本エントリーでは3ヵ月前に書いた「震災後3ヵ月のアクティブファンド比較」のその後をフォローしたいと思います。なおこの比較のきっかけとなったのは震災後のセゾン投信定期積立経過報告に書いた以下の疑問でした。

ところで激変した日本の投資環境を見てふと思ったのですが今はある意味でアクティブ運用の銘柄選択が容易になっているのではないでしょうか?すなわち復興需要期待銘柄や西日本が基盤の銘柄を買って消費マインド低下の影響を受ける銘柄や東日本に基盤のある銘柄を売れば良いのでは?実際に多くの機関投資家やアクティブ運用の投資信託が東京電力を売って関西電力など他の電力会社に乗り換える行動に出ているそうですし。インデックス運用は銘柄の選択を行いませんので東京電力の株も大きな被害を受けた企業の株も買い続けなければなりません。果たして長期的にこの差は出ないのでしょうか。それとも現在の株価はこれらの要因をすべて織り込んだ価格なので結局銘柄選択はするだけ無駄という結論になるのでしょうか?個人的に気になっていますのでもし覚えていれば1年後くらいに比較してみたいと思っています。



比較対象は前回と同じです。ベンチマークも前回と同様に国内株式運用の代表的なインデックス指数であるTOPIXとします。それではまず国内株で運用する代表的な独立系投信4社の比較です。

独立系投信

緑:結い2101(鎌倉投信)
赤:ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
黒:コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
青:さわかみファンド(さわかみ投信)
橙:TOPIX


ごらんのとおり順位は前回と変わらずすべてがTOPIXを上回っている点も同じでした。しかし3位のコモンズ30ファンドと4位のさわかみファンドは8月以降の「歴史的円高+世界同時株安」の局面で明らかに運用成績が失速しています。両ファンドは日本を代表するような外需系大企業の株を多く組み入れていますので歴史的円高の影響や(日本の株式市場の売買主体である)外国人投資家の売りの影響を強く受けたものと推察します。また直近の投資環境の激変の中をほぼフルインベストメント状態(=現金比率がゼロに近い)でバイ&ホールドを続けることの難しさを端的に示しているようにも思えます。

続いてモーニングスター社のFund of the Year2010において国内株式部門の表彰を受けた投信4本で比較してみましょう。

Fund of the Year2011

緑:スパークス・ジャパン・スモール・キャップファンド
青:ストラテジック・バリュー・オープン
黒:フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)
赤:損保ジャパン・グリーン・オープン
橙:TOPIX


※フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)は4月11日と7月11日に各50円の分配金を出しています。またストラテジック・バリュー・オープンは7月に100円の分配金を出しています。その分だけ基準価額が下落している点にご留意下さい。

こちらは前回から2位と3位が入れ替わりました。全ファンドがTOPIXを上回っている点は同じです。全体的に8月以降の「歴史的円高+世界同時株安」の影響を強く受けているように見えるのはやはり投資環境激変の中をフルインベストメント状態でバイ&ホールドを続けたためなのではないかと思います。つまりアクティブファンドの運用成績を高めるためには銘柄選択より現金比率を臨機応変に増減させてリスク管理を行うことがより重要になるといえるのではないでしょうか?

それでは銘柄選択はほとんど意味がないのかといえばもちろんそんなことはありません。独立系投信グループで上位の結い2101とひふみ投信、そしてFund of the Year2010グループでトップのスパークス・ジャパン・スモール・キャップファンドの共通点は中小型株や新興株を多く組み入れていることです。今回の「歴史的円高+世界同時株安」の局面では日本を代表するような外需系大企業の株や大手銀行や大手証券会社などの金融株が特に売り込まれました。つまり結果論ではありますが現時点では中小型株や新興株の組み入れが「正解」だったということになります。今回の比較結果は銘柄選択を「日本を代表するような企業」に絞ることはそれはそれでリスクを高める結果になることを示しているように思います。アクティブファンドは銘柄選択にテーマを設定する方が分かりやすく売りやすいのかも知れませんが運用成績を追求するのであれば銘柄選択にも予断を持たず臨機応変にテーマを切り替えていくことも重要になるのではないでしょうか?

時系列的に次は9が月後の比較をぜひしてみたいところですが比較チャートの作成に利用させていただいているYahoo!ファイナンスに9ヵ月という区切りがないため本エントリーのフォローは(忘れなければ)半年後(東日本大震災発生から1年後)になると思います。



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この記事へのコメント

kage

大型株が現金化しやすいのかもしれませんね。。ただ、配当利回り等を考えると尋常じゃない割安時期でしたので、TOPIXや日経平均が下がったとき→外需系を仕込む時期

個別の中小株で興味がある銘柄が下がったとき→個別の中小株なのかもしれませんね。

Posted at 14:15:47 2011/09/16 by 矢向

この記事へのコメント

kage

矢向さん

コメントありがとうございます。

日本株は売買高が減り続けていますのでまとまった資金を運用する機関投資家には流動性の高い大型株に選択肢が絞られてしまうのでしょうね。

今の日本株は安いと分かっていても買いのタイミングを判断するのは決して簡単ではないと日々実感しています。

Posted at 23:24:09 2011/09/16 by おやじダンサー

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kage


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