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震災後3ヵ月のアクティブファンド比較

kage

2011/06/11 (Sat)

震災後のセゾン投信定期積立経過報告で私は以下のように書きました。

ところで激変した日本の投資環境を見てふと思ったのですが今はある意味でアクティブ運用の銘柄選択が容易になっているのではないでしょうか?すなわち復興需要期待銘柄や西日本が基盤の銘柄を買って消費マインド低下の影響を受ける銘柄や東日本に基盤のある銘柄を売れば良いのでは?実際に多くの機関投資家やアクティブ運用の投資信託が東京電力を売って関西電力など他の電力会社に乗り換える行動に出ているそうですし。インデックス運用は銘柄の選択を行いませんので東京電力の株も大きな被害を受けた企業の株も買い続けなければなりません。果たして長期的にこの差は出ないのでしょうか。それとも現在の株価はこれらの要因をすべて織り込んだ価格なので結局銘柄選択はするだけ無駄という結論になるのでしょうか?個人的に気になっていますのでもし覚えていれば1年後くらいに比較してみたいと思っています。



ここでは「1年後くらいに比較してみたい」と書きましたがその後もこの件は気になっていましたので3ヵ月後時点の状況を比較してみたいと思います。なお比較対象は国内株式運用の代表的なインデックス指数であるTOPIXとします。それではまず国内株で運用する代表的な独立系投信4社の比較です。

独立系投信

緑:結い2101(鎌倉投信)
赤:ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
黒:コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
青:さわかみファンド(さわかみ投信)
橙:TOPIX


ごらんのとおりトップに立ったのは結い2101でした。今回の比較対象の中で唯一グラフ左端(震災が発生した3月11日)の成績を上回っています。タッチの差で2位となったのはひふみ投信でした。3位コモンズ30ファンド、4位さわかみファンドはトップ集団から少し間隔が開いてしまいましたがTOPIXには余裕で勝っています。

続いてモーニングスター社のFund of the Year2010において国内株式部門の表彰を受けた投信4本で比較してみましょう。

Fund of the Year2011

緑:スパークス・ジャパン・スモール・キャップファンド
青:ストラテジック・バリュー・オープン
黒:フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)
赤:損保ジャパン・グリーン・オープン
橙:TOPIX


※フィデリティ・日本配当成長株ファンド(分配重視型)は4月11日に50円の分配金を出しています(その分基準価額が下落しています)。

ごらんのとおりこちらも全ファンドがTOPIXを上回る成績となっています。この結果から大震災という大きな出来事の後である程度投資テーマが明確になった状況ではアクティブファンドにメリットがあると考えて良いのではないかと思います。

それにしてもこうして改めていくつかのアクティブファンドを比較してみると普通に金融機関で売られている投資信託と直販を中心とする販売形態を取る独立系投信では明らかに運用成績に差があることが一目瞭然です。さらには独立系投信の中でも明確な差が現れているのが興味深いです。独立系投信成績1位の結い2101と2位のひふみ投信に共通していたのは震災発生時点で運用資産の現金比率が高く、翌週の暴落場面で割安になった銘柄を集中的に買ったことです。これができたかどうかが今回の成績に大きな差を生んだように思えます。一般的な株式投資信託の運用では株式の組入比率を高位に保つことを原則にします。つまり現金比率(キャッシュポジション)はできるだけ小さくしておくことが原則なのでまさかの急落場面で安くなった銘柄を買うことができません。独立系投信の中でもコモンズ30ファンドやさわかみファンドはこの状態だったと思われます。それでは現金比率を常にある程度高く保っていれば安心かといえばもちろんそんなことはありません。株価が景気よく上昇する場面では現金比率が高ければ高いほど運用成績が上がりにくくなりますので。しかし私としては大切な運用資金を信じて託す以上は現金比率の増減も含めて自由にファンドマネージャーに運用して欲しいと考えます。現金比率を状況に応じて機動的かつ大胆に変更できるのか、実際にそれを行っているのか、がこれかのアクティブファンド選びにには重要になるような気がしています。



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この記事へのコメント

kage

同感です。
よく事前によいアクティブファンドを選ぶことはできないと教科書(主に翻訳もの))に書かれていますが、普段からよさそうな物をウォッチしていればさほど難しくはないように思います。特に日本株アクティブファンドの場合は定番がほぼ決まっていますし成績も割合安定していますから。

Posted at 11:54:07 2011/06/12 by Tansney Gohn

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kage

Tansney Gohnさん

コメントありがとうございます。

確かに普段から関心を持って探していれば良さそうなアクティブファンドはいくつか見つかるのですがあえて心配点を挙げれば、ファンドマネージャーが替わると成績が激変する可能性がある、運用資産規模が増えるとインデックスファンド化する、などがあります。良さそうなアクティブファンドが見つかっても将来はどうなるか分からないのがアクティブファンド選びの難しいところですね。

Posted at 22:11:39 2011/06/12 by おやじダンサー

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kage

ひふみは大丈夫でしょう、まだあまり大きくないようですから。
インデックス化したと言われているさわかみですら平均を超えています。
世襲はちょっとまずかったでしょうけどね。

Posted at 13:03:30 2011/06/13 by Tansney Gohn

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kage

Tansney Gohnさん

再度のコメントありがとうございます。

ひふみ投信は私も定期積立を継続している顧客の一人として運用成績には満足しているのですが過去にファンドマネージャーの突然の交替というゴタゴタがあったことも事実ですので不安がまったくないわけではありません。

さわかみファンドについては銀行株を組み入れないという運用方針が吉と出たような気がします。

Posted at 18:57:11 2011/06/13 by おやじダンサー

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kage

ここについては、同じようなことをFaceBookに書いてみました。
簡単に当たり前のことを言うと
http://www.morningstar.co.jp/FundData/Return.do?fnc=2010040601

CMAMという優れたTOPIX連動ファンドが有りますが、「全然中位に居ない。」ということが有ります。

びりを引くインデックスファンド 国内のベンチマークが悪いのか値嵩株が、公共系企業が多いからか・・・これをインデックスファンドの功罪と書いています。

コストを下げただけでは全然いけてないベンチマークについて言ってしまう。

Posted at 15:29:19 2011/06/18 by 矢向

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kage

矢向さん

コメントありがとうございます。

インデックス運用が合理的選択である前提は市場で株価がおおむね適正な値付けがされることです。しかし日本の株式市場は売買高は減り続け自国民が株を買わない(外国人比率7割)特異なところですのでインデックス運用は合理的な選択ではなくなっているのかも知れませんね。

以前他のエントリーでも書きましたが私は今の日本株は資産運用のコア部分から外してサテライトに格下げが妥当だと感じています。

Posted at 20:14:18 2011/06/18 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

ちなみに、結い2101とコモンズについては、毎月積立で買い付けています。
結い2101については、鎌倉が(他県と比べると)割と近い川崎に住んでいるので、時々イベントに参加しています。

今までに無い基準価額とキャッシュの持ち方ですが、割と良いと思います。

サテライトかもしれませんが、、

Posted at 09:29:33 2011/06/19 by 矢向

この記事へのコメント

kage

矢向さん

再度のコメントありがとうございます。

アセットアロケーションの日本株の部分だけを独立系投信に置き換えるという選択は結構「あり」ですよね。

私は個別株投資をしていますがリスク管理が甘過ぎて毎月積立投資しているひふみ投信の運用成績にまったくかないません。

Posted at 21:59:00 2011/06/19 by おやじダンサー

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kage


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