2017 05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2017 07

再掲・私たちが目指すべき次世代発電システム

kage

2011/03/20 (Sun)

今回の東日本大震災による福島原子力発電所の深刻な事故は日本だけでなく世界に衝撃を与えています。元々原子力発電には賛否両論がありましたが今回の事故の後ではしばらく推進は難しいでしょう。原発周辺の住民感情の悪化でもしかすると現状維持でさえ難しいかも知れません。それでは私たちは原子力発電に代わる発電手段として何を選択すればいいのでしょうか?これについて私は以前「温室効果ガスを25%削減するために」と題するエントリーで触れていましたので一部を以下に再掲させていただきます。

再掲ここから

私が社会人になったころ、企業のコンピュータは「ホストコンピュータ」方式が一般的でした。これは事業所などの末端に置かれたコンピュータは単なる入力端末に過ぎず、情報処理は情報センターとかシステム部などに置いた大型汎用コンピュータが一手に引き受けるというシステムです。しかしその後の技術革新で今では一人一台のパーソナルコンピュータが企業活動に必要な情報処理の多くを可能にしています。私は発電もこれと同じ方向に進むのではないかと考えています。すなわち今は大規模な発電所で作った電力を企業や家庭に送っているいわば「ホストコンピュータ」方式ですが、将来的には個々の企業や家庭が小規模の発電設備を持つ「パーソナルコンピュータ」方式に変わるのではないでしょうか?小規模発電といえば現在でも太陽光発電や風力発電が普及を始めていますが、個人的には家庭用燃料電池が小規模発電の主流になると考えています。最近では家庭用燃料電池も実用化が進んでおり、「エネファーム」や「エコウィル」という名前は聞いた方も多いのではないかと思います。これらは都市ガスやLPガスなどから燃料となる水素を取り出して空気中の酸素と反応させ発電するシステムになっており、既存のガス管が使えるため置き換えが比較的容易です。

<<ブログランキング参加中>> にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ 人気ブログランキング FC2ブログランキング
小規模発電のメリットは作った電力を融通し合えるところにもあります。例えば太陽光発電ではすでに電力会社が余剰電力を買い取ってくれるシステムが出来上がっていますが、すべての小規模発電でその仕組みを導入すれば大規模な発電所は必要なくなるのではないでしょうか?ただし現状の家庭用燃料電池では初期投資とは別に燃料の元となるガス代が必要ですので電力の買い取りにも多少の工夫は必要でしょう。例えば電力会社が真夏の電力不足時には高く買うというように需要に合わせて買い取り単価を変えるシステムとし、家庭側でもあらかじめ単価がいくら以上の時には売るという設定ができれば良いのではないかと思います。ちなみに燃料電池は将来的には自動車にも採用されるはずですので駐車場に置いてある燃料電池自動車も小規模発電所化できるという構想も生まれます。日本は送電ロスの少ない送電線の研究も進めていると聞きますので小規模発電で作ったクリーン電力を韓国、台湾、中国などの近隣諸国に売れば排出量売却さえも可能になります。

(中略)小規模発電で電力を融通し合うシステムが効率的に働き、将来の技術革新で発電コストが下がって家庭に安定的な売電収入をもたらすことができれば、消費拡大につながるばかりではなく年金や介護・医療に代表される将来の不安解消にもつながると考えられます。私たちの将来には「クリーン電力を売って豊かな生活」が待っているというような明るい夢を提示することも政治の大切な仕事であることは間違いありません(後略)。

再掲ここまで

今回の大震災で固定電話や携帯電話はまったくつながらなくなってしまいましたがインターネットは健在でした。これはインターネットがクモの巣のようなネットワーク構造になっているためどこか一部が分断されても他のルートを迂回して通信できるためです。私は日本の発電システムもこのインターネット型を目指すべきだと考えています。日本中の企業、家庭、自動車が小型の発電所になれば今回のような緊急時への対応力も格段に増すのではないでしょうか?今回の大震災は私たち日本人に大きな被害をもたらしました。しかしこれにより私たちの心には復興という明確な目標が芽生えました。復興は震災前より一歩も二歩も進んだ日本を作り上げる機会にもなります。今こそ私たちは新しい日本の再構築に向けた明確なビジョンを考えるべきなのではないでしょうか?被災者を元の生活に戻すのではなくそれより一歩も二歩も進んだ生活が始められるように。



関連記事

この記事へのコメント

kage

賛成です。ただし、電力会社は基本的に買い取りを渋っていることもご存じでしょう。製造から配送、小売りまですべて独占しているからです。これを配送分配だけの卸売り業者に変える必要があると思います。東電の気持ちも分かります。野菜農家にとってみれば、個人の家で家庭菜園なんてやってくれたら困るわけです。それと官僚です。間引き運転のJRの職員と話をしたのですが、JRとしても自家発電をしたいが規制が強くて出来ないのだとか。東電に天下り官僚がいて、官庁と東電との強い癒着があり、規制=邪魔をして発電できない構造もあるようです。

Posted at 19:47:37 2011/03/20 by

この記事へのコメント

kage

コメントありがとうございます。

ここにも日本を覆う閉塞感の大きな要因である「天下り」と「既得権益」が存在するわけですね。今回の原発事故に関しても監督官庁の経済産業省、その下部組織である原子力安全保安院、天下り先の東京電力、大口広告主の東電に配慮するマスコミという構図で適切な情報公開や報道が行われていないようですし。

個人的には電力会社から発電を取り上げる必要まではないと思っていますが発電と配電は別会社化する必要がありそうですね。建前上は電力自由化になっているわけですから発電の部分は個人も含めて自由競争を促進すべきと考えます。関東に住む私たちには東電以外の選択肢がないことのリスクが身に染みて分かりましたので。

Posted at 04:58:06 2011/03/21 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

おもしろい考え方ですね。
「コンピュータやネットの世界は電力と同じように変わる」と言われていたところを逆の流れで読んでみるというのは脅威深い視点でした。

仮に個々が小規模発電能力を持つという世界が進むならば、皆が売り手になってしまうので買い取りという制度もなくなるような気もします。大型ホストコンピュータを利用する時代は皆でデータ格納領域やメモリなどは融通し合っていましたが、個人PCのようになると各自で独立して持つことになると、自分のPCのHD領域を他人に売るということはありませんし容量が足りなければ外付けHD(追加発電装置)を買ってくる。そんなイメージになりそうです。

Posted at 23:22:47 2011/03/21 by 吊られた男

この記事へのコメント

kage

吊られた男さん

コメントありがとうございます。

燃料電池が本格的に普及期に入れば生産コストが下がり、研究開発も進んで発電効率は上がり、ご指摘のとおり皆が売り手となる可能性が高まりますね。それでも光熱費が減ることは家計にとっては大きなプラスとなりますね。そして何よりも今回のような非常時に一人ひとりが節電ではなく発電で貢献できる点が大きな意味を持つと思います。

Posted at 08:00:12 2011/03/22 by おやじダンサー

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック