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再掲・優れたインデックスファンドの条件とは?

kage

2011/02/21 (Mon)

本エントリーもまた相互リンクさせていただいているrennyさんのトラッキング・エラーを調べてみました(2011年1月末)#5にインスピレーションを受けて書いています。皆さんはrennyさんのエントリーにある比較表を見てどのインデックスファンドが優れていると判断されたでしょうか?このインデックスファンドの優劣を判断する基準について以前書いたことがあったなと思い出して調べてみたら2年近く前のこちらのエントリーで触れていました。

再掲ここから

投資信託に関する誤解でふと思い出したのが以前あるセミナーで聞いたインデックスファンドに対する誤解です。長く投資信託運用会社に勤務していたという講師の方がおっしゃるにはインデックスファンドの担当者に会うといつも「私たちの苦労をなかなか理解してもらえない」と嘆いていたというのです。具体的にはその担当者はよく「インデックスファンドの運用はベンチマーク指数を構成する銘柄を全部買って持っていればいいだけなんだから楽でいいよな」と言われたそうですが、これがとんでもない誤解だというのです。なぜなら忠実にベンチマーク指数算出方法通りの運用を行ったとしても必ず信託報酬分だけはベンチマーク指数を下回ることになりますので、インデックスファンドではその分を補う努力をしなければなりません。しかもアクティブファンドと違ってベンチマーク指数と正確に連動させることを目指さなければならないのです(いくら顧客の利益になるからといってベンチマーク指数を上回ってもダメ)。実際の運用では先物取引やオプション取引を使って運用成績を正確にベンチマーク指数と連動させる努力をしているそうですがその苦労をなかなか理解してもらえないのがインデックスファンド担当者の悩みというわけです。

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インデックスファンドのメリットとして第一に挙げられるのがコストの安さです。このため「コストが安いインデックスファンドが優れている」と考えがちですが実はこれも誤解です。例えばもし仮にTOPIXとの連動を目指す以下の2つのファンドがあったとしたら、どちらが優れたインデックスファンドと判断できるでしょうか?

A:信託報酬0.5%でTOPIXとの差が上下1%

B:信託報酬1.0%でTOPIXとの差が上下0.5%

インデックスファンドが目指す主要目的はベンチマーク指数との正確な連動ですから答えはBのファンドとなります。つまりコストが安いインデックスファンドが優れているのではなく、ベンチマーク指数と正確に連動するインデックスファンドが優れているわけです。

それでは同じようにTOPIXとの連動を目指す以下の2つのファンドを保有していたとしたら、どちらが得だったと判断できるでしょうか?

A:信託報酬0.5%でTOPIXと正確に連動

B:信託報酬1.0%でTOPIXと正確に連動

これは「どちらも同じ」という答えになります。ご承知のとおり基準価額は信託報酬などのコストを差し引いたあとの結果ですので極端な例を挙げれば信託報酬が10%でも基準価額がTOPIXと正確に連動してさえいれば上記A、Bと比べても損得はありません。

それではインデックスファンドはコストに関係なくペンチマーク指数と正確に連動するものを選ぶのが正解かというともちろんそんなことはありません。過去の成績からインデックスファンドの優劣を判断するにはコストに関係なく純粋にペンチマーク指数との連動性の正確さを見れば良いのですが、これからどのファンドを買えば良いかを判断する時にはやはりコストの比較が重要になります。それは0.5%を補うのと1.0%を補うのでは単純計算で後者の方が2倍のリスクを負う必要があるからです。つまり確率論で考えればコストが高いインデックスファンドの方がベンチマーク指数との連動性が低下しやすいといえるわけで、なるべくコストが安いファンドを選ぶ合理性はここにあるわけです。

では実際には存在しませんがもしこんなインデックスファンドがあったらどうでしょう?

C:信託報酬10%で運用会社がTOPIXとの連動を保証

つまり信託報酬分を運用で補えなかった場合は運用会社がその分を補填して基準価額は正確にTOPIXと連動させるという条件です。もし本当にこのようなファンドがあったとしたら信託報酬はまったく気にせずにこれを選ぶべきです。ただこれはちょっと極端ですから以下のような例ではどうでしょう?

D:信託報酬0.1%でTOPIXと連動させる努力は行わない

E:信託報酬0.3%でTOPIXとの連動はだいたいでOKとする

つまりDは信託報酬分だけは必ずベンチマーク指数を下回ることになり、Eはベンチマーク指数を外れる可能性が高くなるわけです。こうなると私は選択にちょっと迷いが出てきます。このように考えるとインデックスファンドも結構奥が深いですね。

再掲ここまで

つまりインデックスファンドの優劣を判断する基準はあくまでもベンチマーク指数といかに正確に連動できているかであり、コストが安いとかパフォーマンスが高いことは優劣の判断基準にならないということです。もっともコストが安いことはベンチマーク指数との連動をしやすくする効果がありますので評価基準に加えてもいいのかも知れません。しかしパフォーマンスが高いことは運用の目標としているベンチマーク指数と運用成績が乖離することにつながりますのでむしろ減点対象と捉えることもできます(再掲の冒頭に書いているようにインデックスファンドはいくら顧客の利益になるからといってベンチマーク指数を上回ってもダメなのです)。

以上の視点でrennyさんの比較表を見直してみると先進国株式でもっとも優れている(=ベンチマーク指数との乖離が小さい)のは上場MSCIコク(基準価額)という判断になります。もっともETFは基準価額で買えるわけではありませんので実際に買えた基準価額でもっともベンチマーク指数に近かったのは年金積立インデックスF海外株式(1カ月のみならMAXIS海外株式(月末終値))という結論になります。一見するとCMAM外国債券インデックスeが低コストでパフォーマンスも高いから優れているように見えますがインデックスファンドの運用目標はあくまでもベンチマーク指数との正確な連動なのですから評価基準を間違えないように注意しなければなりませんね。パフォーマンスが高ければ結果的に顧客の有利になったことは間違いないのですが「ベンチマーク指数との正確な連動ができない=運用が下手」と考えることもできますので将来的には下方に乖離することだって十分に考えられますので。

<追記>

ちょっと気になってCMAM外国債券インデックスeの月報を調べてみたらベンチマーク指数との乖離は小さいですね。もしかするとベンチマーク指数に違い(配当込みと配当除くというような)があるのかも知れません。

CMAM



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この記事へのコメント

kage

おやじダンサーさんが書かれているように、ベンチマークは配当抜きインデックスです。そして、各ファンドが連動を目指しているのは配当込インデックスです。

運用会社の運用チームの人とのミーティングで聞いたのですが、配当抜きインデックスをベンチマークと宣言しようともインデックスファンドが目指すのは配当込インデックスとのことです。投資家に有名なのは配当抜き指数なので表面上はそういう表現を使っているだけ、とのこと。
ですから本当の意味でベンチマーク(配当抜きインデックス)に連動する成績を収めることは目標としていないとのことです。

また、配当込インデックスとの完全な連動も目指していないようです(コスト分を取り返す努力はしないとのこと)。あくまで孫会社の方針なので、どこか別の会社ではコスト分を取り返すためのアクティブ運用をしているのかもしれませんが・・・

Posted at 21:09:21 2011/02/21 by 吊られた男

この記事へのコメント

kage

おやじダンサーさん

私の独断と偏見では乖離が極端でなくてベンチマークから上下に振れて付かず離れずならあまり神経質になる必要はないと考えています。

一括で大量に売買するときには問題が出るでしょうけど、実際には何回かに分割するでしょう? 分割すれば平均化されますから問題なしと思います。つかず離れずではなくてどんどん離れて行ったり、乖離が大きすぎるとしたら問題ですけどね。

Posted at 21:30:04 2011/02/21 by Tansney Gohn

この記事へのコメント

kage

吊られた男さん

コメントありがとうございます。

ベンチマーク指数と実際に連動を目指す指数が異なるのでは顧客にとっても分かりにくく成績の評価も難しくなりますね。素直に配当込みの指数にベンチマークを変更できないのでしょうか?

あくまでも配当抜きの指数をベンチマークにするのであればETFのように配当相当分を分配金として出せばいいのですが長期運用志向の顧客に取っては迷惑になってしまうので困りものですね。

Tansney Gohnさん

コメントありがとうございます。

私は運用の過程でたまたま成績が上方に乖離した場合に限ってそのまま放置して顧客の利益になる方向のベンチマーク指数との乖離は容認するようなインデックスファンドがあってもいいように思います。インデックスファンドなので積極的に上方乖離を狙うことはないけれどたまたま顧客に有利な上方乖離が生じた場合は黙認するという運用はできないものでしょうか?

Posted at 22:12:13 2011/02/21 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

>上方乖離が生じた場合は黙認するという運用はできないものでしょうか?

そういうのがあれば私も買いたいです(^^

我々としては暴落時にインデックスをいつもより沢山買うだけで平均をチョッピリ上回ることは可能だと思います。

生活防衛費と投資用キャッシュは共用しておけば資金効率がいいでしょう。両方同時に必要になる確率は低いと思います。

Posted at 08:48:37 2011/02/22 by Tansney Gohn

この記事へのコメント

kage

浜田健次郎と申します。
サイト拝見させていただいております。読者を満足させる工夫があり見習いたいと思っています。
私もサイトを運営しておりまして、よろしければ、貴サイト様と相互リンクしていただけないかと
思いコメントさせていただきました。
また、サブサイトなどありましたら、リンクさせていただきますので、おっしゃってください。
ぜひともご検討お願い致します。



サイト名・・・FX口座開設比較ランキング!
サイトURl・・・http://fx-kouza.tongari-pocket.net/
リンク掲載URL・・・http://fx-kouza.tongari-pocket.net/links_2.php
説明・・・FXの為替予想から、おもしろギャンブラー占い、FX実力診断まで



よろしくお願い致します。

Posted at 14:20:23 2011/02/22 by

この記事へのコメント

kage

はじめまして。
信託報酬について、なんとなく疑問に思っていたことがスッキリしました。

今まで勝手にリンクさせてもらっていたのですが、これからも勉強させてもらいます。
よろしくお願いします。

Posted at 08:08:00 2012/02/23 by コツコツ麻酔科医

この記事へのコメント

kage

コツコツ麻酔科医さん

コメントありがとうございます。

ハイリスク投機家の戯れ言を書き連ねたしがないブログですが、今後ともご愛顧いただければ幸いです。

Posted at 21:26:43 2012/02/23 by おやじダンサー

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kage


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