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再掲・独立系投信は直販にこだわるべきか?

kage

2011/01/24 (Mon)

相互リンクさせていただいているrennyさんの[コモンズ投信] コモンズ30ファンドがソニー銀行でもを拝見しながら確か私も独立系投信は直販にこだわるべきかどうかについて書いたことがあったなと思い出して探してみたらありました。昨年3月20日付けのこちらのエントリーで触れていました。基本的に私の考えはその時と変わっていませんのでご参考までに当時の記事を再掲させていいただきます。超手抜きのやっつけ仕事で誠に申し訳ありません。

再掲ここから

それではまず始めに独立系投信が必ずしも直販にこだわっていないという実例からご紹介しておきたいと思います。それは独立系投信のパイオニアであるさわかみ投信の実例なのですが、ずいぶん以前からの話なのでご存じの方も多いと思いますがさわかみ投信が設定運用するさわかみファンドは広島の地場の証券会社ひろぎんウツミ屋証券でも売買が可能です。

ひろぎんウツミ屋証券のさわかみファンド紹介ページ

このさわかみファンドについては以前マネックス証券の松本社長や内藤忍さんが澤上社長にぜひ扱わせて欲しいと何度も直訴したところ「他の株式投信の取り扱いを全部やめてさわかみファンド一本に絞るのならいいですよ」と体よく断れたというエピソードをマネックスメールで読んだこともあります。このように独立系投信と証券会社のどちら側にもお互いの交流を阻害するような明確な壁は存在しないというのが現実なのだろうと私は考えます。

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それでは次に独立系投信としては世界のパイオニアともいえる米国バンガード社の例で考えてみましょう。ご承知のとおりバンガード社は日本の市場においてはいまだに直販を行っていません。順序としては始めにマネックス証券、トヨタFS証券、セゾン投信などの限られた販路限定で参入を果たし、その後ネット証券を通じてバンガード社の海外ETFが売買可能となり今日に至っています。バンガード社が日本で直販を行わない理由について以前日本法人の加藤代表は純粋にコスト対効果の問題であるとの主旨の回答をしておられました。つまりこれはバンガード社の知名度が低い状況で無理に直販を行っても投下したコストに見合う実績は得られないだろうという判断です。バンガード社の株式はすべてバンガード社のファンドに組み入れられており、「ファンド保有者=株主」という図式になっているためバンガード社の経営判断基準は常に「それは顧客の利益になるのか?」という単純明快な一点に集約されます。すなわち顧客のためにならないと判断するのならあのバンガード社ですら直販にはこだわらないというのが現実なのです。

以上のような実例から考えると私は理念を共有できてコスト面で顧客に迷惑をかける心配がない販売会社があるのなら日本の独立系投信も直販にこだわる必要はないと考えます。実はこのコスト面というのが重要で、バンガード社が始めに取り扱い販売会社を限定したのはバンガード側から見て理念を共有できるかという観点と販売会社側から見てバンガード社の低コストが受け入れられるかという観点があったわけで、いくら日本の独立系投信が直販にこだわらないという方針を打ち出しても実際に販売を仲介してくれる証券会社は極めて限定されるのが現実だと私は想像します。

さて、ここで少し話題を変えて独立系投信・ありがとう投信の新しいサービス「分けて買いプラン」のご紹介をしたいと思います。

創立6周年記念 新サービス「分けて買いプラン」スタート(クリックするとPDFファイルが開きます)

これは例えば今手元に10万円の投資資金があった場合に毎月2万円ずつ5回に分けて買い付けを行えるというサービスです。これはかゆいところに手が届くなかなか良い発想のサービスであると思います。しかし実際の仕組みを見ると毎月積み立ての回数限定版に過ぎず、できれば証券会社のようにとりあえず10万円を預けておけば定期購入までの間はMRFで自動運用という形が顧客にとっては便利なはずです。これなら定期購入にこだわらずスポット買いにも臨機応変に対応できますし。このように投資資金を事前に預かることができないという点は独立系投信が販売会社を中抜きしたことで起こる弊害のひとつといえます。

そこでふと私が思い付いたのが私自身が定期積立を継続しているひふみ投信を設定運用するレオス・キャピタルワークスの存在です。以前「本音と建前」でご紹介したとおりレオス社は昨年ISホールディングスの傘下に入っており、少なくとも資本面では独立系ではなくなっています(それを言うならセゾン投信も同じですが)。しかし少し視点を変えてみれば同じグループ内に証券会社があるわけですからそれを独立系投信側に引き入れるような発想があっても良いのではないでしょうか?以下は私の完全な妄想ですが例えばグループ内のアイディーオー証券では投資信託を扱っていませんので独立系投信だけを扱ってもらうという案はどうでしょう?証券会社としては独自性をアピールできますし顧客にとってもひとつの口座開設だけで済む利便性があります。また独立系投信側にしても従来型投信では販売店が担っていた諸業務を委託でき運用や顧客対応に集中できるというメリットがあります。先般の独立系投信3社が合併してクローバー・アセットマネジメントを設立した経緯をみても独立系投信側の立場で諸業務を引き受けてくれる証券会社があればありがたいはずです。これからも以前こちらのエントリーでご紹介した「少額の上場株式等投資のための非課税措置の法制化(日本版ISA)」などの法令改正でその都度システム対応が必要になりますし、現在アナウンスされている内容ではせっかく費用をかけて対応しても小規模な独立系投信では非課税口座に選んでもらえないという事態も考えられますので形だけでもひとつの証券会社に口座を集中させることは独立系投信側にとっても大きなメリットがあるはずです。そう考えると独立系投信と証券会社の連携はもっと前向きかつ真剣に検討すべき課題なのかも知れませんね。

以上、独立系投信が直販にこだわるべきかどうかについていろいろと検討して来ましたが私の出した結論はバンガード社の考え方と同様「それは顧客の利益になるのか?」という判断基準を貫いてもらえるなら販売形態にはこだわる必要はないというものです。個人的にはマネックス証券が過去にセゾン証券を吸収合併した経緯、中野社長と内藤忍さんの個人的な交流関係、バンガード社との関係などからマネックス証券でセゾン投信が扱われても全然違和感はありません。むしろ顧客のためになるのなら積極的に新しい道を切り開いていただきたいと思います。

再掲ここまで

ご承知のとおり大手金融機関は運用会社や信託銀行を含めて頑強な縦割り構造が維持されており、そのような環境の中で以前レポートしたセミナーで経済評論家の山崎元氏が「不都合な真実」と評したような顧客の利益より金融機関の利益を優先するような悪弊が長期に渡って受け継がれて来たと想像されます。独立系投信はそんなしがらみとは完全に無縁とは言えないまでも遠いところに位置していますので先にご紹介したセミナーで(半分はリップサービスだとは思いますが)山崎氏が「セゾン投信には期待している。ぜひ楽天証券でも取り扱わせていただきたい。」と発言された理由もしがらみのない独立系投信に金融業界の悪弊を打ち破ってもらいたいという希望が含まれていたのではないかと勝手に推測しています。大手金融機関のしがらみから遠いという意味ではネット銀行やネット証券も同様ですからネット系金融機関と独立系投信の組み合わせは結構相性が良いのではないかと個人的には感じています。また上記文中で触れた日本版ISAについてはご承知のとおり証券優遇税制の延長に伴い実施が先送りされましたが単年ごとにひとつの金融機関にしか非課税口座を開設できない仕組みでは独立系投信は圧倒的に不利ですからネット系金融機関との提携というのはひとつの現実的な対策であろうと思います。いずれにせよそれが顧客の利益になるのであれば今後とも積極的に協力を進めて行っていただきたいと思う次第です。



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