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海外株式投信評価額(2010.10.15現在)

kage

2010/10/16 (Sat)

今週いつものようにネットで投資情報の収集を行っていたところフィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さんが書かれた「日本版ISAの研究」という記事が目に止まりました。まだまだ先のことだと思っていた日本版ISA(JISA)ですが口座開設の申し込みは来年(2011年)10月1日から始まるとのことでもう1年を切っているのですね。それなのに「2010年2月にフィデリティ退職・投資教育研究所が行ったサラリーマン1万人アンケートでは回答者1万976人のうち「日本版ISAを知っている」と答えたのは、わずか4.6%」とのことで日本版ISA(JISA)の認知度は超低空飛行を続けている状況とのこと。この新しい制度を有効に使いこなせるかどうかで私たち個人投資家の運用成績に大きな差が生じるのは確実と思われますので今週の定時報告では改めて日本版ISA(JISA)について触れてみたいと思います。

そもそも日本版ISA(JISA)とは何ぞや?という方には下記の日興アセットマネジメントの解説が良くまとまっていますので一読をお勧めします。

日本版ISAとは?(日興アセットマネジメント・ファンドアカデミー公開講座)

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実は当ブログでは昨年末にすでに日本版ISAについて触れた記事を書いています。そこで今回はその記事を再掲載しつつ現在の考えを付加して改めて日本版ISAをどう使いこなすかについて検討してみたいと思います。

私たち個人投資家が長期投資においてコストと同様にシビアにならなければならないのが税制です。今月(注・2009年12月のことです)上旬に「少額の上場株式投資、条件付きで2012年から非課税へ」でご紹介した新制度の概要が金融庁の資料(クリックするとPDFファイルが開きます)で明らかになりましたので転記させていただきます。

◆少額の上場株式等投資のための非課税措置の法制化(日本版ISA)

【制度の概要】
1.非課税対象:上場株式等の配当、譲渡益
2.非課税投資額:毎年、新規投資額で100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)
3.非課税投資総額:300万円(100万円×3年間)
4.保有期間:最長10年間
5.途中売却:自由(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
6.口座開設数:年間1人1口座(毎年異なる金融機関に口座開設可)
7.開設者:居住者等
8.年齢制限:20歳以上
9.導入時期:平成24年1月1日(20%本則税率化にあわせて導入)

※年間一人一口座毎年100万円まで
※最大3口座300万円まで累積投資可能


ご承知のとおり現在上場株式等の譲渡益や配当に対する課税は10%に低減されています。この証券優遇税制は本来なら今年(注・昨年2009年のことです)から撤廃されて本則の20%に戻る予定だったのですが未曾有の金融危機に対応するため緊急措置としてさらに3年間延長された経緯があります。すなわち今年(注・昨年2009年のことです)がその延長1年目であり、来年(平成22年)(注・今年2010年のことです)と再来年(平成23年)(注・来年2011年のことです)は現行の優遇税制が継続されます。そして上記の「少額の上場株式等投資のための非課税措置」は税制が本則の20%に戻る平成24年から3年間限定で実施されるわけで、税金が10%から20%に一気に倍増することに対応した一種の激変緩和措置と捉えることができます。

いずれにせよ私たち個人投資家にとってはこの300万円の非課税枠を上手に使い切らなければ損であることは確かです。しかし毎月の積み立てのみで投資を行っている方にとっては単純計算で100万円÷12カ月=83,333円となり、1年限定の非課税枠100万円を使い切るのも決して簡単ではありません。であればすでに保有している資産を非課税口座に移管すれば良いようにも思えますが、上記資料にあるとおり「新規投資」という条件が付いているためその手は使えません。そこで現実的な対応としては保有している資産をいったん売却して非課税口座で買い直すという手段が必要となります。Buy&Hold戦略を貫いている長期投資家の皆さんにとっては資産を売却することに抵抗があるかも知れませんが、これは既存の口座から非課税口座へのリレー投資であると思えば納得しやすいかも知れません。同様にこの非課税口座の有効期限である10年後に売却する際も非課税口座から既存の口座に戻すリレー投資であると考えれば良いわけです。(注・確かに考え方は従来のリレー投資と同じなのですがリレー先が基本的に10年間は保有を続ける日本版ISA口座ということで特別な配慮も必要になります。具体的には含み益のある資産を売却して(=利益を確定して)日本版ISA口座にリレーする際には従来のリレー投資と同様に税金の繰り延べ効果がなくなることと税金を支払った分だけ複利の効果が薄れることに留意すれば良いのですが含み損のある資産を売却して(=損失を確定して)日本版ISA口座にリレーする際には10年間保有を続ける(=売却しない)ことが運用成績にマイナス効果を与える恐れが生じます。つまり確定した損失は確定申告することで翌年以降3年間まで損失繰越ができますが日本版ISA口座は10年間資産売却を行わない想定なのでいくら含み益が出ても繰り越した損失と相殺することができません。これが通常の口座であればリバランスで含み益の出た資産を売却した利益や配当・分配金(ただし特別分配金は除く)と繰り越し損失を相殺することができますので。日本版ISA口座が非課税で有利だからといって将来相殺できる見込みのない損失を確定して乗り換えると運用成績にとって逆効果になることもありますのでご注意ください。)

この説明文を読む限り、どうやら1年ごとの非課税枠100万円は同一金融機関内の取引でも別口座として扱われるみたいですね。そのため「最大3口座300万円まで」という表現になったのだと思われます。さらに上記説明では同じ年に複数の金融機関に非課税口座を開設することは不可能なようですので、どの金融機関に非課税口座を開設するのかが悩みの種となりそうです。またいったん売却してしまったらその分の非課税枠が消えるため譲渡益については一度限りであると理解しやすいのですが、配当については10年間フルに保有していたらその間の配当はすべて非課税になるのかどうかが気になります。(注・これはおそらく保有を続ける限り配当や分配金もずっと非課税になると思われます。ですから高配当銘柄や高配当投信・ETFなどで固めて「キャピタルゲインとインカムゲインで二度おいしい」戦略も可能です。もっともそれが成功するかどうかは保証の限りではありませんが。)さらに確定申告不要かどうかについても気になります。非課税なのだから確定申告の必要もないと考えるのが自然ですが、先般の子供手当の所得制限議論の中で亀井金融相(注・当時)が所得制限をするために必要な個人の所得把握のために確定申告することを条件にして子供手当を支給してはどうかという案を出されていましたのでちょっと気になった次第です。もし源泉徴収ありの特定口座と同様に確定申告不要を選択できるのであれば、特定口座に入らないネット証券の海外ETFも非課税口座で買い直せば良いという結論になりますね。(注・もし日本版ISA口座が「非課税+確定申告不要+海外ETFもOK」であれば個人投資家にとっては非常に魅力的です。海外ETFはネット証券で特定口座に入らないことが大きなデメリットとなっていますがその不満が一気に解消されますので。)

最後にあえてひとつ注意点を付け加えるとすれば、非課税だからといってメリットばかりではないという点です。具体的には不幸にして最長保有期限の10年間を迎えても運用成績がマイナスのままだった場合(=評価損を抱えている場合)は、従来の口座のように売却で発生した損失を確定申告によって翌年以降に繰り越すことはできないものと思われます。すなわち利益に課税されないというメリットは損失を救済しないというデメリットと表裏一体なのです。これは外貨建てMMFの為替益非課税や確定拠出年金の譲渡益非課税も同様ですので、非課税というメリットばかりに目を奪われてデメリットを見落とすことのないように注意をしたいものですね。(注・「利益が非課税」は「損失に救済なし」と表裏一体。ある意味諸刃の剣であることは私たちも十分に認識しておく必要がありますね。また上で例に挙げた外貨建てMMFは為替差益は非課税ですが利子所得に対しては20%の税金がかかります。これが一般的な投資信託やETFであれば為替差益と利子所得を合算したものに対して10%の課税となりますのでどちらが得かは条件によって異なります。確定拠出年金についても運用益については非課税ですが受け取る際には一時金なら退職金として、年金なら雑所得として課税の対象となります。セールストークはおいしい部分だけしか伝えないのが世の常ですから私たちも自己防衛のためにデメリットを含めた全体像を正確に捉える努力を怠らないようにしなければなりませんね。)

あとセゾン投信のような独立系投信の立場で考えれば、たかだか3年間の時限措置のために新たなシステム対応をしなければならず、その開発・維持・管理のコストが悩みの種になると思われます。上記の説明を読む限りは1年間にひとつの金融機関にしか非課税口座は開設できず、常識的に考えれば大手金融機関が圧倒的に有利と思われる中で長期投資を推奨している立場としては非課税口座に対応しないわけにもいかず、ほとんどの独立系投信はこのジレンマに悩むことになりそうです。私たち顧客にとってはそのコストが独立系投信の経営を揺るがすことになっては困りますし、信託報酬の値上げにつながっても困りますので、非課税口座の導入を喜んでばかりはいられないという現実を理解しておく必要がありそうですね。(注・投資信託を売るサイドにとっては個人投資家が10年間売らない覚悟で資産を預けてくれる日本版ISA口座は長期で安定した手数料収入が得られるという意味で魅力的なはずです。長期投資を推奨する独立系投信にはぜひ「10年間売らずに保有を続けるのに適した金融商品は当社のものが最適である」との自信を持って日本版ISA口座の獲得に積極的に取り組んでいただきたいものです。それが経営基盤の強化にもつながるはずですから。)

最近はどのテレビニュースを見ても円高円高とうるさいですが私の外貨建て資産の評価額はジリジリと確実に上昇を続けています。つまりこれは世界的な金融緩和による通貨価値の下落が相対的に資産価値の上昇につながっている構図が鮮明になりつつあるものと個人的には考えています。そこでもしドル円が1ドル=80円を割り込んで史上最高値にチャレンジするような事態になればしばらく封印していた猫パンチ投資を解禁して積極的に繰り出してみたいと思っています。

マネックス証券
MX101015

SBI証券
ET101015

今週のETFを活用した短期売買は先週に引き続き上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)をチョコチョコと売買したのに加えて先週予告したとおりに東証REIT指数連動型上場投(1343)を新たに対象に加えてこちらもチョコチョコと売買しました。現時点で上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)はすべて利益確定してノーポジションですが東証REIT指数連動型上場投(1343)は一部来週に持ち越しています。日銀のREIT買い入れに加えて今週は東京のマンションやオフィスの需要が持ち直しているという材料も出ましたのでREIT-ETFについてはしばらく強気で攻めてみたいと思っています。



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