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コモンズ投信でこどもトラストを利用する際の注意点

kage

2010/06/13 (Sun)

本エントリーの内容は2007年10月に書いた「セゾン投信で未成年口座を利用する際の注意点」と基本的に同一です。つまり結論から先に申し上げると「親が子の名義の口座で定期定額の投資を複数年継続した場合、全部まとめてひとつの贈与と見なされて贈与税の課税対象となる可能性がある」という点にぜひご注意くださいという主旨です。なお誤解のないように申し添えておきますが私は今回コモンズ投信が創設した「こどもトラスト」は志高い独立系投信の面目躍如ともいうべき素晴らしい取り組みであると思っています。また先般支給が始まった子ども手当を子どもの将来を考えて投資に振り向けることについても諸手を挙げて賛同するものです。しかし日本の税制をよく理解しておかないと思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があることを注意喚起するために再度同じ主旨のエントリーを立てようと考えた次第です。

ご存じのとおり子ども手当は親に支給されます。ですからたとえ子ども手当を原資にしていても親が子の名義のこどもトラストにお金を出すことは親から子への贈与として課税対象になると考えられます。その根拠としては国税庁のサイトの贈与税がかからない場合にある以下の記述が挙げられます。

(2)夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などに充てるための費用をいいます。

なお、非課税となる生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されることになります


すなわち子ども手当を食費や学用品購入費に充てるのであれば非課税ですが投資に回した場合は贈与税の課税対象になるという点をまず理解しておいていただきたいと思います。

ただし贈与税には年間110万円の基礎控除が認められていますので単純計算で毎月9万円の積み立て(年間108万円)までなら非課税になると考えられます。現時点で子ども手当の給付額は月13,000円ですので毎月全額投資に振り向けても年間156,000円に過ぎず基礎控除額の枠内で非課税と考えるのが自然です。

しかしここで注意しなければならないのが本エントリーの冒頭にも書いた「親が子の名義の口座で定期定額の投資を複数年継続した場合、全部まとめてひとつの贈与と見なされて贈与税の課税対象となる可能性がある」という点です。その根拠は国税庁のサイトの贈与税がかかる場合にある以下の記述です。

毎年、基礎控除額以下の贈与をした場合

Q1 子に毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与するという契約をしました。1年間では基礎控除額である110万円以下となりますが、この場合でも、贈与税の申告と納税は不要ですか。

A1 1年ごとに贈与を受けると考えるのではなく、契約をした年分に、有期定期金に関する権利(10年間にわたり毎年100万円ずつの給付を受ける権利)の贈与を受けたものとして贈与税の申告が必要となります。


このような事態を回避するためには、毎月の積立日を変える、毎年の積立総額を変える、子と毎年異なる金額で贈与契約書交わす、あえて年間110万円を超える贈与を行い超過分の贈与税を払う、などの対策が考えられますが最終的には国税庁や税務署の判断となりますのでどれもパーフェクトとはいえません。つまり上記のような対策をしていても当局に意図的に贈与税を逃れようとしたと判断されれば課税対象となるのが現実です。

先日たまたま国税庁や税務署の判断ひとつで課税対象が変わることを示す事例が報道されましたのでご参考までにご紹介しておきます。

申告漏れ:日光の3宗教法人が計5億円 国税局が指摘

世界遺産「日光」の輪王寺など栃木県日光市内の3宗教法人が関東信越国税局の税務調査を受け、09年3月期までの5年間で計約5億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。過少申告加算税などを含めた追徴税額は計1億円余とみられる。

関係者によると、調査を受けたのは輪王寺と東照宮、二荒山神社の計3宗教法人。うち輪王寺は、数珠や線香などの販売について、宗教活動の一部として非課税扱いの「公益事業」と申告していたが、国税局は課税対象の「収益事業」に当たると指摘したという。

輪王寺は「国税当局と見解の相違があった」としている。東照宮は「経理上の誤りなどがあった」、二荒山神社は「答えられない」としている。(毎日新聞より)


お寺で数珠や線香を売ることが宗教活動の一環である公益事業なのか営利目的の収益事業なのかの判断は非常に微妙で考え方次第でどちらにも取れるというのが現実でしょう。この記事から分かることは当局がルールブックであり最終的な判断は当局が決めるという現実です。そして課税判断については当局の後出しジャンケンが認められている(=これまでの判断を後で覆すことができる)という現実もあります。こどもトラストに限らずお子さん名義の口座で投資を行われる際はこのような課税リスクが存在することをぜひ頭の片隅に止めておいていただきたいと思います。

【追記】
約7年7ヵ月ぶりに冒頭でご紹介した元ネタの内容を焼き直して新たなエントリーを立てました。よろしければこちらもご参照ください。

再掲・セゾン投信で未成年口座を利用する際の注意点



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