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海外株式投信評価額(2010.06.11現在)

kage

2010/06/12 (Sat)

個人投資家が長期で国際分散投資を行う際に有力な候補となるのが低コストの海外ETFです。当ブログを開設した2005年には海外ETFを買いたければ海外の証券会社に口座を作るしかなかった状況でしたがここ数年間で環境整備が一気に進み今では代表的なネット証券を通じて簡単に購入できるようになりました。この環境変化は個人投資家にとって誠に喜ばしいことです。しかしそんな海外ETFにもデメリットがいくつか存在します。私自身がまだ海外ETFの購入に踏み切れていない最大の理由はネット証券では海外ETFが特定口座に入らない(一般口座扱い)であることです。

実際に投資を実践している方ならよくご存じのとおり特定口座では1年間の損益計算を金融機関が行ってくれて税金の源泉徴収ありを選択しておけば面倒な確定申告も不要にすることが可能です。これに対して一般口座では個人投資家自身が1年間の売買記録をまとめた明細を作成して確定申告することが必須となります。このような余計な手間がかかることはその労力を惜しまない覚悟さえあればまったく問題ないのですが切実なのは確定申告を行うことで利益を計上した場合は総所得額が増え所得額を元に計算されるさまざまな公共サービスで不利な扱いを受ける恐れが出てくることです。具体的にはリタイア世代や自営業者の場合は国民健康保険料の増加に直結しますし国保とは関係ないサラリーマンでも例えば公立の幼稚園や保育所の入所条件に所得制限があるケースなどで支障が出ることが想定されます。

そこで今回はリタイア後を想定して海外ETFが特定口座に入らないことで国民健康保険料(国民健康保険税)にどれくらいの影響が出るのかをザックリと試算してみたいと思います。なお国民健康保険料(国民健康保険税)の計算方法は自治体によって異なりますし個人の保有資産、所得状況、各種控除の有無などによって算出結果が違ってきますのであくまでも参考としてお考えください。

今回のシミュレーションではネット検索でたまたま目に止まった東京都北区と東京都武蔵野市の計算式を使わせていただきました。なおそれぞれの詳しい計算式につきましては下記のページをご参照ください。

東京都北区 平成22年度国民健康保険料の計算方法

東京都武蔵野市 国民健康保険税の計算方法

国民健康保険料(国民健康保険税)は基礎賦課額(医療分)+後期高齢者支援金等賦課額(支援金分)+介護納付金賦課額(介護分) で構成されますが今回のシミュレーションでは分かりやすくするためにすべて合算してひとつと見なします。また所得を元に計算する所得割と世帯人数で計算する均等割額に分けられますが所得に直結する所得割だけを取り上げて考えることにします。

上記詳細ページをご覧いただければお分かりのとおり同じ東京都でも北区と武蔵野市ではまず名称が前者は国民健康保険料で後者は国民健康保険税と異なります。この違いについては以前こちらのエントリーでも触れたことがありますが「税」であれば掛け金を滞納した場合に資産の差し押さえなどで強制徴収が可能になります。また同じ所得割でも北区は住民税年額を元に計算され武蔵野市は算定基礎額(前年の総所得金額等-33万円)を元に計算されるという違いがあります。なお自治体によってはこの他に固定資産税を元に保険料(保険税)を算出する資産割があるケースもあります。

計算式の所得割の部分をザックリとまとめると北区の場合は住民税年額の1.22倍が保険料に加算されることになります(ただし均等割を合算した年間最高限度額は73万円)。そして武蔵野市では算定基礎額の7.8%が保険税に加算されることになります(ただし均等割を合算した年間最高限度額は68万円)。それではこの条件を元に2つの事例を想定して確定申告の有無で健康保険料(健康保険税)にどれくらいの違いが出るのかをシミュレーションしてみましょう。なお特定口座で申告不要を選択した場合はこれらの計算にまったく影響を及ぼしませんので以下のシミュレーションで算出された金額がそのまま一般口座で取引を行ったがゆえの負担増と考えることができます。

想定事例1・60歳でリタイアして運用資産から毎月20万円を取り崩す。

(a)毎月の取り崩し額20万円中の運用益が5万円の場合。
北区:5万円×12カ月=年間の譲渡益60万円。株式等の譲渡所得課税が本則の20%に戻っていると仮定して住民税はその内の5%で3万円。3万円×1.22倍=36,600円
武蔵野市:5万円×12カ月=年間の譲渡益60万円。算定基礎額=60万円-33万円=27万円。27万円×7.8%=21,060円

(b)毎月の取り崩し額20万円中の運用益が10万円の場合。
北区:10万円×12カ月=年間の譲渡益120万円。株式等の譲渡所得課税が本則の20%に戻っていると仮定して住民税はその内の5%で6万円。6万円×1.22倍=73,200円
武蔵野市:10万円×12カ月=年間の譲渡益120万円。算定基礎額=120万円-33万円=87万円。87万円×7.8%=67,860円

1カ月の負担額を考えれば数千円程度ですが「塵も積もれば山となる」でこうして年間に必要な額を算出してみるとバカにならないことがお分かりいただける思います。ところで海外ETFのデメリットとしては1回の売買にかかる手数料が割高なためコツコツ買い付けに適さないことも挙げられます。このためコツコツ買い付けは投資信託で行い、ある程度の金額が貯まったら海外ETFにリレーする「リレー投資」というテクニックも生まれました。コツコツ買い付けに適さないということは当然のことながらコツコツ取り崩しにも適さないわけですからリタイア後に資産の取り崩し期に入った段階で海外ETFから投資信託に「逆リレー」する必要が出てくると考えられます。そこで次はこんな事例を想定してみました。

想定事例2・60歳でリタイアして運用資産3,000万円を逆リレーのため一気に利益確定。

(a)譲渡益が500万円だった場合。
北区:株式等の譲渡所得課税が本則の20%に戻っていると仮定して住民税はその内の5%で500万円×5%=25万円。25万円×1.22倍=305,000円
武蔵野市:算定基礎額=500万円-33万円=467万円。467万円×7.8%=364,260円

(b)譲渡益が1,000万円だった場合。
北区:株式等の譲渡所得課税が本則の20%に戻っていると仮定して住民税はその内の5%で1,000万円×5%=50万円。50万円×1.22倍=610,000円
武蔵野市:算定基礎額=1,000万円-33万円=967万円。967万円×7.8%=754,260円。ただし上限が68万円であるため680,000円

ご覧のとおり(b)のケースでは武蔵野市が所得割だけで上限に達してしまいました。特定口座で申告不要を選んでおけばこのような事態は合法的に避けることができるのですから相対的に一般口座の不利さがお分かりいただけると思います。リタイア後はほとんどの方が国民健康保険にお世話になるはずですから海外ETFで運用を実践している方やこれから購入をお考えの方はこのようなリスクが存在することを頭の隅にぜひ止めておいていただきたいと思います。

【追記】上記シミュレーションを2013年の算出基準で再計算してみました。よろしければ下記エントリーをご参照ください。

セゾン投信定期積立経過報告

今週も引き続き世界経済は欧州の財政不安やメキシコ湾の原油流出事故を嫌気して不安定な状況が続きました。日本国内も政治の迷走や宮崎で拡大する口蹄疫問題など不安材料が山積で株式市場は弱気の雰囲気に包まれました。そんな中で月曜日には真剣に猫パンチ投資を繰り出そうと考えたのですが悩みに悩んだ末にもう一日待とうと決断した結果翌日から世界の株価は反発に向かいタイミングを逃してしまいました。もっともアメリカ株はテクニカル的に反発しているに過ぎないという相場解説もありますので今見えている悪材料が明確に解決に向かうまではまだまだ何度も猫パンチ投資を繰り出すチャンスはあるはずですから焦らず騒がず次のチャンスを待ちたいと思います。

マネックス証券
MX100611

SBI証券
ET100611

今週の新興国系ETFを活用した短期売買も引き続きインドだけを細々と回転させました。結果的にインド株は堅調な動きでしたので今週買った分はすべて利益確定することができました。今週発表された中国の経済指標が良かったため来週は上海株の動きも注視しながら引き続きインド中心で短期売買を続けるつもりです。



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