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海外株式投信評価額(2010.02.12現在)

kage

2010/02/13 (Sat)

先週の定時報告では確定申告がスタートする時期にタイムリーな話題として投資に関する税金の話題について触れました。皆さんご承知のとおり現在の証券税制は今般の未曾有の金融危機の影響を考慮して税率を10%に低減する優遇措置が3年間延長(今年が延長2年目で来年まで継続予定)されているのですが、昨日の国会討論の中で鳩山総理がその打ち切りについて言及したとの報道がありましたので今週も引き続き税金の話題で行かせていただきます。

証券優遇税制、首相打ち切り示唆 「適当かどうか議論」

鳩山由紀夫首相は12日の衆院予算委員会で、2011年末に期限が切れる証券優遇税制の打ち切りの必要性を示唆した。「あまりに格差が助長されるとの気持ちは分からないでもない。適当かどうか、政府税制調査会でもしっかりと議論すべきではないか」と語った。共産党の佐々木憲昭氏への答弁。

上場株式などの配当や譲渡益に対する税率を、本則の20%から10%に引き下げるのが証券優遇税制。市場を活性化するために08年末、3年間の延長を決めたが、一部から「金持ち優遇」との批判も出ている。(日本経済新聞より)


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わが国で「証券税制優遇=金持ち優遇」という認識が依然として深く浸透していることは寂しい限りですが、それはさておきそもそも現在の優遇措置が時限立法であること思えば打ち切られること自体には違和感はありません。ただ現行の10%が本則の20%に戻るだけならよいのですが、心配なのはかねてより民主党が証券税制の総合課税化を検討していると伝えられていることです。

ちなみに現在の株式や投資信託の利益に適用される税区分は「上場株式等の譲渡所得」で総合課税の給与所得などとは別枠で計算される申告分離課税です。つまり現行制度では給与所得が年間300万円であろうと3,000万円であろうと3億円であろうと株や投信の譲渡益に課せられる税率は所得税と住民税を合わせて一律10%(本則は20%)です。これがもし総合課税に統一されると給与所得と合算して課税額の計算をすることになりますので年収が3,000万円や3億円の人はほぼ間違いなく最高税率(所得税40%+住民税10%=50%)が適用されることになります。このように総合課税では最高で所得の半分をお上に召し上げられることになりますので給与所得の多い人や株や投信で大儲けした人にとっては大問題でとなります。ただこの上限だけを見て大変だと騒ぐのは賢明とはいえません。それは所得税の課税額の計算が超過累進方式を採用しているからです。この点を理解ししやすくするために国税庁のサイトからお借りした表で所得税の課税方法を確認してみましょう。

No.2260 所得税の税率

[平成21年4月1日現在法令等]

所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から40%の6段階に区分されています。
課税される総所得金額(千円未満の端数金額を切り捨てた後の金額です。)に対する所得税の金額は、次の速算表を使用すると簡単に求められます。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

(注) 例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、求める税額は次のようになります。 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円


ご覧のとおり所得税の計算は課税対象となる所得額に応じて6段階に分けられています。ちなみに表の「課税される所得金額」はさまざまな控除を差し引いた後の金額ですので年収とは異なります。この表を見れば証券税制が本則の20%に戻った場合と総合課税化された場合の比較で損得の分岐点となるのは税率20%が適用される課税所得金額695万円のラインになることが分かります。厳密には表右側の控除額があり表下の(注)にあるような計算で課税額を計算しますので課税所得金額695万円までなら総合課税になる方が実は有利なのです。ちなみにこの「控除額」がなぜ存在するかというと、例えば課税所得金額1,801万円の人は1,801万円×40%が税金となるわけではなく課税所得金額が段階的に色分けされているイメージで上記表のとおり195万円以下は5%、195万円を超え330万円以下は10%という具合に段階的にキチンと計算されているため低い税率が適用された結果を速算できるようにするためです。ネット上の反応を見るとこのセンセーショナルな最高税率ばかりが一人歩きして危機感が煽られているように感じますのであえて申し上げますが、リタイア後の生活を想定するのであれば経営破綻前の日本航空くらいに恵まれた年金環境にあるか、コツコツ積み上げた運用益を一気に確定したりしなければ税率20%ラインを超えることはそうそうないと思われますので一概に総合課税化が不利とはいえません。

まだ噂の段階であまり細かいことを考えても仕方ないのですが、もし株や投信の譲渡所得が総合課税化されるとしたら、現時点ですでに総合課税である絵画や骨董品の譲渡に適用される計算方式と統一されると考えるのが自然のように思えます。その算出方法については下記の国税庁のサイトをご参照下さい。

No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)

上記リンク先をご覧いただければお分かりのとおり一般的な物品の譲渡で得た所得の場合は特別控除の50万円があり年間50万円までの利益については非課税となります。もちろん50万円を超えてたとしても課税対象額から毎年50万円を差し引くことができます。また売却した物品の保有年数に応じて長期と短期の区分があり、5年を超えて保有した長期であれば譲渡益の1/2が課税対象金額となる優遇措置もあります。もし本当に株や投信の税制がこの計算方法に統一されるのであれば総合課税もまんざら悪いわけでもなさそうですね。

それでも総合課税は絶対に困るという方にはそれはそれで対策がないわけではありません。日本では国家財政の危機から個人の所得税は引き上げの圧力が高まっていますが、法人税は国際競争力維持の観点から引き下げの圧力が高まっています。であれば個人の資産管理のための法人を立ち上げるとう方法もあります。法人であれば夫婦で役員を務めたり、広い範囲で必要経費が認められたり、厚生年金と政府管掌の健康保険に加入できるというメリットもあります。しかし期待通りに法人税の引き下げがされなかった場合は最後の手段として非居住者となって日本国の課税から逃れるという方法もあります。具体的には金融関連は非課税の香港に住むとか、そもそも所得税の存在しないブルネイ(正式にはブルネイ・ダルサラーム国)に住むなどの選択肢がありますので自己の責任においてご検討下さい。

わが国の危機的な財政状況を考えると私たち国民は税制の問題を避けて通れません。さらにこれから少子高齢化が急速な進行をすることを考えれば公の無駄を徹底的に切り詰めた後の増税はやむを得ないと私も考えています。ですから証券税制の問題についても単純に自分の損得を考えるのではなく、この国の将来を考えてどうするべきなのかを官民問わず広く議論するべきなのでしょうね。

今週は国家財政危機が表面化しているギリシャ問題をきっかけに欧州全体の不安が再燃したり、救済案提示の話題で不安が後退したりの不安定な動きで結局私の運用成績も横ばいとなりました。ギリシャだけでなくあちこちに火薬庫を抱えた欧州の問題はこれから何度も蒸し返されると思いますがリーマン破綻をきっかけとする世界経済の大混乱を教訓にしている欧州諸国は最悪の事態(ギリシャを支援せずに財政破綻)は避けるものと私は楽観視しています。もっとも「影響が大きすぎてつぶせない」という事例が多発することは長期的視野では世界経済にさまざまな悪影響を及ぼすことを私たちは覚悟しておく必要はあるのだと思います。

マネックス証券
MX100212

SBI証券
ET100212

今週は唯一短期売買の対象としている東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)も軟調な動きでしたので珍しくほとんど売買を行いませんでした。新興国系ETFについてはそろそろ感もあるのですが来週は中国が春節(旧正月)でお休み(本土市場は一週間、香港市場は月火二日間)となりますので引き続き銀行のみにターゲットを絞って値動きを追いたいと思っています。



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