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海外株式投信評価額(2010.01.29現在)

kage

2010/01/30 (Sat)

皆さんご承知のとおり現在ギリシャは国家財政破綻の危機に瀕しており、世界経済にとっての新たな火薬庫となっています。もしここが爆発(=財政破綻)すればその影響はまず欧州の財政基盤が弱い国に及び、やがては世界中に伝播しかねません。それはかつて1990年代後半に起こったアジア通貨危機がタイの通貨バーツの暴落をきっかけにその影響が瞬く間にアジア全域に広がり(韓国がIMFの管理下に置かれたのはこの時です)、やがてはロシアやブラジルの国家財政に大打撃を与えた構図を思い出させます。そうなると財政状況においてはギリシャに負けず劣らず悪い状態にある日本に住む者として、現在のギリシャの姿を将来の日本の姿に重ね合わせて注目しておく必要があるのかも知れません。そこでまず私が知りたいと思ったのは国家財政危機で価値が下がっているはずのギリシャ国債の利回りは今どれくらいなのか?という疑問です。その回答はBloombergの下記の記事にありました。

ギリシャ債:3日続落、借り入れ必要ないとのパパンドレウ首相発言で

1月28日(ブルームバーグ):28日の債券市場で、ギリシャ国債が3日続落した。ギリシャ政府は財政赤字縮小に向け欧州連合(EU)から融資を必要していないとのパパンドレウ首相の発言に反応した。ギリシャ債の保証コストも過去最高となった。

仏紙ルモンドはEU加盟国がギリシャへの金融支援の手段を検討していると報道。ドイツとフランスはこれを否定した。パパンドレウ首相はこの日、スイスのダボスで記者団に対し、「ギリシャに二国間融資は必要ない。要請したことはない」と語った。

ギリシャ10年債利回りはロンドン時間午後3時28分現在、前日比39ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の7.14%となった。ドイツ10年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は395bpに拡大。CMAデータビジョンによれば、ギリシャ債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは28bp上昇の402bpに達した。


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ご覧のとおり現状のギリシャ国債10年ものの利回りは7%を超える水準にまで高騰しています。すなわち「金利の上昇=本体価格の下落」という債券の特性を考えれば、国家財政が危機に瀕しているためにギリシャ国債の価値は暴落しているわけですね。またリスクとリターンは表裏一体という経済学上の原則で考えれば世界的な超低金利時代に7%超という高利回りになっているギリシャ国債はかなりハイリスクであるという認識になります。

一般的に国債価格の下落は通貨の下落を誘発します。つまり日本国債が暴落すれば日本円も暴落し、米国債が暴落すれば米ドルも暴落すると考えるのが自然です。しかしギリシャ国債の場合、ギリシャがユーロ圏に属していることでちょっと構図が複雑になっています。つまり現状ではギリシャ一国の財政危機が欧州統一通貨ユーロの足を引っ張るという事態になっています。また同じユーロ建て債券であってもギリシャ国債とドイツ国債では利回りに2倍以上の差が付いているというややこしい状況になっています。もっともこれは国債を社債に置き換えて考えれば理解しやすいのかも知れません。つまりドイツ=全日空、ギリシャ=日本航空と考えれば、同じ日本円建ての社債であっても利回りに大きな差が付くことがよく理解できます。

このように国債の金利を見ただけでもギリシャの財政が危機的状態にあることは一目瞭然ですので、ギリシャ政府も財政破綻回避のためにさまざまな手段を講じているはずです。それにしても今週報道された下記の記事には私も驚かされました。

ギリシャ、中国政府に最大250億ユーロの国債購入を打診=FT紙

シンガポール 27日 ロイター:27日付の英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、複数の関係筋の話として、ギリシャが中国政府にギリシャ国債最大250億ユーロ(350億ドル)の購入を打診していると報じた。

金融市場で中国の存在感が高まっていることが浮き彫りとなった。

米金融大手ゴールドマン・サックスが、中国政府と国家外為管理局にギリシャ国債の購入を働きかけているという。国家外為管理局は、2兆4000億ドルにのぼる中国の外貨準備を運用している。

ギリシャ政府は26日、2月に国債を追加発行する方針を示した。

FT紙によると、中国政府はギリシャ国債の購入には同意していない。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は来月、投資説明会のため訪中するが、販売目標は設定していないという。


世界中が未曾有の金融危機の後遺症で大胆な財政出動を余儀なくされている現状で外国の国債を引き受けてくれる国があるとすれば中国以外には考えられないというのは確かでしょう。それにしてもなぜ中国?というのが私の正直な印象でした。なおこの報道に対してはギリシャ側、中国側の両方が否定するコメントを出しています。ただ中国の立場で考えれば中国がギリシャ国債を引き受けたという事実により市場のギリシャ国債に対する不安が低下する効果があり、外貨準備に占めるユーロの比率を高めながら高利回りを得られるメリットを考えればあってもおかしくない話であると私は想像します。「火のない所に煙は立たない」といいますので、その内ギリシャ財政破綻危機回避のウルトラCとして合意が発表されるのかも知れませんね。そしてもし日本がギリシャのような状況に陥った場合にも頼るべき相手はやはり中国にならざるを得ないのではないかと私は思っています。そのあたりの考えについては以前こちらのエントリーで触れていますのでよろしければご参照ください。

ところで国の財政が危機的状況になった場合に株価はどうなるのでしょうか?下記はBloombergからお借りしたアテネ総合指数の3年チャートです。

アテネ総合指数

ご覧のとおり2008年1月のレベルから見れば大きく下落していますが、世界の株価が目先の底を付けた昨年春のレベルと比べればまだ高い水準にあり、国家財政が破綻の危機にあるにしては下がっていないなというのが私の正直な印象です。これは先にも触れたとおり国債のリスクが極端に高まっていることもあってまだ株式にも一定の需要があるということかも知れませんね。ただし本当に国家財政が破綻してしまえば経済は大混乱に陥り株価も無事では済まないでしょうから、こういう場合はどのようにして資産を守るべきかを私たちもイメージしておくことは大切です。ギリシャ国民にとってラッキーな点は通貨が欧州統一通貨・ユーロであるということで、現金をタンス預金しておけば国家財政が破綻しても価値がなくなることはありません。イメージとしては現物資産の金(Gold)を持つのと似ていますね。日本の場合は国債の暴落=日本円の暴落ですからタンス預金は無意味といえます。となるとやはり資産防衛の観点からもできるだけいろいろな形に分けて資産を保有することが大切という結論に達するのではないでしょうか?

今週はオバマ大統領による金融機関への新規制案をきっかけに始まった米国株の下落がさらに続き、その影響で新興国株も軟調な動きであったため、私の運用成績も先週から大きく後退する結果となりました。ただ昨日は中国に続いて銀行の預金準備率引き上げを発表したインドの株価がいったん下げたものの最後にはプラスに転じて終わっており、新興国に関してはそろそろかなという希望的観測も持っています。しかしこれまで不思議なほどの力強さを見せていた米国株にようやく訪れた本格的な調整局面ですからこの先の値動きにも予断は許されないため猫パンチ投資を繰り出すにしても慎重にも慎重を重ねて行動しようと思っています。

マネックス証券
MX100129

SBI証券
ET100129

今週のETFを活用した短期売買は新興国系には一切触らず、東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)のみで細々と行いました。銀行株についてはとりあえず日本航空の問題が片付き三井住友銀行の増資も完了したため、残る大きな案件はみずほ銀行の増資があるのかないのかなのですが、結果が判明した後では材料出尽くしで急騰する可能性もあるため来週も安いところをコツコツと拾うスタンスで臨みたいと思います。



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この記事へのコメント

kage

ユーロ安は・・・

 ギリシャが原因でしたか。通貨統合も良し、悪しがありますね。その国、一国の問題じゃなく加盟国全体(この場合、ユーロ)が打撃を受ける。
 良い面は、貿易とかで通貨決済がスムーズに運ぶことですかね。旅行のときの外貨両替にもメリットが。この2月にサッカー観戦に欧州へ行くんで、利用しがいがあります(汗)。なにせ一時、170円でしたからね。これが125円だと全て、25%OFF。

Posted at 00:13:57 2010/02/03 by Werder Bremen

この記事へのコメント

kage

Werder Bremenさん

コメントありがとうございます。

欧州で国家財政の悪化に苦しんでいるのは実はギリシャだけではありません。落ちこぼれ国の頭文字を連ねて「PIIGS」(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)という侮蔑的な造語もできています。そんな国々がお荷物になっているのですからユーロは大変です。一部ではギリシャの問題は欧州内で解決できないのでIMFにまかせるべきだとの意見も出ているようですので、IMFへの拠出額1位2位である米国と日本も人ごとでは済まなくなるのかも知れません。

Posted at 06:38:19 2010/02/03 by おやじダンサー

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kage


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