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メイド・イン・ジャパンの命運

kage

2010/01/24 (Sun)

これは標記タイトルのNHKスペシャルを見た感想です。番組を見終わって私が一番に感じたのは「歴史は繰り返す」というか「因果応報」というか、これはかつてアメリカが味わったのと同じ苦しみを今日本が味わっているのだなということでした。具体的にはテレビも自動車もかつてはアメリカの独壇場でしたが新興勢力の日本に追い落とされてしまいました。そして今その日本がアジアの新興勢力に追い落とされようとしています。番組でも紹介されていたようにかつての日本のテレビが高品質を誇れたのは長年の経験と勘に裏打ちされた職人技を持った技術者に支えられて部分が大きかったのですが、現在のテレビはパソコンと同様にキーデバイスさえ買ってくれば誰でも簡単に一定水準以上の品質を持った製品を組み立て可能です。つまり今の日本製テレビは長くポータブル音楽プレーヤーの王者に君臨していたウォークマンがまったく別の分野から参入してきたiPodに追い落とされたのと同じ道をたどろうとしているのだと思います。また私が日本のテレビがアジアの新興勢力に追い落とされると考える大きな理由のひとつにはテレビのパソコン化により人件費の高い日本ではもはや採算が合わないという現実もあります。ご参考までに日本のテレビ業界の実状を伝えた東洋経済の記事をご紹介しておきます。

「東芝だけが黒字」な理由、テレビ事業復活の舞台裏(上)(東洋経済オンライン)

「東芝だけが黒字」な理由、テレビ事業復活の舞台裏(下)(東洋経済オンライン)

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この東洋経済の記事をご覧いただければお分かりのとおり、2008年度の実績で主要メーカー中テレビ事業が黒字なのは東芝だけなのです。かつてトリニトロンでわが世の春を謳歌していたソニーはテレビ事業6年連続赤字という体たらくであり、液晶テレビの先駆者であるシャープもプラズマで残存者利益を得ているパナソニックも赤字転落となっているのが現実です。それではなぜ東芝だけが黒字なのかといえば、液晶テレビの主要部品である液晶パネルが世界的な供給過剰で値崩れしたため自社で液晶パネルを生産していない東芝は調達コストを大幅に下げることができ、その分をソフト開発に回して競争力の高い製品を作ることができたためです。従来はシャープのように液晶パネルからの一貫生産が製品の競争力を高めていたのですが、一気に立場が逆転してしまったわけです。

すなわち事実として現在日本で利益を上げることができるビジネスモデルはアジアの新興勢力と同じく、コストパフォーマンスの高い部品を買ってきて製品を組み立てる方式なのです。それでは日本メーカーが競争に勝ち抜くためどこに付加価値を求めるかというと、東芝のようにソフトウエアのブラッシュアップであったり、他社の追随を許さない圧倒的な高性能を誇る製品であったりします。ちなみに番組でも紹介された1台100万円の高機能テレビはプレステ3の心臓部にも使われているCellプロセッサーを組み込んで高機能化を実現しています。古くからのソニーファンである私にしてみればCellテレビをソニーが実現できなかったことに憤りを禁じ得ないのですが、客観的に考えて6年連続赤字の事業でそのような冒険は許されないのが現実なのでしょう。その点東芝はテレビ事業が黒字だったため冒険が許されたのではないでしょうか?ただ個人的には東芝はこの100万円のテレビで利益を上げようとは思っていないと考えています。オーディオ&ビジュアル製品においては昔からまずフラッグシップモデルと呼ばれる最上位機を開発し、その技術を徐々に普及機に落としていくという手法がよく見られました。ですから私は東芝の100万円テレビはいわばトヨタやホンダにとってのF1と同じで、限界に挑戦して技術レベルを高める意義の方が大きいのではないかと考えます。そして長期的に見ればおそらく冒険できた東芝と冒険を許されなかったソニーの間に明確な差が出てくるのではないかと思います。

それでは東芝のようなアプローチがあれば日本のテレビは起死回生の大逆転を期待できるのかというと、個人的な考えはNOです。なぜならCellプロセッサーは誰でも買えますし、ソフトウエア開発ならインドの方が優れているのかも知れないのですから、おそらくどんな手段を使っても日本のテレビの技術的優位性は早晩失われると考えるのが妥当なのではないでしょうか?もしそうであれば、東芝はテレビ開発に回すパワーを原子力発電に回した方が経営判断としては賢明であるといえます。この構図はおそらく日本全体に共通のものであり、勝負するのなら勝ち目がある分野で戦いを挑むべきです。そして日本の強みが発揮できる分野といえばやはり環境や省エネであり、私個人としては以前「温室効果ガスを25%削減するために」で提案したように日本全体を温室効果ガス25%削減のショールームにするというような大胆な方針を立てて政治も役人も企業も国民も皆が力を合わせて大きく方向転換を図るくらいの覚悟がなければメイド・イン・ジャパンの命運はいずれ尽きてしまうのではないでしょうか?

【追記】これが東芝のCellテレビ・REGZA 55X1です。

【エコポイント対象商品】 TOSHIBA CELL REGZA 55V型 地上・BS・110度CSデジタルフルハイビジョン液晶テレビ 55X1(本体のみ テレビスタンド・ラック別売)【エコポイント対象商品】 TOSHIBA CELL REGZA 55V型 地上・BS・110度CSデジタルフルハイビジョン液晶テレビ 55X1(本体のみ テレビスタンド・ラック別売)
(2009/12/10)東芝

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