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海外株式投信評価額(2009.11.13現在)

kage

2009/11/14 (Sat)

経営危機に陥っている日本航空は昨日、中間期の損失としては過去最大となる1,312億円の赤字決算を発表し、同時に当面の危機回避策として私的整理手法の一つである事業再生ADRを申請しました。ちなみにここでいうADRとはAlternative Dispute Resolution(裁判外紛争解決手続)を指し、外国企業が米国株式市場に上場する手段として私たち個人投資家におなじみのADR(American Depositary Receipt=米国預託証券)とはまったく関係がありません。この事業再生ADR申請を受けて大手格付け会社が相次いで日本航空の格下げを決めています。

S&Pが日航を格下げ R&Iも格下げの方向

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日、日本航空と子会社の日本航空インターナショナルの長期会社格付けを「トリプルC」から「ダブルC」に引き下げたと発表した。両社の長期優先債券の格付けは、「トリプルCプラス」から「トリプルC」に引き下げた。

事業再生ADR(裁判外紛争解決)が正式に受理されたことで「債務が期日どおり履行されない可能性が高まった」(S&P)ためとしている。

一方、格付投資情報センター(R&I)は同日、日航と日航インターの発行体格付けを「トリプルC」で据え置き、引き続き格下げの方向で見直すと発表した。「事業再生計画手続きの成否やその詳細を確認したうえで、新たな格付けを公表する」としている。 (日本経済新聞より)


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債券に投資をされている方ならよくご承知のとおり、一般的に投資適格とされる格付けはBBB(トリプルB)以上といわれますので、日本航空の社債は今回の格下げがなくてもすでに投資不適格のジャンク債(直訳すると「がらくた債」)扱いであったことが分かります。ちなみにジャンク債を上品に表現したものがハイ・イールド債(直訳すると「高利回り債」)で、投資信託の世界でもその利回りの高さから人気を集めています。そこで参考までにハイ・イールド・ファンドの代表としてフィデリティ・USハイ・ イールド・ファンドの月報で9月末時点の格付け別組入比率を調べてみると日本航空と同等のCCC(トリプルC)以下は30.7%しかなく、いくらリスク覚悟で高利回りを狙うハイ・イールド・ファンドであっても今の日本航空の状況では組み入れてもらえるかどうかも分からないというのが現実です。

日本航空の経営状況がここまで悪化した要因としてはもちろん未曾有の金融危機の影響がもっとも大きかったことは事実でしょうが、ライバルである全日本空輸(ANA)と比較すると日航独自のネガティブ要因も見えてきます。その代表例がかつて国営企業であった名残で経営陣・従業員共に「親方日の丸」的体質が染み込んでおり、プライドは高いのにコスト意識が低く、赤字を垂れ流し続けても日航だけは絶対に潰れないという妙な確信を持っていたこと。また今では信じられないほどの好条件(年利回り4.5%)を約束した企業年金が存在し、年利4.5%が達成できなかった場合は不足分を会社が補填しなければならないため大きな負担となっていることなどが挙げられます。しかしこの現状は本当に日航独自のものなのでしょうか?私には日本航空が置かれた状況がどうしても日本の縮図に思えてしまうのです。

国民・政治家・お役人共に日本は経済大国であるというプライドは高いのにコスト意識は低く、赤字を垂れ流していても日本の財政はそう簡単には破綻しないという妙な確信を持っている。また今では信じられないほどの好条件を約束された年金の支給を受けるリタイア世代がドンドン増加し、医療費や介護費も含めた社会保障費が国家財政の大きな負担となっている。こう考えると日本航空の経営危機と日本国の財政危機の要因は非常に似通っているように思えてきます。個人的には日本航空の再建手法としては米国のゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーに適用した計画的倒産後に事業内容を整理して再出発という手順が良いのではないかと考えているのですが、もしこれが日本国の財政危機で自分自身が当事者となった場合も同様に考えられるかといえば私には自信がありません。すなわち財政危機に瀕した日本国が計画的に債務不履行(デフォルト)宣言を出して負債を整理した上での再出発を目指すとなったら、国債は紙くずにはならないにしても価格は暴落、為替も超絶円安が進行するでしょう。そうなると金融機関の中には破綻するところも出てくると思われますが預貯金はペイオフ制度に従って淡々と処理される(1,000万円以上は事実上没収)のかも知れません。もっともその時点で日本円にどれほどの価値があるのかを考えれば今からペイオフ対策をしておいても現実的な効果は薄いように思われます。日本国民の一人としてこのような激しい痛みに晒される可能性が高い時に、それでも日本の将来を考えて計画的破綻を支持しようと思えるかどうかで国民の真価が問われることになるのかも知れません。

ここまで極端な想定をしなくても、例えば戦後のベビーブームで生まれたいわゆる「団塊の世代」が60代の入り口に差し掛かっている現状を考えると、彼らへの年金や医療費の支給が国家財政を圧迫することになるのは明らかです。だからといって現役世代は団塊の世代に対して「私たちの生活も苦しいので年金の一部を辞退してください」と言えるでしょうか?そしてもし自分自身が団塊の世代だったら「国の財政がこれだけ厳しいのだから過去の約束は反故にして痛みを受け入れよう」と思えるでしょうか?このように日本航空の問題を日本国の縮図としいう視点で見れば、私たちの捉え方も少し変わってくるかも知れませんね。

今週も米国株の不思議な力強さに支えられて新興国の株式市場もおおむね堅調であったため、私の運用成績も先週と比べて改善に向かいました。これらの動きと対照的なのが日本株であり、今週は特に「日本株だけ蚊帳の外」という状況が顕著でした。これには複合的な要因があると思われますが、私自身は一つ前のエントリーで触れた長期金利の上昇(=債券価格の下落)が背景にあるのではないかと感じています。例えば今年春の株価急落の場面では年金関係からと思われる信託銀行経由の買いがガンガン入っていましたが、これは株価急落でリバランスの必要が生じたために機械的に買っていただけであり、今回は反対に債券価格の下落で年金などの機関投資家が機械的に株売り債券買いを行ったのではないかと想像しています(東証の資料を見ると実際に信託銀行は売り越しています)。未曾有の金融危機以降、日本の株式市場は閑散化が進行していますので機関投資家の動向に市場全体が大きな影響を受けがちです。特に売買高の少ない小型株や新興株は一方通行になりやすく、今週は大きく値崩れする銘柄が目立ちました。ただ週末にかけて長期金利の上昇は一服しており、ヘッジファンドの決算に絡む売買もそろそろ終盤を迎えるため、再来週の三連休明け頃から日本の株式市場にも変化が出てくるのではないでしょうか?

マネックス証券
MX091113

SBI証券
ET091113

このように軟調な日本株を見て日本株は全部売り払って新興国系ETFに集中したいという欲求を強く感じることも事実です。しかしその気持ちを抑えつつ今週もブラジルには一切手を出さず、上海系とロシアで細々と短期売買を実行しました。以前と比べて出来高が減ってきたためか、昔よく見られた日経平均株価の動きに新興国系ETFが影響を受けるような動きが見られました。短期売買にとってはこのような価格変動は大歓迎ですので、来週も引き続き思わぬ下落場面を狙った押し目買いスタンスで臨みたいと思っています。



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