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長期&分散で考える 投資の処方箋

kage

2009/09/02 (Wed)

衆議院総選挙が行われた8月30日に埼玉県の浦和で行われたセゾン投信とファイナンシャルインディペンデンス共催セミナー「長期&分散で考える 投資の処方箋」に参加して参りましたのでご報告させていただきます。今回のセミナーに私が参加した目的は、約1年前のセミナー「ほったらかしのススメ」で興味深いお話しをいろいろと聞かせていただいた独立系ファイナンシャルプランナーの中桐啓貴氏の新興国投資に対する見解を聞きたかったからです。なお事前に案内されていた当日のプログラムは下記のとおりでした。

長期&分散で考える 投資の処方箋

<プログラム>
第1部 講演
テーマ:投資の処方箋
講 師:中桐啓貴氏(ガイア株式会社 代表取締役)
テーマ:バンガードのトリビア
講 師:加藤隆氏(バンガード・インベストメンツ・ジャパン 代表取締役)

第2部 パネルディスカッション
出演者:中桐啓貴氏(同上)、加藤隆氏(同上)、田村正之氏(日本経済新聞社生活経済部編集部員)、中野晴啓(セゾン投信社長)
司 会:田口智隆氏(株式会社ファイナンシャルインディペンデンス 代表取締役)


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今回なぜわざわざ浦和でセミナーが開催するのか個人的に不思議に思っていたのですが、共催の一方であるファイナンシャルインディペンデンスの田口智隆氏が埼玉県を中心に活動をされていることが理由でした。ちなみに田口氏は当ブログ左側の書籍紹介にある「「いそがない資産運用」のススメ。―積立による長期国際分散投資で実現する」をセゾン投信の中野社長と共著されており、今回のセミナーが実現した背景にはその縁があったのではないかと思います。またセゾン投信のセミナーには初登場となる田村正之氏は日本経済新聞社の記者でありながら本職は作家であると自認されている方で、私たち個人投資家には「月光! マネー学」や「しぶとい分散投資術―世界金融危機でわかった!」でおなじみですね(ただしご本人は小説で成功したいというご希望があるようです)。それではいつものように以下に私自身が印象に残った点をピックアップして順不同でご紹介したいと思います。なお一部に私なりの意訳が含まれるため、発言者の本意と異なる可能性があることをあらかじめご了承下さい。

中桐氏は最初に就職した山一證券が1年足らずで破綻。保有していた自社株の価値がゼロになった。先輩の中には投資額数千万円分がゼロになった人もいた。これが個別株投資のリスクである。(筆者注:自社株保有の場合は特に従業員と株主の2つの立場で破綻の影響が2倍になるため注意が必要です。)

100の資産が50になった場合の運用成績はマイナス50%だが50の資産を100に戻すにはプラス100%の運用成績が必要。すなわち資産運用においてはいかに損失を小さくするかが大切となる。

現在まで40年投資を続けていたとしたら年6.4%の利回りとなる。

1980年から2000年までの世界経済は先進国主導型だった。2000年から2030年ごろまでの世界経済を予測すると新興国の組み入れも必要ではないか?

1900年当時の代表的な先進国はイギリス・ロシア・アルゼンチン・アメリカだった。この時点でもし4カ国すべてに投資したとしたらその後の結果は英→○、露→×、アルゼンチン→×、米→○となる(先進国だからといって必ず安心ではない)。また当時の新興国36カ国の内半分が一度はマーケットが中断している。加えて15市場は現在でもなお新興国である(新興国はリスクが高いし必ず成長するわけでもない)。

新興国から先進国への移行過程は、専制君主制→植民地下でブルジョワ(中間層)台頭→民主主義への移行。投資対象としては貧富の格差が小さく、勤勉な国民性で、政治が安定しており、政治腐敗がない国を選びたい。

資源より試練が大切。石油価格と自由ランキン(筆者注:国民の自由度を表すランキング)は反比例する傾向にある。イラク戦争からグリーンニューディルを打ち出す米国政府の隠れた意図は産油国にお金を流さないことで民主主義化を促進することにもあるのではないか?

セクター分散投資という考え方も検討の余地あり。今なら将来有望な環境関連セクター、不況下に強い医薬品や生活必需品関連のディフェンシブセクターなどに分散投資。

まとめ
・不況下で株は底を打つ
・新興国→先進国
・資源より試練
・セクター分散投資

1989年、日本のバブルピークで国内株式・国内債券・海外株式・海外債券各1/4で積立投資を始めたとしたら現時点で88%の上昇(=利益)となっている。(筆者注:ご承知のとおりバブル崩壊後は急激に価格下落が進行するためこの計算は一種の数字のマジックという面が否定できないと感じます。バブルがスタートした時点から投資を始めたケースで計算すればずいぶん結果が違うのではないでしょうか?)

パニック時には買えないしリバランスもできないもの。それでも買えた人、リバランスできた人は結果的に損失が少なくて済んでいる。自動積立利用者の多いセゾン投信では顧客全体の約4割がすでにプラスに転換している(筆者注:セゾン投信設立時から定額積立のみを行っている私はまだマイナス領域ですがおそらく私の成績あたりが5割ラインなのでしょう)。やはり長期投資の王道は積立である。

ドルコスト平均法は万能ではない。資産分散と組み合わせて効果が増す。例えばTOPIXの騰落率は1989年から2009年でマイナス75%だがこの間にドルコスト平均法で買付を行ってもマイナス30%とプラスにはなっていない(ただし下落率を緩和する効果は確かにある)。

新興国の株価は乱高下しても最終的にはGDPに収斂するはず。

金利が高い→高インフレ→通貨の下落圧力(長期的には高金利は通貨価値の下落で相殺される)

分散のメリットは貧乏くじを引く確率が下がること。

超長期ではどのマーケットも平準化するはず。

新興国は株式市場が未成熟であることもあり経済実態に株式時価総額が追い付いていない(GDP>時価総額)。

Q.日本で生活することを前提とした適正な日本への投資比率は?
田村:根拠はないが30%くらいでは?
加藤:時価総額の実態どおり(現状で10%弱)で良い。
中桐:不動産を所有しているかどうかなど個々の条件によって異なる。

Q.株式と債券だけで本当に有効な分散法といえるのか?
中桐:株式が値上がりする可能性は理論上無限大だが商品の値動きは基本的に需給で決まる。また商品自体が新たな価値を生まないため価格が右肩上がりを続ける可能性が低く長期投資の対象としては適さない。
田村:商品は株式と異なる値動きをする傾向があるので分散効果はそれなりに得られると思う。また最近登場した原油ETFは実生活における原油価格値上がりリスクのヘッジとしても使える。もし国内REITに投資したいのならアクティブファンドの組み入れ銘柄ともほとんど差異はないので低コストのREIT-ETFがおすすめ。
加藤:商品や不動産はマーケットが小さい。このため値動きも激しい。少しだけ組み入れても分散効果は出にくい。従って無理して組み入れる意味は薄い。

Q.米国のこれからは?不安があるのであれば投資割合を下げるべきか?
加藤:分からない。分からないからこそ淡々と時価総額に合わせた積立を行う。
田村:日本よりまだマシではないか?米国は人口が増えている。また財政出動のお金がキチンと会社に回っている。日本は官のブラックホールにお金が吸い込まれている。
中桐:米国には起業家がたくさん出てくる土壌がある。国民性もベンチャー精神旺盛で他人と違うことをする人が賞賛される。それほど悲観しなくて良いのではないか。
中野:米国がダメになるのならおそらく投資は全部ダメ(米国の投資比率を心配してもあまり意味はない)。

Q.ETFは投資信託より優れているのか?
加藤:ETFはローコストで確かに優れた金融商品だが、買付手数料がかかる、配当金が出る、投資にはある程度まとまった金額が必要、積立ができない、などの欠点もある。
田村:一長一短がある。最近はニッセイ日経225インデックスファンドのようにローコストの投資信託も登場しており、ETFとのコスト差は縮小する方向に進むのではないか?
中桐:ETFは市場で買うためどうしてもタイミングを狙ってしまう(筆者注:私のようにハイリスク投機の罠に陥る危険性が高まるということです)。また日本のETFは流動性に心配がある(流動性が低いと適正な値段で売買できないリスクが高まる)。
中野:投資が好きで自分でいろいろといじりたい人にとってはETFが適している。ほったらかし派の人にはバランスファンドがおすすめ。

以上、私が気になってメモを取った部分のみをピックアップして列挙させていただきました。なお加藤氏の「バンガードのトリビア」については前回のセミナーとほぼ同じ内容でしたので今回のセミナーではまったくメモを取っておりません。悪しからずご了承ください。今回のセミナーで中桐氏が語られた内容は新興国投資が大好きなハイリスク投機家である私にとっては非常に興味深く、ますます投資(投機?)意欲が増大しました。しかしもし私が投資初心者にアドバイスするとしたら、これからの世界経済はますますグローバル化が進行し「超長期ではどのマーケットも平準化するはず」という考え方が徐々に現実のものとなると思われるため、加藤氏の主張どおり毎月世界経済の実態に合わせてリバランスを行う(=時価総額を忠実にトレースしている)セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを淡々と積み立てることが結局もっとも合理的な解であると結論付けたいと思いました。





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