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マネックスはどこへ行く?

kage

2009/04/28 (Tue)

マネックス証券を傘下に置くマネックスグループの2009年3月期決算が昨日発表されました。その内容は100年に一度の金融危機の影響を受けて純損益が21億4400万円の赤字(前期は72億0600万円の黒字)という厳しい結果となりました。この大幅減収減益の主因はもちろん金融危機による手数料収入の減少にあるのですが、公開された決算説明資料を見ると他にもいろいろと問題があるように感じました。

まず始めに私が問題と感じたのは巨額の投資有価証券評価損です。ただし世界的な金融危機で有価証券の評価額が大幅に下落して評価損を計上しなければならなくなった企業は他にもたくさんありますので評価損の計上自体は致し方ないことであると思います。しかしマネックスの場合は対象がよろしくありません。その問題の部分を決算説明資料より引用させていただきます。

投資有価証券評価損:イーバンク銀行の株式について、2008年9月と2009年3月に減損処理を実施。損失額は合計で4,900百万円

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ご覧のとおりイーバンク銀行の株式で49億円もの評価損を計上しており、これが純損益赤字転落の大きな要因となったことは間違いありません。しかしそれより何より問題なのは以前「楽天がイーバンク銀行の筆頭株主に」でご紹介したとおりイーバンク銀行は楽天との関係を深めており、その後楽天の株式保有率は5割弱にまで増えて現時点でイーバンク銀行は楽天の連結子会社になっているにも関わらずマネックス証券がイーバンク銀行株の保有を続けていることです。決算説明資料によると現時点のイーバンク銀行株の評価額は9億円にまで減少しており、取得目的の欄に書かれた「業務提携の為」という文字が空しく映ります。マネックス証券とイーバンク銀行の業務提携契約がどのようになっているのか私は知りませんが、現実的に楽天の意向を無視して進めることは不可能であると思われます。このように当初の目的が達成不可能になった以上、潔く楽天に頭を下げてイーバンク銀行株を引き取ってもらうべきであろうと私は思います。厳しい経営状態の中であるからこそ迅速な経営判断を望みます。

あと細かい点で気になったのは資金調達の手段としてすっかり定着した感のあるマネックス債がより条件の良いSBI債という競合商品の登場でどうなるかという心配です。2009年3月決算第4四半期の資金調達実績を見ると銀行からの借り入れが340億円なのに対してマネックス債による調達は93億円となっており、その存在感は決して小さくありませんのでSBI債に顧客を奪われると資金繰りに困らないかと不安になってしまいます。

また顧客の一人としてショックだったのはマネックス証券が長らく首位を守り続けていたインターネット経由の投信買付金額が2008年の実績でダイワ・ダイレクトに抜かれて2位に後退したことです。その要因をマネックス証券で投資信託を保有している者の一人として推測すると、最近「これは!」と思うような魅力的な商品の新規取扱いがなく、業績悪化の影響か手数料キャッシュバックキャンペーンの条件も改悪されたための相対的な魅力低下にあるように思います。それにしてもトップに立ったのがSBI証券ではなくダイワ・ダイレクトだったという点も個人的には非常に興味深い結果でした。これは大和証券に口座を持っているシニア世代が動き始めた証拠なのでしょうか?

このようにマネックスグループを取り巻く環境にはいろいろと問題が存在しますが、現実的に焦眉の急ともいえる大問題は発行済株式の26.3%を保有する筆頭株主・日興シティホールディングスの動向でしょう。同じように日興シティホールディングスが保有する日興コーディアル証券売却は三井住友が優先交渉権を得て、日興アセットマネジメント売却では野村が有力と報道されていますので、次はマネックスの番であると覚悟する必要があります。昨日マネックスグループは元日興コーディアルグループ社長の桑島正治氏を取締役に迎える人事を発表しましたが、これもシティとの交渉対策なのでしょうか?そうでなければなぜこんな「偉い」人を連れてくるのか理解に苦しみます。

迷走しているようにも見えるマネックスがこれからどこへ行こうとしているのか、私も顧客の一人として注視を続けたいと思っています。



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