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資産運用最大のリスク

kage

2008/12/02 (Tue)

これは以前にも何度か書きましたが、私にとって資産運用における最大のリスクは評価額の下落ではなく、売りたい時に売れなくなることです。今回の金融危機では経営危機に陥ったAIGグループが運用するコモディティ指数連動債を組み入れた複数のコモディティ・ファンドが一時的に解約停止になったり、ロシアやブラジルの株式市場が株価の乱高下で混乱して一時閉鎖されて関連する新興国ファンドの解約ができなくなる事例があり、売りたい時に売れなくなるリスクが現実のものになりました。そして本日、いつものようにロイターのニュースチェックを行っていたところまた新たな解約停止事例が出てきましたので注意喚起の意味も込めてご紹介いたします。

ファンドクリエーション投信、「ペストプロパティー・インカム」の購入・解約受付を中止

東京 2日 ロイター:ファンドクリエーション投信投資顧問は、同社の公募投信「ペストプロパティー・インカム(毎月分配型)」の基準価額の公表と購入・解約の申込受付を中止した。1日付の発表によると、投資先の外国投資信託2本の管理会社から両ファンドの純資産価格決定を停止するとの通知を受け、両ファンドの換金ができないことが判明し、ベストプロパティー・インカムの一部解約に対応する十分な現金などの流動資産がなくなると判断したため。


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同社によると、ベストプロパティー・インカムが投資対象としているのはケイマン籍の「FCファンド─レジット不動産証券投資信託」のクラスB受益証券と、ケイマン籍の「FCトラスト─ジェイ─グランド不動産証券投資信託」のクラスB受益証券で、管理会社はFCインベストメント・リミテッド。

ファンドクリエーション投信の発表によると、管理会社は純資産価格決定の停止理由として「現時点で(同ケイマン籍)ファンドは買い戻し請求に応じるだけの現金を有しておらず、請求に応じるためにはファンドが組み入れている収益源物件の早期売却を進めざるを得ないと考えられる。早期売却を前提とする評価額を全物件について取得することが適切であると判断し、(価格決定を)停止した」としている。

なお、同管理会社は、昨今の経済環境や不動産需給悪化の影響などで、早期売却の場合は現時点の評価額を大きく下回る売却価格になる可能性が高い、との認識も示しているという。

この通知を受け、ファンドクリエーション投信はペストプロパティー・インカムについて、10月21日から11月20日に受け付けた11月25日を特定日とする購入と解約の申し込みを次回以降の取り扱いに延期するとともに、12月22日を特定日とする申込受付を中止することを決めた。申込受付と基準価額公表の再開時期について同社営業担当者は「未定」としている。

同ファンドは今年7月29日に設定されたもので、純資産総額は11月10日現在16億8000万円。日本の不動産を収益の源泉とするファンドで、原則として毎月分配を行うしくみ。9月から11月まで毎月45円の分配金を支払ったが、12月の分配金については「現時点では未定」(同営業担当者)。

販売会社は藍澤証券、SBI証券、かざか証券、タイコム証券、トレイダーズ証券。


ファンドクリエーション投信のペストプロパティー・インカムという投資信託については不勉強のため知らなかったのですが、私が口座を保有しているSBI証券でも扱っているということでさっそく調べてみたところ、日本のREITに投資する毎月分配型のアクティブ投信でした。ここでまず不思議に思ったのが日本のREITに投資するファンドがなぜケイマン籍のファンドを使っているのかという点です。そこで気になって同ファンドの月報を調べてみたところ、下記のチャートのように極めて複雑な仕組みになっていることが分かりました。

bestproperty081110

月報の説明によるとこのチャートにある社債発行会社が匿名組合出資を通じて日本のREITに投資するとのことですので、実際の仕組みは「顧客が購入する投資信託-ケイマン籍のファンド-社債発行会社-匿名組合-J-REIT」となります。これは生産者と消費者の間に複数の仲卸業者が介在して極めて非効率といわれる日本の農業や水産業以上に複雑な仕組みですね。老婆心ながら実際にこの投資信託を買われた方の何人がこの仕組みを正確に理解していたのだろうと心配になります。

この記事を読んだだけではケイマン籍のファンドがどのような状況になっているのかは分かりませんが、現実問題としてベストプロパティー・インカムは「当面は解約不可」「解約受付を再開できたとしても基準価額の大幅下落は避けられない」「12月の分配金も出るかどうかは分からない」という状況に陥っているわけで、購入された皆さんには同情の念を禁じ得ません。特に記事にあるようにこの投資信託は今年の7月29日に設定されたばかりとのことで、わずか4カ月で立ち往生してしまった結果については投資信託会社の責任も大きいと思います。しかし投資の世界においては販売会社が必要な説明を怠ったり虚偽の説明をしていない限り結果については購入者の自己責任となりますので金融商品の中身はじっくり調べて、十分に理解した上で購入しなければならないと私自身も改めて肝に銘じています。



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