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海外株式投信評価額(2008.11.14現在)

kage

2008/11/15 (Sat)

今週の定時報告もまた性懲りもなく政治の話題に触れたいと思います。今回の話題は田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長の「我が国が侵略国家というのは濡れ衣だ」論についてです。

まず始めにお断りしておきますが、私は今回問題となった田母神氏の論文を読んでいません。ですから本来ならこの話題についての論評は差し控えるべきなのですが、この件に関する各種報道を読んでいると田母神氏の意見に賛成する人と反対する人のどちらも当時の日本を過大評価し過ぎているように感じましたので、あえて私の意見も書いてみようと思い立った次第です。

田母神氏の意見に賛成する立場の人が当時の日本に持つイメージをちょっと大げさに表現すれば「欧米列強に支配されていたアジア諸国を開放し、アジアの人たちが協力して発展できる仕組み(=大東亜共栄圏構想)を実現するために立ち上がった正義の国家」ということになろうかと思います。これに対して反対の立場の人は「アジアの征服を目論んで悪逆非道な侵略行為に及んだ悪魔の帝国」という国家観になろうかと思います。しかし私にはどちらの意見も当時の日本を過大評価し過ぎているように感じます。私自身は当時の日本は良くも悪くもそんなに立派なものではなかったと思っています。

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この「そんなに立派なものではなかった」という部分を具体的に説明すると、当時の日本は「欧米列強の植民地となったアジア諸国を開放しなければならないという正義感」や「アジア諸国を征服して大帝国を築き上げようという野心」などという明確な意志(=国家方針)に基づいて行動していたわけではなかったのであろうということです。その根拠となったのは映画「東京裁判」の中で紹介されたA級戦犯として起訴された賀屋興宣元蔵相の以下の言葉です。

軍部は突っ走ると言い、政治家は困ると言い、北だ南だと国内はガタガタで、おかげでろくに計画もできずに戦争になってしまった。それを共同謀議などとは、お恥ずかしいくらいのものだ。

つまり当時の日本は軍部も政府も国会も国民もみんなバラバラで、確固とした強い意志(=国家方針)などなかったわけです。また突っ走ると主張した軍部内でも陸軍と海軍では意見がまったく異なり、さらには同じ陸軍の中でも司令部の意見を無視して突出する関東軍のような存在もあり、統制が効かない状況でした。これに加えて最高権力者であった昭和天皇ご自身が憲法で定められた立憲君主という立場を厳格に守ろうとしておられ、「君臨すれども統治せず」を率先して実行されたこともあり、当時の日本は国家の意志がまとまりにくい状況になっていました。

それではなぜ当時の日本は明確な意志のないまま戦争に突入してしまったのでしょうか?もちろんこれはさまざまな要因が複雑に絡み合った複合的結果であることは間違いないのでしょうが、私自身はその主因のひとつは大きな力を持っていた軍部という組織が本能的に持っていた自己保身と自己権益拡大を求める気持ちが暴走した結果ではなかったかと思っています。戦争回避に向けて行われた日米交渉では実際に日本が占領した地域からの撤兵が話し合われており、これが合意に達すると将来的には軍縮にもつながりかねないため、軍部としては到底納得できるものではなかったのでしょう。つまり当時の軍部は「これからの日本がどうあるべきか」より「自分たちの保身と権益拡大のためにはどうするべきか」が優先して考えられていたのではないでしょうか?

以上の観点から考えると、私自身も田母神氏のいう「我が国が侵略国家というのは濡れ衣だ」という意見には100%同意します。ただしその論拠はまったく違っており、当時の日本を侵略国家といってしまっては明確な野心を持って侵略を行ったナポレオンやヒトラーから「あんな国と一緒にするな!」と怒られてしまうと思うのです。こう考えると当時の日本は正義のヒーローでも稀代の悪役でもなく、本能が命じるままに行動するわがまま坊やだったような気がしています。ただしだからといって当時の日本が行った行動が許されるわけではありません。日本に国家としての結果責任があるのは当然のことで、明確な侵略の意志があろうとなかろうと結果的に侵略的行為を行ったことに関しては私たちもハッキリと認識する必要があると考えます。

しかし実際問題として戦後生まれの人間にとっては当時の軍部がどのような存在であったかはイメージしにくいですよね。ところが冷静に日本の現状を見つめてみれば当時の日本とあまり変わっていないのではないかと思えてきます。なぜなら今でも日本には「大きな力を持ち、本能的に自己保身と自己権益拡大を求める組織」が存在するからです。いうまでもなくそれは中央省庁のことなのですが、本来は国民のために存在する組織であるはずなのにいつの間にか自己権益の拡大が主目的となっている点はかつての軍部とそっくりです。また個々の省庁が別々に自らの利益拡大を追求している点も陸軍と海軍で意見が異なっていたかつての軍部と酷似しています。さらには中央省庁が結託して国民の財産を合法的に搾取しようと共同謀議をしているのではなく、個々の省庁がそれぞれに自己権益の拡大を追求することが結果的に国民の財産を食い荒らしている点もかつての軍部と同じです。こう考えると日本は何十年経ってもまったく進歩しないのかと情けなくなってきます。

ところで今回の一連の問題で個人的に一番興味深かったのは中国と韓国の反応です。これまで歴史問題には特に敏感だった両国ですから、今回のような発言があれば大規模な抗議デモのひとつやふたつは起こっても不思議ではないのですが、そのような報道は聞こえてきません。やはりこれには未曾有の金融危機が関係しているのでしょうか?例えば通貨ウォンの暴落に見舞われている韓国にとっては今は歴史問題で騒いでいる状況ではないでしょうし、何よりも外貨準備高世界第2位の日本の協力なしにはこの通貨危機を乗り越えられないという思惑もあるのかも知れません。また中国にも今回の金融危機を乗り越えるためには日本との協調が不可欠との認識があるでしょうから、今はことさらに歴史問題で騒ぎ立てるのは得策ではないという思惑があるのかも知れません。先月上旬に立てた「暴落する株式市場を見て思ったこと」で私は「世界経済復活を牽引するのはやはり東アジア地域になるのではないか。先日、韓国の李明博(イミョンバク)大統領が金融危機対応策協議のための日中韓首脳会談を提案したが、ここに台湾も加えて歴史問題や政治問題を一時棚上げして真剣に討議すればできることはたくさんあると思う。」と書きましたが、もしかすると経済問題で各国の思惑が一致している今こそが21世紀の新しい大東亜共栄圏構想を話し合う絶好のチャンスなのかも知れませんね。

今週の世界経済は相変わらずネガティブな話題ばかりで私の運用成績も先週からさらに悪化しました。今は外貨建て投資については完全放置の状態ですので毎週の成績に一喜一憂する必要もないのですが、今回のようにマネックス証券の保有資産総額が100万円を割り込むなど分かりやすい形で資産の目減りを見せ付けられるとやはり悲しくなるものですね。

マネックス証券
MX081114

SBI証券
ET081114

冬のボーナスシーズンに向けた販促競争のトップを切ってマネックス証券から投資信託申込手数料のキャッシュバックキャンペーンがが発表されましたが、今回は半額ということで魅力も半減です。これでは積極的に活用する気にはなりません。金融庁から行政処分を受けたジョインベスト証券にも期待はできそうにありませんので、あとはフィデリティ証券の動向に注目ですね。 というわけで、今は申込手数料全額キャッシュバックキャンペーンでもない限り追加投資を行う意欲がまったくわかない状況が続いています。



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この記事へのコメント

kage

こんにちは。
とても読み応えもある記事を
ありがとうございました。
コーヒー片手にじっくり読ませてもらいました(^^)
自己保身と自己権益拡大を求める組織が存在
しますね、確かに・・・。勿論、他の国でも存在するのでしょうが・・・。
特にこの国の国民はおとなしいですし(無関心)
なかなか変われませんね(^^;)

損益、うちもすごいことに・・・(泣)
放置するしかありません(大泣)

Posted at 15:51:34 2008/11/15 by ふくまるこづち

この記事へのコメント

kage

ふくまるこづちさん

コメントありがとうございます。

現在私たちが直面している閉塞感の多くは国民の無関心に原因があることを深く自覚しなければなりませんね。

投資に関しては人間の欲が尽きない限りはいつか挽回できる機会が訪れると思っていますので、今はひたすら耐えるしかないと覚悟しています。

Posted at 21:45:07 2008/11/15 by おやじダンサー

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kage


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