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先入観を捨てる

kage

2008/11/13 (Thu)

今朝はまた米国株式市場が大幅安となり、為替も急速に円高が進行しており、朝から暗い気分になっています。しかしここでふと、何をもって私たちは株安や円高と感じるのだろうという疑問がわき上がってきました。

例えば昨日まで100円で販売されていたチョコレートが今日50円で売られていれば私たちは過去の価格と比較して安いと判断します。またそのチョコレートの製造原価が60円であると事前に知っていれば原価割れしているから安いという判断もできます。しかしこの原理原則が今の投資の世界ではまったく機能していません。つまり数年前の株価と比べて安いという判断は、実は以前の株価がレバレッジバブルが作り上げた虚構に過ぎないことが明らかになったため、その幻の価格と比較しても意味がありません。また日本の株式市場全体の平均で株価純資産倍率(PBR=Price Book-value Ratioのことで、その企業が株式市場で評価された値段(時価総額=株価×発行済株式数)が会計上の解散価値(株主資本)の何倍であるかを表す指標)が1倍を下回っていることを見ても、総悲観が支配する株式市場では需給がすべてに優先するため、株価が解散価値を下回っているから割安という判断も意味がないことになります(極論を言えば買いたい人がいなくなれば株価は事実上無価値となる)。つまり現状のような未曾有の金融危機において投資判断を下す時には、「過去の価値と比較して安い」とか「各種指標で判断すると割安」という概念はスッパリと捨てて考えるべきなのではないでしょうか?

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為替についても私は安易な先入観は捨てるべきであると考えます。数年前までの円安トレンドはレバレッジバブルを生んだ一因でもある円キャリー取引が作り上げた虚構(=幻)に過ぎませんので、その時の価格と比べて高い安いと判断することは極めて危険であると思います。また日本のファンダメンタルズから判断して今の円高は異常であるという考え方も日本円が世界のマネーの唯一の逃避場所となっている現状では結局のところ需給には勝てません。株価が歴史的な安値を更新する現状から考えれば為替も歴史的な安値(1ドル=80円割れ)を更新しない限りはまだまだ円高とはいえないのではないかと個人的には考えています。

先週放送されたテレビ朝日系の「サンデープロジェクト」の中で、米国の金融危機の現状を取材した経済ジャーナリストの財部誠一氏がインタビューした経済アナリストの根拠なき楽観論に怒りすら覚えたと発言しておられました。私はこの米国の根拠なき楽観論の根底には強烈な成功体験がもたらす過剰な自信があるのだろうと思います。例えば過去50年の米国のGDP推移を見るとマイナス成長はほとんどなく、米国はこれまで不況らしい不況を経験してこなかったことが分かります。その意味ではバブル崩壊を経験した日本や通貨危機を経験した東南アジア諸国と比べて米国の不況対応の危うさが浮き彫りになってきます。つまりこれからは米国に対する評価についても先入観を捨てなければならないのだろうと強く感じます。

先入観を捨てなければならないのは投資法についても同じです。過去の実例や常識では正しかったことがこれからも正しいとは限りません。私は「インデックス運用を選ぶ理由と選ばない理由」や「インデックス運用が抱える自己矛盾」でも書いたとおり、未曾有の金融危機で市場が極めて非効率になっている現状でインデックス運用を選ぶことはデメリットが大きいと感じています。また先に述べたような米国経済への不安や基軸通貨としての米ドルへの不安を考えれば極端な米国偏重となってしまう世界経済ポートフォリオ運用への疑問も持たざるを得ません。さらにいうならば世界経済が日本の失われた10年以上のデフレに陥る危険性を考えれば、このような状況で投資を行うこと自体が間違いであるという判断も否定できません(デフレでは現金保有がもっとも有利となるため)。そういう意味では先入観を捨ててどのような投資法でも頭から否定せず、投資法の分散を進めることが私たち個人投資家にとってますます重要になってくるように感じています。



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