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続・マネックス債は本当に安全か?

kage

2008/11/09 (Sun)

マネックス債は本当に安全か?において社債と銀行預金のリスクを比較するとお互いの間には超えようにも絶対に超えられない高い壁が存在することに触れました。そして投資の世界では「リターンは取ったリスクの対価である」が原則であり、利回りの差はリスクの差ということになるので、一見して有利に見えるマネックス債の利回りも実際にはリスクの大きさを示しているに過ぎないと書きました。その上で個人的には今回のマネックス債の利率では購入者が負うリスクと釣り合いが取れていないと感じるとも書きました。しかし正直なところ私は債券投資への関心が薄く、債券への直接投資も行ったことがありませんので、客観的に考えてこの判断が本当に正しいのかどうかには自信が持てませんでした。いくら自分の意見を自由に述べることができるブログであってもそれでは無責任であると考えてその後もいろいろと情報収集を続けていたのですが、その結果やはり今回のマネックス債の購入は見送るべきであろうという結論に達しました。この解答に至る重要なアドバイスは皮肉にもマネックスの中にあったのです。

その重要なアドバイスとはマネックス・ユニバーシティの代表取締役社長である内藤忍氏がマネックスラウンジの中で連載しているコラム・資産設計への道で2008年9月12日に書かれた「どうする?利回り3.22%のサムライ債と14.38%のトルコリラ債」にありました。このコラムでは極めて魅力的に見える高利回りの債券への投資をどう判断すべきかについて書かれていたのですが、今回のマネックス債に関しても重要な示唆が含まれていると感じましたので下記にその一部を引用させていただきたいと思います。

債券投資で取るべきリスクは何か?

このようにどちらも割高な商品というわけではないようですが、債券だからといってリスクが無いわけではもちろんありません。リスクの無いところにリターンはない、というのが金融の鉄則です。

問題はそれぞれの商品が持つリスクがそれを購入する個人投資家にとって取るべきものなのか、という判断です。

ここからは私の個人的な見解になりますが、拙書「【新版】資産設計塾」75ページで書いているように、「信用リスクは債券では取らない」というのが、基本的な考えです。債券の場合、満期まで発行体が破綻しなくても、戻ってくるのは元本と金利だけです。株式のようにキャピタルゲインはありません。逆に万が一のことがあれば元本の一部あるいは全部が戻ってこない可能性もあるわけです。

このような商品において信用リスクを取っても、利益は限定されており、損失は(可能性は低いですが)発生すると大きなものになります。つまり債券とはアップサイドが限定された商品であり、信用リスクの小さい(つまり格付の高い)商品を選択すべきと思います。

為替リスクに関しては、資産全体の中で外貨建て資産をどの程度まで保有し、それをどの通貨に分散させるのかを考えるべきです。外貨資産比率を決め、その中でトルコリラに何%くらいの配分にするかを決めていくのです。

債券投資はリスクよりも表面金利の数字だけに注目して投資判断してしまう人が多いのですが、
1.どんなリスクがあり
2.それがリターンに見合ったものなのかを確認し
3.自分にとって取る事のできるリスクかどうかを判断してから投資しましょう。

今回の話のまとめ---------
■信用リスクは債券では取らないのが「資産設計」の考え方
■債券の金利が高いということは、それに対応するリスクがある
■リスクの無いところにリターンなし、リターンあるところにリスクあり

ではまた来週・・・。

(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公式な見解ではありません。)


以上の内容を読んで私がやはり今回のマネックス債の購入は見送るべきであろうという結論に達した最大の理由は信用リスクは債券では取らないという内藤氏の投資方針です。もちろん債券運用でもハイ・イールド債のように積極的に信用リスクを取りに行ってハイリターンを求めるやり方もあります。しかし多くの個人投資家がマネックス債に求めるのはそのような運用方針ではないはずです。そして金融危機の嵐が一向に治まる気配を見せない現状においてマネックスに信用リスクはあるのかないのかと問われれば、私はあると答えます。例えばまったくの私見ながら具体的なシナリオとして、米自動車業界最大手のGMが破綻し信用不安が再燃してシティグループの経営にも暗雲が立ちこめると、シティ傘下の日興コーディアルが発行株式の1/4超を保有しているマネックスにも信用不安が飛び火する可能性が考えられます。このように私のような個人投資家でも容易に想像できるような信用リスクが存在する以上、例えその確率が低いとしても投資対象としては不適格であると私は判断します。

今回、締め切り間際になって「資産防衛!どうやって大切なお金を守リ、増やす?」を公開してマネックス債の販促に乗り出した事態を深読みすると、思うように売れていないという状況が想像できます。これは多くの個人投資家が金融危機の直撃を受けて資金的な余裕がなくなっていることもあるでしょうが、今回の金融危機では何が起こるか分からないことを身をもって知ったため債券といえどもリスクのある金融商品に投資をすることに極めて慎重になっていることも原因の一つであると考えられます。つまり客観的な事実としてマネックスは個人投資家から短期資金を借り入れることが難しくなっているということになります。もしそうであれば機関投資家や金融機関からの調達も難しくなると考えるのが自然であり、この観点からも今回のマネックス債の購入は見送るべきとの結論に達します。

私のようにマネックスに対する思い入れが深いマネックスファンの方はたくさんおられると思いますが、その思い入れで自分の資産を無用なリスクにさらすことはとても合理的とはいえませんので、ぜひ冷静かつ客観的な判断を下されるようお願いいたします。



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