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マネックス債は本当に安全か?

kage

2008/11/06 (Thu)

以前にも何度か書いたように、私が投資の世界に足を踏み入れた時に最初に口座を開設した証券会社がマネックス証券であり、今でもマネックス・ファンを自認するほど思い入れが深いのは事実です。しかし本日サイトに掲載されたマネックス債の販促ページ「資産防衛!どうやって大切なお金を守リ、増やす?」を見て大いに違和感を覚えたため、あえてツッコミを入れてみたいと思います。

マネックス債は償還まで3カ月という短期金融商品であるため、銀行の定期預金を比較対象にする顧客が多いのは事実であろうと思います。ですから販促ページで定期預金との比較をするのは一向に構わないのですが、安全性という観点では定期預金と社債は例えるなら同じ空を飛ぶ小動物でもスズメ(鳥類)とコウモリ(哺乳類)ほどの超えようにも超えられない大きな差がありますので、その事実は明確かつ分かりやすく表記すべきであると考えます。

特に今は100年に一度とも表現される未曾有の金融危機のまっただ中にありますので、説明を読んだ顧客が不安になるくらいにリスクの説明を徹底するのが企業の良心であると私は考えます。例えば上記ページに「債券は発行会社が償還まで破綻等しない限り、償還時には額面金額が戻ってくる商品です」という表現がありますが、これを「債券は発行会社が破綻した場合、最悪の場合額面全額を失う恐れのある商品です」に変えて欲しいくらいです。また「これまでも多くの方にご利用いただいております」という表現も気になります。このフレーズは他人の動向を気にする日本人には効果的なキャッチコピーではあると思いますが、以前と今回では投資環境が天と地ほどに違いますので、過去の利用者の多さは今回の商品の安全性とは一切関係ありません。ですからこれは「過去の利用者が多いから今回も安心」という誤解を招きかねない表現であると思います。

さらに詳細な商品概要には「同じ期間の銀行預金との商品比較」として比較表を載せていますが、公正を期すならここに下記のようなリスクの比較も加えるべきであると考えます。

元本保証
マネックス債=なし(中途解約などで元本割れの可能性あり)
銀行の定期預金=あり(中途解約でも元本は保証される)

信用リスク
マネックス債=マネックスが破綻した場合、最悪の場合額面全額を失う。
銀行の定期預金=銀行が破綻してもペイオフ制度により1,000万円まで保護される。

また同ページの銘柄概要にはマネックス債の格付けが BBB+であることが記載されています。一般的にBBB以上の格付けがあれば投資適格債と判断されますので信用度自体に問題はないのですが、それでも投資適格債の中では最下層に位置していることもまた事実です。つまり何かあれば投資不適格に転落する可能性もゼロではないと認識しておくべきです。

投資の世界では「リターンは取ったリスクの対価である」ことが常識です。つまりマネックス債と銀行預金の利率の差は単純にハイリスク・ハイリターンかローリスク・ローリターンかの差でしかありません。ですから私はことさらにマネックス債の利率の有利さをアピールするような販促の仕方に違和感を覚えるのです。

今回の未曾有の金融危機では従来の常識では考えられないような出来事が次々に起こりました。リーマンブラザーズの破綻で社債がデフォルト(債務不履行)に陥り、機関投資家だけでなく多くの個人投資も多大な損害を被りました。また極めて安全な金融商品であるはずのMMFも一部で元本割れを起こしました。このような大混乱を巻き起こした金融危機はまだ終わったわけではありませんので、私の独断と偏見では今回のマネックス債はもっと利率が高くなければ顧客が負うリスクとバランスが取れないと感じています。このようなネガティブな記事でいたずらに皆さんの不安を煽りたくはないのですが、先にも述べたとおり預金と違って社債には公的な保護が一切ありませんので、申し込みをする前に金融危機の嵐が続く中で果たして本当に自分が負えるリスクであるのかどうかをもう一度冷静に判断していただきたいと思います。



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この記事へのコメント

kage

こんばんわ。

マネックス債の御説明、ありがとうございます。

私は、元本の保証はないのかあ~くらいしかわからなくて、気にはしていたんですが今回は見送ることにしていました。

おやじダンサーさんの記事を読んで、倒産リスクもあるのを初めて知りました。

やはり、よくわからない時は控えておいた方がよさそうです。

Posted at 00:49:56 2008/11/07 by まくせる2

この記事へのコメント

kage

まくせる2さん

コメントありがとうございます。

以前テレビで「グロソブ」を保有している高齢者へのインタビューを見ましたが、海外株式に投資していると勘違いしている人や分配金を利息と誤解している人など、中身をよく理解しないで購入している例が少なくないことに驚きました。これは売り方の問題ももちろんあるでしょうが、自己責任が原則の投資の世界においては最終的には消費者が賢くなって自己防衛に努めるしか対策はないように感じました。特にリスクが高い商品に関しては「うまく行けばこうなる」よりも「最悪の場合こうなる」を理解しておくことの方が重要であると感じています。

Posted at 07:55:16 2008/11/07 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

マネも

マネックスも創業当初に比べ理念が後退しましたね。メルマガの作り方一つとってもよくわかります。やっぱり金の世界できれい事を言うのは無理があるのでしょう。

Posted at 09:34:12 2008/11/11 by mo

この記事へのコメント

kage

moさん

コメントありがとうございます。

昨年出席した株主総会で松本社長が「マネックスでは真に顧客のためになる商品しか取り扱わない」と発言され頼もしく思ったのですが、未曾有の金融危機の中では背に腹は代えられず販売重視となったのでしょう。生き残るために仕方ないとはいえ、昔からのファンにとっては寂しいことですね。

Posted at 00:08:58 2008/11/12 by おやじダンサー

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kage


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