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無責任な為替介入論

kage

2008/11/06 (Thu)

お昼休みにロイターのニュースをチェックしていたところ、日本を代表する企業のトップとして適切ではないと思われる発言が目に止まりましたのでご紹介しておきます。

急激な為替変動好ましくない、政府は為替介入すべき=福井ホンダ社長

東京 6日 ロイター:ホンダの福井威夫社長は6日の新車発表会後、記者団に対し、急激な為替変動は好ましくなく、安定化のために日本政府は為替介入をすべき、と述べた。


ホンダのように海外販売比率が高い会社にとって急激な円高の進行が業績に大打撃を与えるという構図は私にも十分に理解できます。しかし同じような条件でパナソニックや任天堂は利益を伸ばしているのですから業績悪化を円高のせいにするのは自らの経営能力の低さをアピールすることにもなりかねません。

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ましてや日本を代表する企業のトップが政府の為替介入に助けを求めようとする姿勢に私は違和感を覚えずにはいられません。FXで大量の円売りポジションを抱えて政府の為替介入という神風を待っている個人投資家とは根本的に立場が違うことを福井社長には深く認識していただきたいものです。

さらにこの発言が大問題だと感じるのは、以前こちらのエントリーで触れたように日本の為替介入は借金したお金で行われるという背景があることです。つまり政府に為替介入せよと発言することは国民に借金させて自分の会社を助けよと発言しているに等しいのです。大企業の社長を務める方ならこのあたりの仕組みは十分理解されていると思いますので、自社さえ助かれば国民はどうなっても良いとお考えなのかと勘ぐりたくもなります。

そもそもかつて大規模に行われた円売りドル買いの為替介入も現在ではほとんど効果はなかったという認識が一般的です。借金して大量に買ったドル資産は今でも米国債として政府が保有していますが福井社長はこの上さらに米国債一点買いという極めてリスクの高いポジションを膨らませろとおっしゃるのでしょうか?

以上のような観点から私は単純な円売りドル買いという従来型の為替介入には大反対です。唯一やって良いと思うのは主要国の中央銀行と協調して円売りその他通貨買いを実施することです。もはや一国が一つの通貨ペアで介入を行ってもまったく意味がないことを福井社長のような偉い人がもし理解していないのであれば悲しいことですね。

【追記】

その後、ロイターの記事が更新され福井社長の発言の詳細が明らかになりました。

福井社長は「中長期的にはドル100円は想定内で、需要があるところで生産して輸出はなるべく抑える方向でやっている。しかしあっと言う間に90円になるなど、これだけ動いたらビジネスをやっていられない」と述べた。その上で「政府は何らかのアクションを取らないといけない。為替の協調介入など、当然やるべきだ」と語った。(ロイターより)


これを見ると福井社長が想定しているのは日本の単独介入ではなく、世界各国と連携した協調介入のようですね。しかし為替の現状は「超絶円高+米ドル高」であり、自国通貨に対して米ドルが下がって困っているのは世界広しといえども日本だけですから、ここで米ドル買い介入などやろうものならそれこそ「日本は自国の利益しか考えていないのか!」と世界中から非難を浴びるのは必至です。そもそも現時点で世界最強通貨に君臨している日本円は他のすべての通貨に対して強い状況ですの米ドル相手に介入を行ってもほとんど効果はないものと思われます。ですから私は企業経営者として今考えるべきことは日本円建ての売り上げを増やすこと(=国内販売の強化)か、付加価値の高い商品開発で為替差損を吹き飛ばすことだろうと思います。



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