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ソニーの凋落

kage

2008/11/04 (Tue)

今回のエントリーは本来なら別館に立てるべき内容ですが、最近はあちらも株の話題ばかりでお互いの棲み分けが曖昧になっていますので、久しぶりにこちらでソニーネタを語ってみたいと思います。

電機業界における最近の大きな話題といえばパナソニックが三洋電機の買収に動いたことですが、その決断の最大の理由といわれているのが三洋が世界トップシェアーを握るリチウムイオン電池事業の獲得です。実はリチウムイオン電池の実用化にはソニーも大きな役割を果たしており、現在も市場では大きなシェアを握っているのですが、下記の報道にあるとおりまた重大な製品事故を起こしてしまいました。この一例からも最近のパナソニックとソニーの明と暗がハッキリと現れているように感じます。

「PC電池発火」ソニーまた回収

ソニーは31日、ノート型パソコン向けの同社製リチウムイオン充電池で、発煙や発火を含む40件の異常発熱事故が海外で起きたと発表した。欧米で4人が軽いやけどを負った。ソニー製の電池を使ったパソコンメーカー5社が10万個を回収する。国内では事故の報告例はなく回収対象は約2000台。回収するのは、米ヒューレット・パッカード(HP)、東芝、米デル、中国レノボ、台湾エイサーが製造したパソコンで、国内では東芝の9機種とHPの7機種。



問題の電池は04年10月-05年6月に国内で製造。製造ラインの調整時期と重なることから、ソニーは「ラインの調整が一部製品の品質に影響したようだ」として原因を調査している。ソニーは06年にも、今回とは別のタイプで異常発熱事故が発生、960万個を回収した。ソニー製は2-3年前のほぼ同時期に、異常発熱事故につながる原因をまいていたことになる。

リチウムイオン充電池は三洋電機をはじめ日本メーカーが世界シェア上位に並ぶが、韓国サムスン系企業なども猛追している。リチウムイオン電池を成長事業と位置づけるソニーは、製品の信頼性向上に向けて、原因究明や製造管理手法の改善が厳しく問われそうだ。(フジサンケイ・ビジネスアイより)


2006年の製品事故の際には別館に「ソニーのものづくりを憂う」というエントリーを立てましたが、その時にも書いたように家電メーカーが発火のような人体に直接危害を及ぼす事故を起こすことは絶対にあってはなりません。これは食品メーカーが毒物混入事故を起こすことと同等か、それ以上の大問題であるといえます。それがまた同じ失敗を繰り返すとは、かつて創業者の井深氏と盛田氏が多大な努力をして築き上げた「技術のソニー」という看板が泣いているようで、古くからのソニーファンとしては寂しい限りです。

しかしこの状況をパナソニック側から見ればリチウムイオン電池事業で一気に寡占状態を築く絶好のチャンスであることは間違いありません。未曾有の金融危機で三洋電機の株価が下がって買収しやすくなったことも含めて、パナソニックにとって今はすべての状況が上手く回っているように思えます。もちろんこの状況は運だけではなく、先日発表された中間決算でもパナソニックは株価暴落と超絶円高の環境下でも過去最高益を更新しており、企業努力も並大抵のものではなかったと推察されます。この金融危機はソニーにもまったく同じ条件で襲いかかっているのですから、ソニーは大幅下方修正の本当の理由は自分自身にあったことを深く認識すべきです。

ものごとが上手く回り始めるとドンドン良いことが起きるが、逆に一度歯車が狂うと次々に悪いことが襲ってくる、という状況は長い人生で誰もが経験することです。本日はその象徴的な出来事として音楽プロディーサー・小室哲哉氏が詐欺容疑で逮捕されるというニュースもありました。これらの人生の大きな波の中には本人の才能や努力とは関係のない不思議な巡り合わせというものもあります。今回パナソニックとソニーとの間で私が強くそれを感じたのがゴルフの世界でプロとしてのツアー初優勝を果たした石川遼選手の存在です。ご存じのとおり石川選手がプロに転向する際に選んだスポンサーがパナソニックであり、これもすべてが上手く回っている好例といえます。これに対してソニーがスポンサーになっているプロゴルファーといえば最近ではソニー製品のCMにも出ている上田桃子選手が有名ですが、石川選手よりずっと前に大枚をはたいて世界的に話題をさらったアマチュア選手とプロ契約を果たしたことを覚えておられるでしょうか?その選手とは米女子プロゴルファーのミシェル・ウィー選手なのですが、故障もあり最近ではすっかり表舞台から遠ざかっています。このあたりにもパナソニックとソニーの明暗を分ける運命的なものを感じています。もしこのままソニーの凋落が続けばさらに「悪いときには悪いことが重なる」が深刻化し、これまた大枚をはたいて公式スポンサー権を獲得したサッカーワールドカップ・2010年南アフリカ大会にも何か一波乱あるのではないかと余計な心配までしなくてはならなくなりますので、全世界のサッカーファンのためにもソニーにはぜひ華麗な復活を遂げて欲しいものですね。



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