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バフェットを妄信するな

kage

2008/10/21 (Tue)

先週末の定時報告でご紹介した米著名投資家バフェット氏の「私は米国株を買っている」発言は世界中の投資家に一種のアジテーション(扇動)効果を生んだようで、世界の株式市場は目先反転の動きを見せています。ところが本日、中国投資に関する情報収集には欠かせないサイトのひとつである「Searchina」をチェックしていたところ、「バフェットを妄信するな」と題する記事が目に止まりました。その内容は私たち個人投資家にとって示唆に富んだものでしたので、ご参考までにご紹介いたします。

「バフェットを妄信するな」、中国メディアが投資家に警告

BYDへの出資及びBYD株の高騰以来、中国の投資家の間で「株の神様」ウォーレン・バフェット氏への「信仰」が過剰なほど高まっている。インターネットでファイナンス情報を配信している中金在線は、「同氏の手法の模倣を望む一般投資家は多いが、『おこぼれ』に預かれるかどうか断言は難しい」と指摘、バフェット過剰報道に対して一石を投じた。

中金在線は今日早報の報道を引用して、「周囲が弱気の時に強気の投資を」という「バフェット手法」で稼げる、という妄信は避けるべきだが、投資の理念や国際市場に対する観点は学ぶ価値がある、とした。留意点は三点。

1.米国の株式市場が必ずしもA株に影響するとは限らない。両者の市場マインドも別物であり、切り離して考える必要がある。

2.中国と米国では経済構造が異なる。米国での投資方法が中国で通用するとは限らない。

3.投資家は自身の判断基準をもって投資を行うべき。バフェット氏や香港の李嘉誠氏の猿真似では無理がたたるのは当然のこと、投資家自身のそれぞれの環境に基づいて独自の判断を下すべき。(Searchinaより)


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「バフェット氏の投資の理念や国際市場に対する観点は学ぶ価値があるが、その手法を模倣しようとしても上手くいくかどうかは分からない」というこの記事の主旨は大変的確な指摘であると思います。バフェット氏の行動を拡大解釈して上海A株にも通用すると考えるのは大変危険ですし、バフェット氏が過去に素晴らしい実績を残してきたからといって今回の判断が人生最大の失敗となる可能性が消えるわけではありません。あるいはもし今回バフェット氏の言葉を信じて成功したとしても、彼の言葉を妄信し続けている限り自分自身の投資能力の向上は望めませんし、将来バフェット氏が重大な判断ミスを犯した場合には一蓮托生の運命となってしまいます。

それ以前にそもそも私たち個人投資家がバフェット氏の投資手法を真似ようとしてもさまざまな条件の違いから不可能であるという現実があります。このことについては同じ「Searchina」の下記の記事が参考になります。

バフェット氏の「底値買い」は失敗か?-中国紙分析

全世界を襲った金融危機で、株式市場は「瀕死」状態。「株の神様」バフェット氏も例外なく被害に遭った。同氏のバークシャー・ハサウェイ社の株価は18%下落し、自身の資産も100億ドル(約1兆円)目減りした。

先日、ゴールドマン・サックス(GS)に50億ドル(約5000億円)投資したことで「泣きっ面に蜂」とばかりに、投資家たちの「失笑」を買っている、とも指摘されることがあるが、同氏の投資動向を分析すると、最も合理的といえる投資の「近道」が見えてきた、という。広東省の羊城晩報は、その極意は四つと指摘する。

1.底値買いを追及しない。短期的な投資収益にとらわれず、投資する価値を見出せたら即買い入れる。

2.GSなどへの投資は、単純な底値買いではなく、戦略的な投資であることを理解する。

3.優先的配当以外に、新株引受権を所有しておく。

4.「底値買い」は総資金の10%以内に抑えること。底値買いでの損失の影響を最小限にとどめる。

羊城晩報では、同氏が以上4点で、リスクを最小限に抑え、新株引受権などの「伝家の宝刀」を残し、最大限のリターンを得る機会をうかがっていると予想している。(Searchinaより)


ご承知のとおりバフェット氏は世界でトップの大富豪です。その投資手法を私たちが真似ようとするとどうしても無理が生じます。

1.は先週末の定時報告にも書いたバフェット氏特有の投資手法である「金持ち喧嘩せず」スタイル(=天井売らず底買わず)を表しており、さらなる暴落が来ても余裕で買い下がることができ、なおかつ長期で保有することができる限られた投資家にのみ実践できる投資法といえます。

2.は「バフェット氏が買ったからもうGSは大丈夫だ」と市場に判断させることができる影響力の大きい投資家にのみ可能な投資法です。

3.は機関投資家と個人投資家の差を示す好例で、私たちが優先株や新株引受権を手にすることは容易ではありません。

4.も1.に近い観点で、そもそもここから新たに総資産の10%を市場に投入できる個人投資家がどのくらいいるかということです。

こうして見るとやはりバフェット氏の言葉からは投資の理念や国際市場に対する観点を学ぶに止めて、投資のタイミングを判断する参考にはしない方が身のためだと思えてきますね。



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