2020 03 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2020 05

実例から学ぶリスク管理の重要性

kage

2008/09/17 (Wed)

現状が歴史的な金融危機であればこそリーマンの破綻やAIGの経営危機など通常では考えられないような事態が起こっています。ハイリスク投機家の私が言うのも何なのですが、今こそリスク管理の大切さを学ぶ好機であると感じます。例えば今朝配信された日経新聞の下記のニュースを読めば社債は発行元の企業が破綻すれば無価値になるという現実を再認識させられます。

リーマンの円建て外債、1950億円債務不履行へ 過去最大級

米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが米連邦破産法11条の適用を申請したことで、同社が発行している円建て外債(サムライ債)は債務不履行(デフォルト)になる見通しとなった。発行残高は合計1950億円で、2002年のアルゼンチン債(1915億円)の債務不履行を上回り、過去最大級とみられる。リーマン債は償還期限が今年12月の250億円など計5本。保有者は地方銀行を中心に、大手銀や証券会社といった金融機関(機関投資家)が大半という。 (日本経済新聞より)


<<ブログランキング参加中>> にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ 人気ブログランキング FC2ブログランキング
円建て外債(サムライ債)といえば少し前に米シティが年利3.22%という破格の条件で個人向けサムライ債を募集することが話題になりましたが、一般的に「高い利率=条件を良くしなければ貸し手が現れない=信用力が低い」という発想になりますので、破格の条件だけを見て安易に飛びつかないように注意が必要です。かつて大手スーパー・マイカルの破綻時にも格付けを信じて高利回りの社債を購入した多くの投資家が大損害を被りました。現実問題として私たち個人投資家が知り得る企業の経営情報には限界がありますが、「うまい話には裏がある」とまず疑ってみることも必要なのではないでしょうか?

またこちらのエントリーでもご紹介したアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の経営危機問題も個人のリスク管理を学ぶ教材となります。もしAIGが経営破綻してAIGの日本法人も連鎖破綻となった場合、保険サービスがどうなるのか誰もが気になるところです。これに関しては下記記事が参考になります。

金融庁保険課によると、保険会社が破たんした場合、この制度により破たん時は保険契約の9割まで保証される。ただ、他の保険会社と再契約した後は、利回りが下がって元金の増やし方が減ることで支払いが9割を下回る可能性はあるという。(J-CASTニュースより)


ここで注意すべきは、保険契約の9割まで保証されるのは保険会社が破綻して事業が継続されない場合であることです。もし他の保険会社が事業を引き継げば上記記事にあるとおり9割を割り込む可能性があります。AIGグループが事業を引き継いだ千代田生命や東邦生命の事例がまさにこれに該当し、言い方は悪いですが因果応報という印象を持ちます。

信用第一の保険会社にとっては経営状態に不安を持たれることは由々しき問題であり、信用不安で解約者が続出し経営状態がますます悪化するというネガティブ・スパイラルに陥ってしまいます。読売新聞の報道によると現実にシンガポールでは解約が殺到しているそうです。

AIGの子会社で、シンガポールにあるAIAシンガポールには16日に、保険契約の解約を求める顧客が詰めかけた。シンガポール通貨監督庁(MAS)はホームページ上で「AIAは保険契約者の信頼に見合うだけの十分な資産がある」と冷静な対応を呼びかけているが、AIAのサービスセンターには、開店前から契約者の列ができ、6時間以上かかって手続きをする人もいた。(読売新聞より)


これはあくまでも私個人の意見ですが、安心を買う保険であえてリスク(=保険会社の信用問題)を負う必要はないと考えます。無用な不安をあおる意図はないのですが、AIGグループのサービスを受けている方に残された決断の猶予は短いかも知れませんので、ここはよく考えて決断されることをおすすめします。

米AIG、17日にも破産法適用申請の可能性=NYT

16日 ロイター:ニューヨーク・タイムズ紙は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が資金調達のメドがつかなければ17日にも破産法適用を申請する可能性があると報じた。


追記:その後また新たな情報が出ました。これは破綻懸念企業を一時国営化する日本のりそな救済に近いやり方ですね。これが実現すればAIGが救われる可能性が高まることは確実です。

米FRB、AIGに約850億ドルつなぎ融資し株式を約80%を取得へ=関係筋

16日 ロイター:関係筋によると、米連邦準備理事会(FRB)は、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対し約850億ドルのつなぎ融資を実施し、株式を約80%取得する方針。


追追記:FRBによるAIG救済策が正式に発表されました。これでAIGの経営破綻という最悪のシナリオはとりあえず回避されました。

米FRBがAIGに最大約9兆円融資へ、政府が株式79.9%取得

ワシントン 16日 ロイター:米連邦準備理事会(FRB)は16日声明を発表し、ニューヨーク連銀が保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大850億ドルの有担保融資を実施すると表明した。FRBは、世界経済に悪影響を及ぼす可能性のあるAIGの「無秩序な破たん」を回避することが狙いと説明している。融資期間は2年。政府はAIG株の79.9%を受け取るほか、普通・優先株への配当支払いを拒否する権限を持つ。AIGへの融資は、米財務省の全面的な支持を得ているという。

FRBは声明で「金融市場はすでにかなりぜい弱であり、現在の状況でAIGの無秩序な破たんが起きれば、さらにぜい弱性が増し、借り入れコストの大幅な上昇、家計資産の減少、景気の大幅な悪化を招く恐れがある」と表明した。融資はAIGの全資産が担保になる。AIGは、今回の融資を受け、秩序だった方法で資産の売却を進めることが可能になる。同社は、資産の売却益で、FRBに資金を返済するとみられる。

ポールソン米財務長官も同日声明を発表し、「市場の安定と秩序を確実にし、わが国経済の混乱を最小限に抑えるため、FRB、証券取引委員会(SEC)など監督機関と密接に協力して行く」と表明した。


これで日本のAIGグループも安泰かといえば、私はそう簡単にはいかないと思っています。上記記事にもあるとおりAIGは資産の売却益でFRBに資金を返済することになりますのでグループ全体で大胆なリストラが行われることが容易に想像できます。従って日本法人のビジネスがいきなり他社に売却されるといった事態も想定しておく必要があるように思います。またこれからのAIGにとってはFRBへの返済が最優先となると考えられますので、顧客の利益が後回しにされる懸念もあります。



関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック