2020 02 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2020 04

快走を続けるグロソブを待ち受ける落とし穴

kage

2008/07/02 (Wed)

世界の株式市場はいよいよインフレの底なし沼に足を踏み入れた感がありますが、本日のロイターの報道によると預かり資産5兆円超を誇る投資信託界のガリバー「グロソブ」の快走は依然として続いているようです。これは現在のような世界的な金融危機における相対的な債券の優位性と円に対して強いユーロ建資産を多く組み入れている効果も大きいと思いますが、それでも83カ月連続首位という実績は尋常ではありません。しかし私は大胆にも来年になるとこの資金の流れは一気に逆転を始めるのではないかと勝手に妄想しています。

6月投信資金動向、純資産総額で「グロソブ」83カ月連続首位=リッパー

東京 2日 ロイター:投信情報サービス会社のリッパーによると、6月の投信純資産総額トップ(ETFを除く)は、6年11カ月(83カ月)連続で国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算)」となった。純資産総額は、前月比1009億8100万円増の5兆6317億7400万円。同データは純資産総額10億円以上、運用期間3年以上のファンドを対象としたもの。


<<ブログランキング参加中>> にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ 人気ブログランキング FC2ブログランキング
このような妄想に至った最大の要因は当ブログでも何度かご紹介している証券税制の改正にあります。ご承知のとおり来年から証券優遇税制は廃止となり、税率は本則の20%に戻ります。しかしいきなり税率が2倍となると何かと影響が大きいため、暫定措置として来年(2009年)と再来年(2010年)に限って条件付きで10%の優遇税率が存続されます。その条件とは「上場株式等の譲渡所得は年間500万円まで」と「配当所得は年間100万円まで」で、確定申告不要の特定口座における取引でこの範囲に入っていれば税金はこれまでどおり10%の源泉徴収で確定申告は不要となります。つまり投資信託の分配金は配当所得ですから、グロソブのような毎月分配投信をたくさん保有していて毎月平均83,334円以上の分配(ただし所得とならない特別分配金は除く)を受けている人は優遇の上限を超えるため、上限を超えた所得に対する税率アップ(20%が適用)と確定申告の義務が生じることとなります。

そこでもし私が金融機関の投資信託販売担当者だったら、次のような販売戦略を考えます。まずリタイア世代の顧客の中から年間の分配金の合計が上限を超えそうな人をリストアップします。そして該当する顧客に対して次のようなセールストークを使います。

「お客様のケースですと分配金の合計が優遇枠の上限を超えて税率アップ同時に面倒な確定申告の手続きが必要となるおそれがございます。確定申告を行うと国民健康保険料や介護保険料に影響を及ぼしますし(実際これがバカにならない)、扶養家族となっておられる方は所得の額によって扶養を外れる恐れもございますので(扶養家族の人にとっては死活問題)、2009年と2010年に限っては分配金の少ない投資信託へのお乗り換えをご検討されてはいかがでしょうか?毎月の分配金がなくなっても資金がご入用の際には私にお電話いただければ即刻必要な分だけ解約の手続きを取らせていただきますのでご心配には及びません。なお解約による所得は500万円の枠の方に入りますので上限に余裕がございます。」

このセールストークの素晴らしい点は嘘やごまかしが一切なく、優遇枠の上限を超えそうな顧客のためには的確なアドバイスとなっている点です。これで上手く販売手数料のある投資信託に乗り換えてもらえれば手数料稼ぎになりますし、もしノーロードの投信に乗り換えられたとしてもこのように顧客とのコミュニケーションを取っておくこと(もっとあからさまに言えば恩を売っておくこと)は金融機関にとって決して無駄にはならないはずです。さらにこの販売戦略のおいしいところは2011年になって暫定措置がなくなれば再度毎月分配型投信への乗り換えを勧められることで、まさに「一粒で二度おいしい」戦略といえるのではないでしょうか?

かくして年内は一生懸命「グロソブ」のような毎月分配型投資信託を売って、年が明けたら手のひらを返すように乗り換えを勧めるという販売戦略が浸透し、2009年は毎月分配型投信が金融機関の草刈り場と化すと予想します。果たして私のこの妄想が現実のものとなるかどうか、乞うご期待です。



関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック