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経済産業省の北畑次官が原油高に憤慨

kage

2008/06/09 (Mon)

約4ヵ月前にこちらのエントリーでご紹介した「デイトレーダーはバカで無責任」と講演で発言して物議を醸した経済産業省の北畑隆生事務次官が、今度は原油高の元凶としてゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーを名指しで批判したそうです。

原油高に怒りもピーク=米投資家を名指しで非難-経産次官

「怒りに近いものを感じる。何でも、もうければいいというマネー経済、ウオールストリート資本主義の悪い面が出ている」-。経済産業省の北畑隆生事務次官は9日の記者会見で、1バレル=140ドル目前に達して天井知らずの原油高騰に怒りを爆発させた。同次官は、米機関投資家のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが原油高は今後も続くと予測したリポートを公表後、原油が急騰したと名指しで非難。「片方で投資をしておいて(取引に)有利な情報を流す。(市場の価格が)しかるべき水準に収れんするメカニズムが機能していない」と不満を述べた。その上で「どんなことがあってもファンダメンタルズ(基礎的条件に基づく価格水準)は60ドルだと言い続ける」として、同水準が適正価格だと強調した。(時事通信より)


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「外資系証券が自分に都合の良いレポートを出す」というのは私たち個人投資家の間で良く聞かれる都市伝説のひとつですが、本当にそれをやるとインサイダー取引として罰せられます。不正防止のために自己運用部門と調査部門が明確に分離されているのは日米に関係なく同じはずです。ですから一見無関係のヘッジファンドと裏取引があるという筋書きならまだそれらしく聞こえますが、GSやMSのような大手が自社内でそんな危ない橋を渡るとはとても思えません。というわけで私は北畑次官のこの発言は日米の国際問題に発展しかねないと危惧しています。

また原油高はすべてマネーゲームが元凶というトーンにも私は違和感を覚えます。これは最近のテレビ報道にも顕著なのですが、一握りの投機家が原油価格を吊り上げているという説明は物事の一面しか見ていないのではないでしょうか?以下はテレビ東京系のモーニングサテライトからの請け売りですが、原油価格の押し上げ要因としては実はインデックス運用の方が大きな影響を及ぼしているそうです。ちなみにここでいうインデックス運用とは私たちにもなじみ深いコモディティETFやコモディティファンドを指します。米国の商品先物取引には投機防止のためのそれなりの制限があるそうですが、インデックス運用の方にはまったく制限がないため年金や個人投資家の資金がドンドン流れ込んでコモディティ価格を押し上げているそうです。そういう意味ではヘッジファンドなどの投機資金は短期的な値動きには大きな影響を与えるものの、長期に渡って高値を維持している要因は一般的な投資資金であるということになります。これはETFの整備などで投資の多様化が進むことは実は諸刃の剣でもあるという良い例ですね。

原油高の要因としてはその他にも新興国の経済成長を背景とした長期的な需要逼迫懸念やドル安もあります。さらに深読みをすれば米国の金融危機を救うためにはオイルマネーの援助が必要不可欠であるため、米国自身が安易に原油価格を下げる方策を執りにくいといった背景もあるのかも知れません。このように報道の常識を鵜呑みにせずに多方面から物事を見るよう努めたいものですね。

最後にいつも相場に翻弄され続けている私から北畑次官にひとつの相場格言をお贈りしたいと思います。それは市場で起きていることはすべて正しいです。現実に起こった事象を捉えて「あり得ない」とか「間違っている」と憤慨してみても無意味です。日本が誇る優秀な官僚の皆さんには口先介入ではなく、ぜひ実効性のある方策を打ち出していただきたいものです。



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