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投資信託の最適活用術

kage

2008/05/27 (Tue)

日曜日(5月25日)に東京国際フォーラムで行われたモーニングスター主催の投資セミナー「MORNINGSTAR CONFERENCE 2008」に参加して参りました。今回の参加理由は投資信託を活用して新興国投資を実践している私にとって夢のコラボレーションとも言えるモーニングスター社の朝倉氏とBRICs経済研究所の門倉氏のお話を直接聞けることに魅力を感じたためです。なお事前に案内されていたセミナーの内容は下記のとおりでした。

MORNINGSTAR CONFERENCE 2008

プログラム

第一部 特別講演
「モーニングスターが教える投資信託の最適活用術」
講演者:朝倉智也(モーニングスター株式会社 代表取締役COO)

第二部 パネルディスカッション
「新興国市場の魅力、今後の展望」
パネリスト:
門倉貴史氏(BRICs経済研究所 代表)
金子権一氏(JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 執行役員 投資信託部長)
濱口泉氏(JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社 マネジング・ディレクター 運用商品部長)
コーディネーター:
朝倉智也(モーニングスター株式会社 代表取締役COO)


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第一部の朝倉氏の講演は投資初級編といった感じでしたが、内容は盛りだくさんで大変充実していました。下記に当日のレジュメから代表的なキーワードをいくつかピックアップしてみましたが、投資に関心がある皆さんなら講演の雰囲気を感じてもらえるのではないでしょうか?なおさらに詳しい内容をお知りになりたい方には氏の著書である投資信託選びでいちばん知りたいこと投資信託選びでもっと知りたいことをお読みになることをおすすめいたします。

・資産運用は中長期の目標を持って行う
・お金の長期計画で最も恐れることはインフレである
・リターンよりリスクに注目する
・資産対象ごとにリスクは違う
・相性のいい資産クラスでポートフォリオを構築
・次に儲かる投信は予測不可能

また第二部のパネルディスカッションも盛りだくさんの内容でしたが、ここではいつものように私が印象に残った点のみを順不同でご紹介したいと思います。なおこれも毎度のことですが一部に私なりの意訳が含まれるため発言者の本意と異なる場合があることをあらかじめご承知おきください。

・資産運用では買うのは簡単だが売るタイミングが難しいと言われるが、目標に達した時に売れば良いのである。(筆者注:あらかじめ定めた目標額に到達したら運用をやめるという考え方は言われてみれば極めて合理的ですが「投資バカ」の私にはなかなか難しいように思えました)

・資産運用は考え方で結果の7-8割が決まる。ファンドの選択ではそれほど大きな差を生まない。

・儲かる商品はその反対もあり得る。ローリスク&ハイリターンはあり得ない。(筆者注:投資の世界におけるリスクとは上下の変動幅の可能性を指すものであり、儲かる可能性は損をする可能性とセットであるということです)

・100万円の投資資金が50万円に減れば運用成績はマイナス50%だが、50万円を100万円に戻そうとするとプラス100%の運用成績が必要。(筆者注:大きな損失を被ってしまったら簡単には元に戻らないのでリターンばかりに注目しないで下落リスクにも注意を払いましょうということです)

・的確なポートフォリオを提示できない販売員に相談してはいけない。

・資産運用の大きな目的のひとつがインフレヘッジ。(筆者注:高度成長時代と違ってインフレになっても給与は上がらず年金もアテにできない現状においてはインフレリスクが非常に怖いため自己責任で生活資金を防衛する必要があるということです)

・例えば国内株式、国内債券、海外株式、海外債券をそれぞれ1/4ずつのポートフォリオに新興国株式を10%加えるだけでも運用効率は明らかに高まる。

・資産運用にはタフな精神力が必要。

・ほとんどの新興国がサブプライムローン証券を買っていないし、対米輸出額も以前より減少しているため(インドやブラジルで20%程度)経済活動には大きな影響はないと思われる。ただしこれまで新興国株式市場を支えてきたのは先進国から流入する資金であったため金融市場はサブプライムローン問題による信用収縮の影響を受ける。

・現在は一時的にディカップリング論が否定された形になっているが、ディカップリングの実現は時間の問題だと思われる。その理由は新興国同士のビジネスが増えていることと、中産階級の成長で国内投資家や年金資金などによる投資環境が整いつつあること。

・どこの国がオイルマネーの受け皿となれるかに注目。イスラム金融が充実しているという点ではマレーシアやインドネシアだが最近では日本でもイスラム金融に対応したシャリアインデックス指数を開発したり日本企業もイスラム金融債(スクーク)を発行する動きが拡大しており、新興諸国にもこの動きは広がるだろう。

・原油高だから(産油国である)ロシアの石油企業株を買えば良いかというとそう簡単には行かない。ロシアの石油会社は税金が高くて実は儲かっていない。これはソ連時代の名残で国の富を国民に再分配するという発想があるため。これにより国民の購買力が高まっているので内需株が有望となる。(筆者注:だから運用はプロに任せてくださいと言いたかったようですね)

・新興国債券の魅力は「高い利回り」「格付けの上昇」「通貨の上昇」である。かつて日本が高度成長を続けた際には為替はひたすら円高に向かった。同じことが新興国にも期待できる。(筆者注:新興国債券に効率的に分散投資を行おうとすると投資信託を選択することがもっとも合理的なので積極的に活用してくださいと言いたかったようですね)

具体的にこれから有望な国について、人口が巨大で今後も増加していくインドやブラジル、資源国であるロシアやブラジルなどの名前が挙がっていましたが、私自身は「21世紀はアジアの時代」と信じて引き続きアジア重視の投資を継続するつもりです。また新興国投資の魅力については基本的に異議はないのですが、以前にも書いたように中国とインドだけでも世界人口の1/4にもなる新消費層が一斉に豊かになっていくという人類がいまだかつて経験したことがない出来事が起こった際に、果たして世界経済がシステム的に耐えられるのかどうかについて大いに不安を感じています。このため新興国についてはこれからも自己責任で短中期投資を織り交ぜながら対応していくつもりです。



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