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忍び寄る食糧危機

kage

2008/04/17 (Thu)

今回のタイトルは本日放送されたNHKの「クローズアップ現代」からいただきました。以前私はそれでも経済成長は続くのかと題するエントリーの中で「これから私たちが直面するであろう食糧不足・資源枯渇・環境破壊などの問題は、全世界が協力して立ち向かわなければならない難局であることは誰もが分かっていることだと思います。そしてこれらの問題のどれを取ってもサブプライムローンなど足元にも及ばない大問題であることも皆さんは十分に認識されていることと思います」と書きましたが、食糧不足の問題は早くも危機レベルに達して経済成長を脅かし始めているようです。

忍び寄る“食糧危機”

人口増加やバイオ燃料の需要増、投機マネーの流入で穀物価格の高騰が続く中、コメや小麦の輸出を制限する国が出始めた。世界第2位のコメ輸出国ベトナムでは、政府が6月まで新たなコメの輸出契約の凍結を指示。その結果、ベトナムのコメに頼っているフィリピンで流通業者が米を買い占め価格が高騰、貧困地域には軍が政府米を供給する事態になった。穀物の輸出規制が世界各地で進む中、食料自給率39%の日本で食料自給に向けた取り組みが始まっている。小麦の代わりに米の粉を使ってパンや麺を作る新潟県の取り組み。鹿児島県では休耕地で飼料用トウモロコシを栽培して畜産農家に供給。商社の中には日本向けの大豆を確保するため、ブラジルで自ら生産を始めたところもある。「金を出しても食料が手に入らない」段階に突入した世界の食料争奪戦、日本の食卓をどう守るのか考える。(NHKオンラインより)


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本日の放送を見て驚いたのが最近のコメ価格の急騰ぶりです。恥ずかしながら私自身不勉強で知らなかったのですが、現在の穀物価格上昇率を比較すると何かと話題の小麦、大豆、トウモロコシなどを大きく引き離してコメがダントツのトップとなっています。

コメの最高値更新続く=食糧危機懸念で投機資金流入-シカゴ市場

穀物相場の高騰や、開発途上国の食糧危機への関心が世界的に高まる中で、シカゴ商品取引所(CBOT)に上場されているコメ先物の史上最高値更新が続いている。ベトナムなどの主要輸出国で輸出停止措置が懸念されるなど、需給逼迫(ひっぱく)感が強まっているためで、15日の相場も、値幅制限の上限まで急騰。商品相場ブームがアジア地域の主食であるコメにも波及し、投機資金の流入が活発化している。(時事通信より)


番組でも紹介されていたフィリピンは主食のコメをほとんどベトナムからの輸入に頼っていたため、ベトナムの輸出規制で国民生活は大混乱に陥っているそうです。ご承知のとおり日本は多額の補助金を投じてコメの生産だけは守ってきたため(その政策の是非は別にして)結果的に現状では輸出規制の影響を受けていません。しかし食料自給率が4割を切るわが国にとってはフィリピンの大混乱は決して他人事では済まされないと思います。どの国でも自国民を飢えさせてまで食料を輸出しようとは思わないはずですから、今後はますます輸出規制の動きは拡大していくと予想されます。これまでの保護政策のおかげでお米は何とかなっても、もし仮に大豆の輸入がストップしたら醤油、みそ、豆腐などの生産ができなくなり日本の食文化は崩壊してしまいます。そう考えると食糧問題は国民の生命に直結するだけに、まさに安全保障問題そのものであると強く感じます。

このように食糧問題を安全保障問題として捉えると、比較するのは適切ではないとは思いますが北の将軍様の脅威と食糧確保ができなくなる脅威は果たしてどちらが切迫しているでしょうか?戦前の日本はアメリカからの資源輸入を絶たれて資源確保のために東南アジアに侵攻したことが不幸な戦争に突入するきっかけとなりました。もし現在の日本が食料輸入を絶たれたら、私たちの食生活はまさに戦時中の水準に低下します。経済と同様に食料調達も急速にグローバル化が進行していることを考えれば、食糧問題は高度な政治問題であり外交問題であるとも考えられます。また日本のように必要に迫られて少々高値を吹っ掛けられても黙って買わざるを得ない国の存在は相場の押し上げ要因となり、上記記事にもあるような投機資金に付け入る隙を与え、結果的に自国民だけでなく他国の人たちにも多大な迷惑をかけることになります。それでも買えるのならまだ良いのですが、「いくらお金を積んでも買えない」という絶望的な状況も間近に迫っているというのです。

私たちは普段の生活に大きな影響がなければなかなか危機感を持ちにくいですが、小麦や大豆だけでなく私たちの主食であるお米の確保も世界的に難しくなっているという現実を直視して、私たち一人ひとりが食料問題について危機感を持たなければならない状況であることを深く認識する必要があるのではないでしょうか?



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この記事へのコメント

kage

こんばんは 

日本の場合は、自給率が低いのって日本で農家をしてもあまり儲からないという理由が多いのかなと思います。農業だけでは食べていけなくて、兼業農家も多いですし。
中国の場合でも、上海や広州などの都市部と農村部の所得格差の大きさがよく指摘されます。
人間が生きていくには欠かせない農業などの一次産業に対しての報酬が、ほか(例えば金融とか)と比べて低いのかなと思います。
それらを考えると、食品の価格が上がる→農家の収入が増える→農業をやる人が増え食糧も増えるという循環が必要な気もします。

ただそれだと日本などはまだいいとして、気候的に農作物が採れない途上国なんかへの打撃が大きくなってしまうと思いますし。森林を伐採して農地を増やすといった動きになってしまう懸念も有りますが。
この問題はすごく難しいですね。

Posted at 20:42:58 2008/04/20 by staygold

この記事へのコメント

kage

staygoldさん

コメントありがとうございます。

日本の農業については製造業と同様に否応なくグローバルな競争に巻き込まれたことが収入が伸びない一因だと思います。安い人件費で大量生産が可能な外国と比較するとコスト面では著しく不利ですから。日本の農業が生き残るためにはこれも製造業と同様に、いかに付加価値を乗せるかが重要になるのではないでしょうか?中国に輸出した高級米が日本の10倍の値段でも飛ぶように売れたり、宮崎産の高級マンゴーが1個数万円でも販売好調であるあたりが日本の農業が目指すべき方向のヒントになっているような気がします。

エントリーでご紹介した番組の中で印象に残ったのが「穀物価格が高騰する大きな理由は豊かになった中国やインドの人たちが肉を食べ始めたことである」という指摘でした。一般的に1kgの食肉を生産するためには飼料としてその10倍の穀物が必要といわれています。ということならもし穀物の高騰によって中国やインドの農家が豊かになったとしても結局はイタチごっこになってしまいそうです。

世界人口の爆発的増加は待ったなしですし、農産物は原油のように「明日から生産量を増やします」というわけにもいきませんので、食糧危機の問題は現在の金融危機以上に全世界が早急に協調して対策に当たる必要があるのかも知れませんね。

Posted at 22:45:41 2008/04/20 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

こんにちは
J-CASTニュースにも取り上げられましたね。
パン、コメ、トウモロコシ 穀物高騰、全世界で暴動続発
http://www.j-cast.com/2008/04/21019285.html
なんだか日本人が平和ボケしている間に、世界はすごいことになってますね。今回、日本でも遺伝子組み換えとうもろこしに切り替わることになったコーンスターチですが、プリンの凝固剤等で使われ、知らない間に我々の口に入ってきます。恐いですね。

Posted at 13:18:08 2008/04/23 by 駒沢公園散歩人

この記事へのコメント

kage

駒沢公園散歩人さん

コメントありがとうございます。

以前米国産牛肉のBSE問題が発覚した時に、製菓業界では牛肉の成分を含んでいるゼラチンに米国産牛肉が使われていないことを証明するのが大変だったと聞いたことがあります。最近では国内食品メーカーのモラル低下も顕著ですから原材料に対する不安は増すばかりですね。

食品問題については私たち一人ひとりの意識を高めることが必要不可欠ですが、資産運用と違って「すべて自己責任」と言われても困りますので、一刻も早く国家レベルの方針や対策を示していただきたいものです。

Posted at 20:03:17 2008/04/23 by おやじダンサー

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kage


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