2020 03 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2020 05

続・ネット証券業界の現状

kage

2008/04/01 (Tue)

今回のエントリーはちょうど2ヵ月前に書いたネット証券業界の現状の続編です。前回のエントリーでもご紹介したとおり、マネックス証券に口座を開設するとJ.P.モルガン社とTIW社のアナリストレポートが読めるのですが、本日付で公開されたJ.P.モルガンのマネックス・ビーンズ・ホールディングスに関するレポートの中に前回引用した主要ネット証券の委託売買代金シェアのその後が掲載されていましたので数値を加えて更新しました。なおJ.P.モルガン社のレポートには過去4年分のデータが掲載されていましたが、前回と同じくここではジョインベスト証券が集計に加わって以降の1年11ヵ月分を抜き出しています。

リテール委託売買代金に占めるオンライン証券のシェア

 

06/4-6

7-9

10-12

07/1-3

4-6

7-9

10-12

08/0108/02
松井

10.6%

10.4%

10.3%

9.0%

8.1%

7.8%

8.3%

7.9%

8.3%

楽天

 14.8%

15.5%

14.6%

13.9%

13.8%

13.3%

14.3%

14.7%

14.6%

SBIイー・トレード

 30.7%

33.4%

32.5%

31.6%

35.0%

36.3%

38.7%

 39.9%

40.5%

マネックス

 7.6%

6.8%

6.7%

7.1%

5.8%

 6.7%

 6.7%

 6.8%

 5.4%

カブドットコム

 6.7%

 6.6%

6.3%

6.2%

6.0%

5.9%

6.1%

 6.0%

 6.3%

ジョインベスト

 0.1%

0.8%

1.3%

2.0%

2.8%

3.4%

4.1%

 4.7%

5.2%


<<ブログランキング参加中>> にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ 人気ブログランキング FC2ブログランキング
相変わらずイー・トレードの寡占化に向けた歩みは順調で、シェアはついに4割を超えました。また新規参入のジョインベストも意欲的なサービスやキャンペーンを武器に確実にシェアを伸ばしています。この影響を一番強く受けた形になっているのがマネックス証券で、2月の実績では新参のジョインベストの肉薄を許し、最下位転落のピンチとなっています。J.P.モルガンもこの現状をネガティブに捉えており、今回のレポートで投資判断をUnderweightに引き下げています。その理由の中で私が特に不安を感じたのは以下の指摘です。

PERは松井とカブドットコムより高いが、これを正当化し難くなっていると考える。理由は以下のとおり。株式市況の調整の長期化に加え、口座数の増加ペースも落ちてきていることは、同社の長期戦略である資産形成による事業拡大も遅らせる。さらに、同社の株式を26.29%保有する日興コーディアルグループがシティグループの100%子会社となり、シティグループが同社株を売却するリスクを抱えたままだ。


ちなみにPER (株価収益率)とは利益を基準にして株価の価値を割り出す指標です。株価をEPS(1株利益)で割って算出し、株価がEPSの何倍まで買われているのかを示します。PERが高いほど利益に比べ株価が割高であることを示し、低いほど利益に比べ株価が割安であることを示します。これを別の切り口で考えるとPERの高い銘柄は人気が高く、低い銘柄は人気が低いと捉えることもできます。例えるなら同じ電器メーカーでも松下電器よりソニーの方がPERが高めになりやすいというようなイメージで、その企業のネームバリュー、何かやってくれそうな漠然とした期待、固定ファンの多さなど、一般的な経営指標には現れないプレミアムが上乗せされていると考えることができます。そう考えるとこれまでマネックス証券のPERが松井証券やカブドットコムより高かったのはファンの多さや期待度の高さを反映していたように思えます。しかしJ.P.モルガン社はもはやそのような「マネックス・プレミアム」は幻想に過ぎないと極めてシビアに断じているわけです。

また資本構造についても筆頭株主の日興コーディアルグループがシティグループの100%子会社となり、そのシティ自体がサブプライムローン問題で大打撃を受けたこともあり、筆頭株主が安定株主でないことがマネックスの経営にとっては最大のリスクになっていることは大変残念です。これは三菱UFJグループの傘下に入ったカブドットコムがさまざまな新サービスでシナジー効果を発揮しているのとは対照的ですね。

マネックス・ファンを自認している私としては、ぜひこの逆境を跳ね返して欲しいと強く願っています。ただし会社の利益が自分の利益と直結する株主とは異なり、いちユーザーとしての立場だと不利益を被ってまで応援することはできません。マネックス証券にはぜひ目に見える形でファンの期待に応えて欲しいものです。

以上、リテール委託売買代金に占めるオンライン証券のシェアを見て思うところを書き連ねて来ましたが、前回も書いたようにこのデータだけで安易に全体の流れを推測するのは危険です。今回のレポートにもPER、口座数、売買代金、売買件数などの比較もありますのでマネックス証券に口座を持ちネット証券業界の現状について興味をお持ちの方はご覧になってみてください。







関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック