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ある結果論から見た長期投資の効果

kage

2008/03/29 (Sat)

約一週間前に書いたこちらのエントリーで私は、「もし自分の資産運用をすべて著名投資家のバフェット氏にまかせたらどうなっていたか」という仮説について触れました。あの時は過去17年強の結果しか見つけられませんでしたが、それでも投資資金が15倍になるという目覚ましい結果に驚かされました。そこでもし本格的に長期投資を任せたとしたらどうなったのかという点にますます興味が沸きいろいろ調べてみたところ、バフェット氏が率いる投資持株会社バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.)のアニュアルレポート(年次報告書)の中に1965年から2007年までの株価とS&P500指数とのパフォーマンス比較を見つけました。

アニュアルレポート2007

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1965年から2007年までは43年間です。この43年間を具体的に考えてみると、1965年に四年制大学を卒業して23歳で就職した人が2007年に65歳になっている事例となります。これは一般的なライフプランニングを考える上で良いシミュレーションとなると思い、実際のパフォーマンスを元に長期運用の計算をしてみることにしました。

それにしても上記報告書を見て改めて驚いたのですが、もし1965年からバークシャー・ハサウェイ社に投資していれば2007年までの43年間にわたり年利21.1%という驚愕の高利回り運用が実現していたことになります。また比較対象である米国株式市場の代表的な指数であるS&P500指数でも43年間トータルで年利10.3%という長期投資としては十分満足できる結果となっていることも意外でした。S&P500指数を対象とした投資であれば信託報酬が年0.09%の海外ETF「iShares S&P 500 Index(IVV)」一本で間に合いますからね。

この結果を元に私が考えたのは、長期運用の例として良く出てくる「もし1965年に1万ドル投資したとしたら2007年にはいくらになっているか」という計算ではなく、私たちの長期運用方法により近いと思われる「もし1965年から毎月5,000円ずつ積み立てたとしたら2007年にはいくらになっているか」というシミュレーションです。ちなみに1965年(昭和40年)の四大卒初任給は2万円強ですので、ザックリ計算して現在の物価の1/10と考えることができます。つまり就職時から毎月5,000円を積み立てるということは現在の価値観でいうと毎月50,000円に相当することになります。いきなり毎月の給料の約1/4を投資に回すのは現実的ではないとは思いますが、計算を分かりやすくするために何卒ご了承ください。

なおこの毎月5,000円の積み立てを行った場合の複利計算のシミュレーションはさわかみ投信のサイト内にある「複利シミュレーション」を使わせていただいています。それではまずS&P500指数の実績に基づいて、43年間年利10%で運用できた場合の結果をご覧ください。

年利10%

ご覧のとおりトータル258万円の投資額が3,744万円にまで成長しています。これは退職金を二度もらうようなものですね。それではバークシャー・ハサウェイ社の実績に基づいて年利20%で計算するとどうなるのでしょうか?

年利20%

ご覧のとおり同じ258万円の投資額が実に8億4,184万円にまで膨らんでいます。ここまで来ると私のような貧乏性の人間にとっては以前こちらのエントリーでご紹介した澤上社長のお言葉のように本当に使い方に困る金額です。現実にこれと同じ結果をバフェット氏は残しているのですから、せめて私たちも長期投資を続けていれば同等の成果を得る可能性は十分にあるという夢を持ちたいものですね。

さて、以上のシミュレーションを見るとあたかも長期投資がバラ色の未来を約束してくれる錯覚に陥りますが、計算の元にした実績はあくまでも結果論であり、机上の空論に過ぎないことはご理解ください。これからの43年間も経済成長が続く保証はどこにもないように、過去の実績がそうだったからといってバークシャー・ハサウェイの株価やS&P500指数の上昇が今後も約束されているわけではありません。また長期運用のゴール直前で運悪く今回のような大規模な金融危機に遭遇すると被害甚大です。ただ事実として43年間バフェット氏を信じて運用を任せてきた人やアメリカ経済の成長を信じてS&P500指数に投資を続けてきた人は大きなリターンを得ているわけで、豊かなセカンドライフを実現するためには長期投資が一つの有力な選択肢となり得ることは確かだと思います。

確実なことはもし複利の効果を最大限に得ようとするならば資産運用は一刻でも早く始めてなるべく長く続けることであり、机上の空論に過ぎない今回のシミュレーションも時間を味方に付けることのメリットを十分に示しているといえるのではないでしょうか。長く続けることが必ずしも良い結果をもたらしてくれるとは限りませんが、良い結果を得るためには長く続けることが必要なのです。結果的に驚異の利回りを実現したバフェット氏の運用方法も年ごとの実績ではS&P500指数に大きく負けていることもあります。そういう意味では例え満足する結果が得られない期間が長く続いたとしても、どれだけ信頼して運用を任せ続けられるかという視点も長期運用には大切ですね。私自身は自他共に認める「投資バカ」で、短期売買や投機も大好きですが、客観的に考えてこんな自分に資産運用を100%任せるリスクはとても負えないとの判断から長期投資も実践しています。このような投資法の分散も立派なリスクヘッジになると考えますし、豊かなセカンドライフを実現するための一つの保険と考えれば極めて合理的な投資法であると思いますので。



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この記事へのコメント

kage

こちらのツールを使うとインフレ率も考慮できるからお勧めです。
http://www.retirement.fidelity.co.jp/learn/goalcalc.html

Posted at 02:43:50 2008/03/30 by

この記事へのコメント

kage

ご紹介ありがとうございます。

確かにインフレの動向は資産運用の成果に大きな影響を与えますので無視することはできませんね。理想としてはインフレが進行する国で資産運用して、デフレの国で消費することでしょうか。昔のように経済成長とインフレの進行が当たり前ではなくなったことも長期運用の不安定要因といえそうですね。

Posted at 12:03:21 2008/03/30 by おやじダンサー

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kage


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