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米インフレ連動債の実質利回りがマイナスに?

kage

2008/03/06 (Thu)

サブプライムローン問題に端を発する信用収縮懸念から世界的に運用資金の株から債券への逃避が続いていますが、この流れに昨今の原油高を筆頭とするインフレ懸念が加わったことで米国のインフレ連動債(TIPS)への資金流入が加速し、一部で実質金利がマイナスになるという異常事態が生じているそうです。

米インフレ連動債の一部で実質利回りがマイナスに、インフレ加速観測で

ニューヨーク 4日 ロイター:4日の米債券市場で、一部の米国債の実質利回りがマイナスとなった。多くのコモディティ価格が過去最高値圏に高騰する中、景気が減速したとしてもインフレ率が上昇するとの観測が広がっているためだ。 投資家はインフレ率が上昇するとの見方から、償還時の元本がインフレ率に応じて調整されるインフレ連動債(TIPS)を買い進めてきた。その結果、それらの債券の実質利回りがマイナスとなった。 バークレイズ・キャピタルの国債およびTIPSストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「TIPSはクレジット市場をめぐる懸念から絶対ベースで好調なパフォーマンスを上げているほか、インフレ懸念を背景に相対ベースでも名目債をアウトパフォームしている」と指摘する。


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4日の取引で実質金利がマイナスになったのは、償還までの期間が5年以下のTIPS8銘柄。例えば、2011年4月償還のTIPSの最終利回りはマイナス0.32%となった。これは、現在から償還時点までの消費者物価指数に基づくインフレ率が年間2.30%前後になると市場が想定していることを示すものだ。 一方、長期セクターのTIPSは実質利回りが依然プラスで、2018年1月償還のTIPSは実質利回りが1.08%だった。

今のところ、インフレリスクの高まりが債券市場に及ぼす悪影響は、連邦準備理事会(FRB)による積極的な利下げや、クレジットクランチの深刻化を背景とした「安全資産への資金逃避」による全般的な利回り低下で相殺されている。インフレに強いTIPSは米国債を上回るリターンを上げており、リーマン・ブラザーズによると、年初来の総リターンは米国債の3.75%に対し、TIPSは5.43%に達している。ちなみに、S&P500種総合株価指数のリターンはマイナス9%、ナスダック指数は約マイナス16%に沈んでいる。 アナリストは、国債のパフォーマンスは良好に推移しているが、マイナスの実質利回りが続けば利下げや安全資産への資金シフトがもたらす恩恵が薄れかねないとみている。


債券が買われると本体価格が上昇し、相対的に金利が低下するというカラクリについては、以前金利が上がるとなぜ債券価格は下がるのかというエントリーに書きましたが、人気が集中するあまり実質金利がマイナスに転落するという異常事態は初めて聞きました。もっとも記事にあるとおり、インフレ連動債の人気が高まれば本体価格が上昇するため実質利回りがマイナスに転落しても損をするわけではありません。実際に米国債を上回るリターンを上げているのですから投資対象としては優れているといえます。しかしインフレ連動債に本来求められるはずのインフレヘッジの効果は確実に低下するわけで、人気が集中するのも痛し痒しというところですね。この動きは、景気は後退しているのにインフレの進行は止まらない、いわゆるスタグフレーションを織り込みに行っていると考えるのが自然だと思いますが、実質金利がマイナスに転落している債券にドンドン買いが入る状況は、まるで史上最高値を更新中の原油先物をガンガン買っているのと同じような状況に思えて恐怖を覚えるのは私だけでしょうか?

一方で同じ債券であっても以前こちらのエントリーでご紹介した信用力の低い債券を集めたハイ・イールド債などは信用収縮が逆風となって思い切り売り叩かれ、相対的にビックリするような高利回りになっています。例えば上記エントリーでご紹介したフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドなどは、4ヵ月前の11月1日には10,677円だった基準価額が昨日の時点で8,793円まで売り込まれており、反対に毎月の分配金は2月実績で95円にまで跳ね上がり、年利計算で13%弱になっています。これらの異常事態は、人間心理が絡む相場は常に行き過ぎるという現実を如実に示しているようにも思えます。

もう一つ金利つながりの話題として目に止まった下記の記事によると、私たちとなじみの深い住宅ローン金利も債券への資金流入の恩恵を受けて低下傾向にあるようです。預貯金や債券の金利は高い方が嬉しいですが、借金の金利は低ければ低いほどありがたいものですから、これから住宅ローンを組もうとお考えの方にとってはサブプライムローン問題の影響による長期金利の低下は千載一遇のチャンスとなるかも知れませんね。

「フラット35」金利、3月最低は2.75%・住宅金融支援機構

住宅金融支援機構は4日、民間金融機関と提携した最長35年の長期固定金利の住宅ローン「フラット35」(買い取り型)の3月の適用金利を発表した。利用が多い返済期間21年以上35年以下の場合、取扱336機関の最低金利は前月比0.01%低い2.75%、最高金利は3.35%で前月と横ばいだった。最低金利の低下は指標とする10年物国債の金利が下がったことが要因だ。

15年以上20年以下では2.54―3.2%。機構は2月以降、「実際に借り入れできる金利ではない」として従来公表していた平均金利の公表を取りやめている。(日本経済新聞より)


ちなみにフラット35とは、旧住宅金融公庫のサービスの後継ともいえるもので、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する長期固定金利住宅ローンのことです。以前にも書きましたが日銀がコントロール出来るのは短期金利だけで、長期金利は基本的に需給によって決まりますので、長期国債が買われれば住宅ローンの金利が下がるというカラクリが成立するわけです。住宅ローンを検討する際に変動金利と固定金利のどちらを選ぶかはなかなか難しい問題ですが、一般的にデフレなら変動金利が有利でインフレなら固定金利が有利といえます。ただひとつ確かなことは、株価が下がった時こそ投資のチャンスですが、借金にとっても良いタイミングだということですね。



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