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郵便局の投資信託16本中9本が基準価額1万円割れ

kage

2007/11/25 (Sun)

標記の状況は本日テレビ朝日系で放送されたサンデープロジェクトのサブプライムローン問題に関する討論の中で、経済ジャーナリストの荻原博子さんが指摘しておられました。念のため調べてみたところ、確かにご指摘の通りでした(ご参考・ゆうちょ銀行取り扱い投資信託の基準価額一覧)。このことからもサブプライムローン問題がわが国の貯蓄から投資への流れに冷や水を浴びせかける現状が見えてきます。そんな心配と同時に私は老婆心ながら郵便局(現在の販売会社はゆうちょ銀行ですが、本稿の表現は以後「郵便局」で統一させていただきます)で投資信託を購入した方々のリスク管理がちょっと心配になりました。それは郵便局で投資信託を購入する層にはある独特な傾向がみられるからです。

その「ある独特の傾向」とは、以前テレビ東京系のモーニングサテライトに出演した渡辺喜美金融担当相が「証券優遇税制は金持ち優遇である」という意見への反証として示した資料で知った以下の事実です。その資料によるとわが国で投資信託を最も買っているのは年収400万円から500万円の中所得層なのですが、郵便局に限定すると年収200万円以下の低所得層がトップで、割合でいうと実に40%強を占めるというのです。

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この独特の傾向が現れた理由を素人なりに推測しますと、これまで投資に縁のなかった方々にとって証券会社や銀行の敷居は高いため日頃から慣れ親しんだ郵便局がその受け皿となった結果なのではないでしょうか?きっと皆さん家計をやりくりして何とか投資資金を捻出し、将来の不安に備えて投資信託を購入していることと思います。ここで私は「所得の低い人は投資信託を買うべきではない」などという暴論を展開する気は毛頭ありません。将来の不安に備えて勇気をもって投資の世界に一歩を踏み出したことは正しい選択であると思います。しかし一般的に家計に余裕がない世帯であるほどリスク管理はシビアである必要がありますので、条件によってはまずリスク対策を優先すべきケースもあるのではないでしょうか?なおここでいうリスクとは、大きな病気や事故で長期間働けなくなるような「もしもの事態」を想定しており、リスク対策とは預貯金や個人向け国債などの流動性資産の確保を想定しています。

もちろん一口に年収200万円以下と言っても個々のケースでリスク許容度は異なるため、以下に具体的な条件を示しながら私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。

例1・20代独身男性。入社2年目。将来に不安を感じるため毎月の飲み代を削って投資信託の積立を行っている。

このようなケースで将来に備えた投資を行うことには諸手を挙げて賛成です。何もしなければ飲み代に消えていたはずの資金が将来大きく育って自らを助けてくれることでしょう。

例2・30代既婚男性。自営業。扶養家族2名(妻と子)。将来に不安を感じているが預貯金では利子が付かないので毎月投資信託を積み立てている。

このケースのように家族の生活に責任を負っている場合は特にリスク管理の徹底が必要です。まずはこれだけあればもしもの事態にも対処できると思えるだけの流動性資産を確保してから投資を始めるべきだと考えます。

例3・60代既婚男性。年金受給者。妻の年金と合計しても年収200万円に届かないため毎月分配型投資信託で年金の補完を図っている。

このケースで投資信託による年金の補完はあまりおすすめできません。年金生活に入れば収入が増える可能性は著しく低下しますので、流動性資産の確保でリスクの低下を図るべきです。

長期運用には当然波があります。中には今年のように1年に何度も津波クラスの大波が押し寄せることもあるでしょう。このような年にもし十分なリスク対策を行わないまま不慮の事態が生じれば、将来に備えて長期運用のつもりで始めた投資を基準価額割れで売却しなければならないことになり、将来に対する備えはマイナスからの再スタートになってしまいます。つまりリスク管理はこのような大波を乗り切るための環境整備の意味でも重要なのです。将来の備えを重要視するあまりに長期運用が中断したり、現在の家計が大混乱を来すのでは本末転倒ですから。

新たに施行された金融商品取引法の元、郵便局の窓口でも徹底した投資リスクの説明が行われているはずです。しかし現実問題として個々の家計まで踏み込んでのアドバイスはなかなかできないのではないでしょうか?つまり家計のリスク管理は個人責任で考えなければならない重要な問題だと認識して、投資を行う前にまず確認しておくべきであると考えます。

以上、運用による損得を考える前にまずリスク管理を考えるべきという意見を述べてきましたが、最後に現状における投資の損得についても考えてみたいと思います。例えば現在含み損を抱えたまま毎月分配型投資信託を積み立てている方もおられると思います。このケースだと毎月の分配は特別分配(非課税)となります。非課税と聞くと何となく得をしたような錯覚に陥りますが、実際には元本を取り崩して返してもらっているだけですから、もしその投資信託に販売手数料があるのであれば毎月の分配額分の手数料が無駄になります(特別分配は毎月の積立金の中から返却してもらっているようなものですので)。また投資信託は含み損を抱えていても毎日の信託報酬は確実に徴収されます。さらに困ったことに毎月分配型投信の信託報酬は高いものが多いのも現実です。このような状況で毎月の積立を続けるべきなのか、含み損を抱えたまま保有を続ける(=高い信託報酬を支払い続ける)ことが正しい判断なのか、検討する余地は十分にあると考えますがいかがでしょうか?



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