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バブルの芽は着実に育っている

kage

2007/11/24 (Sat)

世界経済がいつになったら収束に向かうのかまったく先が読めないサブプライムローン問題で大混乱している中、本日のロイターの報道によるとグリーンスパン前FRB議長は中央銀行が優先すべき課題は資産バブル崩壊の影響緩和であると発言したそうです。すなわちこれは、インフレやドル安の進行、過剰流動性の増大などの弊害にはとりあえず目をつぶり、利下げを継続して景気の後退(=株や不動産などの資産価値の下落)を防ぐべきとの見解であると私は理解しました。

中銀はバブル崩壊の影響緩和に集中すべき、予防は困難=グリーンスパン氏

オスロ 23日 ロイター:グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は23日、資産バブルを予防する手段はほとんどないとして、中央銀行はバブルの崩壊が経済へ及ぼす影響を緩和することに集中するべきとの考えを示した。グリーンスパン氏は当地で開かれた金融会合で、資産バブルの予防が十分に可能だという証拠はあまりないようだと指摘。「バブルだと認識できたとしても、沈静化に向けてできることはあまりない」と話した。


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そもそも今回のサブプライムローン問題の根源を辿っていくと、ITバブル崩壊後の不況を乗り切るために低金利へ誘導して過剰流動性を高め、結果的に不動産バブルを引き起こしたグリーンスパン氏にその責任の一端があるともいわれていますので、今回の発言はある程度その反省を込めて行われたものかも知れません。ただブラックマンデーやアジア・ロシア通貨危機のような緊急事態に対処するための流動性供給には世界経済のクラッシュを防ぐためにやむを得ない部分もありますので、一概にグリーンスパン前議長の政策を非難することはできないと思います。そういう意味では「世界経済はバブルの発生と崩壊を繰り返すもの」と始めから覚悟しておいた方が気が楽なのかも知れませんね。

この記事を読むだけでは細かいニュアンスが伝わってきませんが、もしかしたらグリーンスパン氏はさらに二手、三手先を読んで、サブプライムローン問題の収束後に過剰流動性によるバブルが発生することを想定して、その後のバブル崩壊に今から備えるべきとの発言かと私は深読みをしてしまいました。現在、かつてアメリカの不動産バブルを生み出した緊急措置以上の過剰流動性の供給が世界規模で行われており、バブルの芽は確実に育っているように感じます。サブプライムローン問題が日本のバブル崩壊と異なるのは、大きな被害を受けた世界の大手金融機関に損失を計上できるだけの体力があることです。日本の場合は多くの金融機関がいつまでも損失の計上(=不良債権の処理)ができなかったため長く続くデフレの時代(失われた10年)を生みましたが、サブプライムローン問題は損失の全体像さえ明らかになれば案外解決は早いのではないかとの希望的観測を持っています。

ご参考までに以下に短期金融市場にジャブジャブ投入される過剰流動性の現状をご紹介しておきます。

まず始めはサブプライムローン問題の震源地であるアメリカです。

米FRBが472.5億ドル供給、01年9月以来の規模

ニューヨーク 15日 ロイター:米連邦準備理事会(FRB)傘下のニューヨーク連銀は15日、貸出金利の上昇抑制に向け、3回のオペを通じ472億5000万ドルの資金を供給した。1日としては、同時多発テロが発生した2001年9月以来の大規模な供給となった。資金供給に先立ち、主要通貨のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は上昇。2カ物ポンド金利は2カ月ぶり水準をつけ、米資金市場を圧迫していた。ストーン&マカーシー・リサーチ・アソシエイツのエコノミスト、ケネス・キム氏は「サブプライム関連の金融機関のエクスポージャーに対する懸念から、フェデラルファンド(FF)金利に上昇圧力がかかった」と語った。オペの内訳は、14日物レポが80億ドル、6日物レポが200億ドル、翌日物レポが192億5000万ドル。FF金利は朝方、誘導目標の4.50%を上回る4.81%で推移。オペ実施後は4.75%に低下した。この日の大量の資金供給は、大半がオペのロールオーバーによるとの見方もある。供給額472億5000万ドル中405億ドルがロールオーバーとみられている。


米国と同じ経済圏を形成するカナダもこれに歩調を合わせています。

カナダ中銀、8月10日以降で最大規模の資金供給を実施

オタワ 15日 ロイター:カナダ銀行(中央銀行)は15日、短期金融市場で翌日物金利を目標水準に近づけるため、信用収縮が深刻化していた今年8月10日以降で最大規模の資金供給を実施した。中銀は2回のオペで総額15億6500万カナダドルを市場に供給した。ただ、中銀のデータによると、翌日物金利はここ数日、中銀目標の4.5%近辺で推移しており、短期金融市場が正常化に向かっているという兆候も出ていた。中銀当局者はこの日のオペについて説明はしていない。 


そしてサブプライムローン問題が飛び火した欧州ももちろん協調しています。

年末まで厚めの資金供給=「市場に再び緊張」とECB

フランクフルト23日時事:欧州中央銀行(ECB)は23日、オペレーション(公開市場操作)に関する通告で、ユーロ圏の短期金融市場に「再び緊張が見られる」とした上で、「必要な限り、少なくとも年末まで」は定例オペで厚めの資金供給を行っていく方針を打ち出した。ECBは22日、臨時3カ月物オペを実施し、総額600億ユーロの資金供給を行った。ところがユーロ圏の3カ月物銀行間取引金利は23日には4.70%弱にまで上昇している。同金利は一時、4.50%台にまで落ち着いていたが、米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン関連の新たな評価損をいずれかの金融機関が計上するのではないかとの観測から、銀行間の疑心暗鬼が高まったとみられる。


これらの緊急措置によりジャブジャブにあふれた過剰流動性が果たしてどこに向かうのか、私たち個人投資家も慎重に見極めていく必要があるのではないでしょうか?



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