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証券優遇税制のゆくえ

kage

2007/10/10 (Wed)

昨年からずっと私たち個人投資家にとって心配の種となっている証券優遇税制のゆくえについて、本日、福田総理から下記のような発言があったそうです。

証券優遇税制の廃止、税制改革の中で民間のバランス見てから判断=福田首相

東京 10日 ロイター:福田康夫首相は10日午後の衆院予算委員会で、2008年以降に順次期限切れとなる証券優遇税制について「秋以降の税制改正の中で企業、民間の色々なバランスを見ながら決めて行くべきもの」と述べた。日本共産党の佐々木憲昭委員の質問に答えた。

証券優遇税制については、政府税調が株式譲渡益課税の優遇について07年12月末での廃止、配当課税の優遇について08年3月末の廃止を決めたが、与党税調で株式譲渡益課税は08年12月末まで、配当課税は09年3月末まで延長し、その後は廃止する方針を決めた。これに対して、金融庁は今年末の税制改正で優遇措置の一部延長と一部恒久化を決めるよう求めている。

額賀福志郎財務相は、証券優遇税制の延長問題について「日本経済は本格的な回復軌道に乗っているわけではない。したがって内外の経済状況、市場動向をよくみたい。と同時に国民の多くは数百兆円の預貯金がある中で、低金利で経済を支えてきた事情もあるので国民生活のことも考えながら、いろいろ見ながら結論を出していきたい」と述べ、預貯金とのバランスもあり廃止の意向を示しつつ、経済・市場動向に配慮する姿勢も示した。

法人税について佐々木委員は、これまでの引き下げの経緯と国民生活の負担増大とのバランスから、法人税引き上げを提言したのに対し、福田首相は「国際競争をしていく立場の企業のことを考え、かつ国民生活とのバランスを考えるべき」と述べた。


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この記事を読む限りは「まだ何も決まっていない」ということのようですが、現時点で福田総理が極めて中立的な発言されているところに優遇継続の一縷の望みを託したいところです。額賀財務相の発言については財務省自身が優遇廃止論の急先鋒であるだけにある程度割り引いて聞く必要があると思いますが、要は「金融危機を回避するために長い間国民の預貯金は超低金利で我慢してもらったのに、その雀の涙ほどの金利からも20%の税金をいただいていることと比較すると不公平感がある」と言いたいのでしょう。しかし私自身は当ブログでも何度も述べてきたように、損をすることも覚悟して投資されるリスクマネーの性格を考えれば優遇されて当然であると考えます。お金は経済活動を支える血液であり、循環してこそ意味があるのです。いわゆる「失われた10年」の間、超低金利で守られた銀行は国民から預かった資金を貸し出さず、国債を大量に買い付けて利ざやを稼いでいました。つまり財務相がいう数百兆円の預貯金はその多くが死蔵されていたことになります。これでは日本経済の回復が遅くなるのも仕方ありません。証券優遇税制を廃止してせっかく軌道に乗りかけた「貯蓄から投資へ」の流れに冷や水を浴びせれば、昨今の投資信託ブームも一気に縮小し、個人投資家が世界中から資金を引き揚げることにより世界経済が大混乱に陥ることだって十分にあり得ることだと思います。それでなくても株価が下がると企業は資金調達が難しくなり、生命保険や年金は運用成績が下がり、結局株を売買しない人たちにもさまざまな悪影響が及ぶことになりますので、関係者各位にはぜひそのあたりに配慮していただきたいものです。

本日、香港からは所得税と法人税の減税というニュースが流れてきました。またご承知のとおり香港では運用益は非課税です。週末の定時報告で中国本土株に香港の中国企業の株を加えた時価総額はすでに日本株の時価総額を上回っていることに触れました。先般の米シティグループによる日興コーディアルグループ三角合併の例を持ち出すまでもなく、競争が激化する国際ビジネスの世界では時価総額こそが力なのです。日本の株価が下がればどんな優良企業だって否応なしに買収の危機にさらされます。そうすれば企業を守るために本社を日本から海外に移そうとする企業だって出てくるでしょう。果たしてそれは日本の国益にかなうことなのでしょうか?

以上のような視点から私は国民が安心して投資できる環境を整えることこそが日本の国益につながると確信しています。その意味でもこれから始まる抜本的な税制改革のゆくえについては、単なる個人投資家の損得の問題を超えて、注目していきたいと考えています。



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この記事へのコメント

kage

基本的に賛成です!!

単純な優遇税率廃止は私も反対です。
単純に優遇税率を廃止することは、既に投資している
人の利益を損ねるだけでなく、投資への動きが止まって
しまうことは投資と税金だけの問題でなく、経済全体に
とってマイナスの影響を与えると思います。

そして以下は個人的な意見です。
個人的には課税自体はいいのですが、数年間の損益を
合算して、その利益に対して課税欲しいです。

個人投資家に対して現状では、儲かったら課税するが
損した場合に救済なしという非常に厳しい課税制度です。
税率が10%と言っても実際はトータルの利益に対して
20%も30%も課税されている人がいるわけです。

この辺りの改善を望みたいところです。

Posted at 00:06:44 2007/10/11 by 吊られた男

この記事へのコメント

kage

吊られた男 様

コメントありがとうございます。

株や投信の損失については確定申告すれば翌年から最大3年間の繰り越しが認められています。またFXでもくりっく365経由の取引であれば株と同様に最大3年間の繰り越しが可能です。

しかしその他のFX、先物取引、外貨預金の為替差益などに関しては税目が総合課税の雑所得となるため給与所得や事業所得と合算され、収入が多い人ほど税率が上がる超過累進課税方式で課税されます。雑所得同士の損益通算は可能ですが、損失の繰り越しはできません。

あと損失に関して言えば、外貨建MMFの為替損失に関しては救済措置は一切ありませんので注意が必要です。外貨建MMFについては為替差益が非課税というメリットがよく知られていますが、損失が出た場合のデメリットと表裏一体なのです(ちなみに外貨預金の為替損失は他の雑所得と損益通算できます)。

このように金融取引に関する課税はまさに複雑怪奇です。このため以前から利子所得、配当所得、譲渡所得、雑所得をすべて包括する金融一体課税の必要性が叫ばれている訳です。個人的には金融取引に関してはすべて分離課税として、特定口座で一括して面倒を見るように税制を改正して欲しいと希望しています。

Posted at 06:49:20 2007/10/11 by おやじダンサー

この記事へのコメント

kage

おやじダンサーさん、

確かに確定申告で最大3年間の繰り越しは認められて
いますね。ありがとうございます。

各種税金が分かれている摩訶不思議な税制(投信の
解約も買取もパンピー投資家にとっては同じだろうが…)
は統一して欲しいものです。(+繰り越しも)

Posted at 23:24:04 2007/10/11 by 吊られた男

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kage


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