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日英の投資教育

kage

2007/07/15 (Sun)

本日、毎日新聞のサイトに日本と英国の投資教育に関する記事が掲載されていました。金融分野では先進国である英国と後進国である日本の投資教育に対する姿勢にはどんな違いがあるのか気になりましたので、ちょっと長くなりますが以下に全文をご紹介させていただきたいと思います。それではまず英国の記事からどうぞ。

金融教育:英政府が08年9月、中等学校の科目に

英政府は来年9月から中等学校(11~16歳)の科目に、新たな金融教育を取り入れる。英国では住宅価格の急騰や金利上昇などを背景に、多重債務者の増加が深刻化しており、政府は若者に早い段階からお金の管理を学び卒業後に備えてほしいと説明している。授業では金融商品の性質や住宅の取得、起業の方法などを教えるほか、生徒に実際に銀行口座を開設させたり、預貯金・投資を経験させる。また、税金や年金の仕組みなど幅広いテーマを扱い、「将来の職業など人生設計を考えさせ、市民としての責任を学んでもらう」(エド・ボールズ児童・学校・家庭相)という。最近の金利上昇により学費ローンの返済額増大が見込まれている。一方で、住宅の購入価格が急騰し、金利高も加わって住宅ローンの負担も重くなると見られ、若者が実社会に出るなり借金苦に悩まされる恐れもある。新たな金融教育はそうした将来に備える意味があるが、野党からは、「基本的な計算をできるようにするのが先決だ」などと批判も出ている。政府の調査によると、店頭での釣り銭の計算さえできない市民が1700万人もいるという。金融の科目はすべての中等学校が原則的に導入するとみられるが、「義務化」はしない。ロンドンの金融街シティーからは「英国の生きる道は金融大国。義務化が不可欠だ」との声も出ている。(毎日新聞より)


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それでは続いて日本の記事をご紹介します。

経済教室:夏休みの小学生に投資の仕組み 東証や証券会社

夏休みを利用して、小学生に投資や金融の仕組みを教える教室が証券業界で広がっている。東京証券取引所は04年に始めた「親子経済教室」を今夏は大幅に拡充。日興コーディアル証券は投資学習「家族でワクワク体験デイ」を昨年に続き今年も開く。敵対的企業買収など証券市場にまつわるニュースが増える中、投資への関心が子どもの間でも高まり、進んで参加を希望する小学生も少なくないという。ただ、株取引などを子どもに教えることに疑問を投げかける声もあるようだ。

東証は、自由研究で東証を訪れる子どもが増え、親から「経済の報道がよく分からず、一緒に学びたい」などの要望が増えたため親子教室を始めた。昨夏は12回開催したが、希望者が多数で断る場合が多く、今年は8月1~24日(20日と土日曜を除く)の毎日3回、計約50回開く。選任講師が株式会社のあり方など基礎的なテーマを取り上げ教える。日興は昨夏、地域貢献の一環として、全国の支店で体験デイを開いた。好評だったため、今年も7~8月、北海道から沖縄まで計110カ所の全支店で開催する。支店長らが講師となり、金の流れや証券会社の役割などを教える。メリルリンチ日本証券は早稲田大学日本橋校などと共催で、8月末に2泊3日の「キッズ・マーケットキャンプ」を開く。大手企業の現役役員らが講師を務め、実際の経済活動などを紹介する。

小学生など子ども向けの投資・経済教室はここ数年増加しているが、賛否両論あるのも事実だ。昨年1月には、マネックス証券が「株のがっこう」を開講。参加した小中学生28人に、1人あたり10万円を支給し、数カ月にわたり株取引を実体験してもらった。これに対し「自立していない子どもへの教育としてはやり過ぎ」などの批判が起きた。東証のCSR推進部は「株取引は金もうけの手段、と考えている子どもが実際には多い。私たちは株取引そのものではなく、会社や経済の仕組みを正しく理解し、将来の生活や職業に役立ててもらうのが狙い」と話している。(毎日新聞より)


日英ともに若年層に対する投資教育に賛否両論があるところは同じなんですね。でも国民の金融リテラシー(金融に関する情報や知識を活用する能力)向上が不可欠と政府が判断して投資教育を推進している点は日本と大きく異なる点です。日本においてはどうしても「投資=投機」の誤解が解けないようですが、経済の活性化や発展のためにはリスクを取ってくれる資金が必要不可欠である事実をぜひ理解していただきたいと思います。

一方で英国政府が投資教育を推進する理由のひとつが金利上昇に伴う住宅ローンや学費ローンの金利負担増を警戒してであるように、金融リテラシーの向上は自分や家族の生活を守る上でも大切です。よく株の信用取引や為替証拠金取引(FX)などの保有資産を担保にその何倍もの取引を行う投資の危険性が指摘されますが、人生における最大の信用取引は何といっても住宅ローンでしょう。中でも30年や35年のような長期ローンを組んでいる方は常に金利動向に敏感でなくては最終的な支払額に大きな差が出てくる可能性があります。現在の日本は長いデフレのトンネルをようやく抜けて利上げのサイクルに入ってきましたが、今の利上げのペースがゆっくりだからといって甘く見ない方がいいと思います。日銀を含む世界の中央銀行がコントロールできるのは短期金利のみで住宅ローンなどに大きな影響を与える長期金利は市場が決めるという経済の原理原則を住宅ローン契約者がどの程度理解しているのかと思うと他人事ながら心配になります。

また資産運用の分野においても9月に金融商品取引法完全施行を控えており、販売時のリスク説明の徹底など個人投資家を保護するための規則が強化されます。一方で金融商品に対する規制は緩和される方向ですので今まで以上に多種多様な金融商品が登場することになると思います。これを国民の金融リテラシーが低いまま迎えるとますます多様化する金融商品からどれが自分に適しているのか判断できず、窓口で説明を聞いても難し過ぎてよく分からないという悪循環に陥る可能性もあります。

日本はいざなぎ景気を超える好景気といわれながら給料は一向に上がらず、一方で税金などの負担は増えるばかり、おまけに将来の年金も不安だらけという現状において自分や家族の生活を守るため、助けるためには金融リテラシーの向上は不可欠です。今朝見た政治討論番組で自民党のスローガン「成長を実感に」に対して野党側から「国民が成長を実感できていないことを認めているではないか」と非難されていました。しかし海外に投資している私は少なくとも世界経済の成長を実感しています。以前こちらのエントリーで藤沢久美さんの「少子高齢化が進行し労働力が不足する日本においては海外に投資する(=自分のお金に出稼ぎに行ってもらう)という発想も必要」というご意見をご紹介しましたが、一度は没落したかつての大英帝国が金融大国として復活した事例を日本国民も大いに参考にして金融リテラシーの向上に努めるべきだと考えます。何度も言いますがそれが最終的に自分や家族の生活を守り、助けることになるのですから。





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