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年金問題を考える

kage

2007/06/10 (Sun)

このところ連日マスコミを賑わせている年金問題ですが、私自身も社会保険庁のずさんな管理・対応については言語道断と言う他はないと考えます。しかし現実にはこのいわゆる「消えた年金問題」はずいぶん以前から指摘されていたにもかかわらずそれほど話題にはなっていませんでした。それがここに来て世論に一気に火が付き、政治を大きく動かそうとしています。つまりこれは主権者である国民が関心を持てば政治は動くという民主主義の原理原則を如実に証明しているともいえます。このように今は国民の関心が年金に向かっている良い機会であると思いますので、社会保険庁の運用面の問題についてはテレビのワイドショーにお任せして、ここでは年金の仕組みに潜むの問題点について考えてみたいと思います。

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現役世代が高齢者を支える現在の年金制度は、少子高齢化が進行すると維持できないことは誰にでも容易に想像が付きます。もちろん国もそのことは重々承知しており年金の仕組みを変えて何とか破綻を回避しようとしています。ただしこれを「やはり国はちゃんと国民のこと考えてくれているではないか」と捉えるのは大間違いで「いかに国民の負担を増やすか」に重点を置いた制度改正になっていますので注意が必要です。

例えば破綻しかけた家計を立て直すためには、まず収入を増やすか支出を減らすことを考えます。これは年金についても同様です。年金で収入を増やすことはすなわち掛け金の増額です。現在の制度では平成29年(2017)度まで、厚生年金保険料は毎年0.354%(本人0.177%、事業主0.177%)引上げ、国民年金保険料(月額)は毎年280円引上げが続きます。一方、年金の支出の削減とはすなわち給付金の削減ですが、ご承知のとおり年金の給付開始年齢が60歳から65歳に引き上げられています。また以前は完全物価スライド方式で物価上昇に応じて割り増しされていた支給額もマクロ経済スライド方式に改められ、加入者の減少や受給者の長寿化に応じて割増率を抑えて給付金を削減する仕組みになっています。

しかし上記の国民負担増でも少子高齢化の進行にはとても追いつきません。そこで掛け金の増額に加えて現在粛々と進められているのが基礎年金の国庫負担率引き上げです。つまり年金の足りない部分を穴埋めしている税金の比率を増やそうというのです。具体的にこれまでの国庫負担分は1/3でしたが、平成21年(2009)までに1/2まで引き上げが行われる予定です。税金=国民の負担ですからここでも私たちの負担が増えることになります。また基礎年金の半分が税金で穴埋めされるわけですから保険料を支払っていない人(受給者や未納者)であっても自動的に負担が増えることになります。さらに現在の制度では保険料の増額は平成29年(2017)度で終了することになっていますので、その後の国民負担増は福祉目的を全面に押し出した消費税の増税で行われることになると予想されます。国は「少子高齢化が進行するのだから消費税の増税もやむを得ない」という世論形成に必死ですがちょっと待ってください。年金基金には将来の給付に備えてこれまでコツコツと積み上げて来た積立金が一説によると150兆円にものぼり、それがほとんど手付かずで残っているというのです。消費税の増税議論は年金会計がすべて明らかになったあとで行われるよう、私たち一人ひとりが監視を続けていかなければなりません。

以前にもこちらでちょっと触れたことがありますが、受給した年金は雑所得として課税されます。ちなみに同じような仕組みの雇用保険給付金(いわゆる失業保険)は非課税です。私自身はその性格を考えれば年金も非課税とすべきだと考えますが、現状は公的年金等控除の縮小等によりむしろ増税の方向に進んでいます。

以上のような事実を知ると、年金制度に対する不信感が増大するばかりかも知れません。しかし私自身は国はどんな手段を使っても国債と年金は守るだろうと考えています。現在、年金保険料はどうせ払っても無駄と考えて未納者になる若者が増えていますが、単純に損か得かを考えれば私自身は支払えるのなら支払っておいた方が得と考えます。なぜなら上でご紹介したとおり、これからは税金という形で保険料を徴収される割合が増えて来るからです。また「将来はこんな住みにくい日本は離れて海外で暮らすつもりだから年金は無駄」と考える方もいらっしゃるかも知れません。しかし国によってはリタイアメントビザの取得に年金の支給証明が必要なケースもありますので注意が必要です。そしてもし本当に経済的理由で支払えないのなら国民年金保険料の全額(一部)免除制度を活用すべきです。そうすれば年金の加入期間に加算されますし、国庫負担分は支払ったことになり将来の受給額に加算されますので。

あと記録漏れの件では中小零細企業にお勤めの方も注意が必要です。自分はサラリーマンで給与から天引きされているから大丈夫と思っていても景気低迷が続く中で保険料支払い逃れのため厚生年金に未加入の事業所も多いという現実がありますので、経営者の姿勢が今ひとつ信じられないとお感じの方は念のため確認をされた方が良いかも知れません。

最終的には私たち一人ひとりの関心の高さが理不尽な対応から逃れる唯一の方法ですので、今回の事件を契機として年金への関心を持ち続けていきたいものです。



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