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4資産均等運用、侮りがたし

kage

2020/11/08 (Sun)

今回のタイトルに掲げた4資産均等運用とは、別名を財産四分法とも呼ばれ、個人の長期資産形成においては古くから知られた一般的な手法です。具体的には運用資産を内・外株式と内・外債券に四等分するやり方であり、一般的にこの場合の外貨建資産には新興国を含みません(先進国のみ)。現在、この運用方法を採用しているのが年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)です。GPIFに関しては先日、2020年度第2四半期の運用成績が公表されましたが、下記報道にあるとおり、コロナショックから順調な回復を見せています。

GPIF、7―9月は4.9兆円の運用益 内外の株高が押し上げ(ロイター)

[東京 6日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は6日、2020年7―9月期の運用収益額が4兆9237億円の黒字だったと発表した。国内外での株式市場の上昇などで、9月末の運用資産額は167兆5358億円となった。

四半期ベースでのプラス運用は2四半期連続。全体の収益率はプラス3.05%だった。資産別では、国内株式がプラス4.93%、外国株式がプラス5.99%。

GPIFの宮園雅敬理事長は、「新型コロナウイルス感染防止のための経済活動の制限が一部で緩和されるとともに、景気対策として財政支出や緩和的な金融政策の継続により、国内外の株式市場は上昇した」と説明した。

9月末の資産構成比率は国内債券26.61%、外国債券23.46%、国内株式24.06%、外国株式25.88%だった。



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ご参考までにGPIFのサイトから、今年3月のコロナショックから現在に至るまでの運用成績を書き出してみました。

2020年度第2四半期(2020年7月~9月):+4兆9,237億円
2020年度第1四半期(2020年4月~6月):+12兆4,868億円
2019年度第4四半期(2020年1月~3月):-17兆7,072億円


ご覧のとおり、9月まででコロナショックのマイナス分はほぼ取り戻していますね。ご承知のとおり、その後も世界的に株高傾向は継続していますので、おそらく現時点ではプラスに転じていることでしょう。

ちなみにGPIFが4資産均等ファンド化するという話題は、当ブログにおいても4月5日付の「今週のひとりごと」で触れておりました。しかし、実際のところはコロナショックへの対応の中で一足早く事実上の4資産均等ファンド化が行われていたのです。下記はGPIFから出された2019年度業務概要書の14ページに掲載された第4四半期(まさにコロナショックに見舞われた2020年1月~3月)の資産配分ですが、内側の基本ポートフォリオに対して外側の実態がほぼ4資産均等になっていることがお分かりいただけるでしょう。

GPIF 2019年度4Q資産配分

そして下記が直近(9月末時点)の資産配分です。ご覧のとおり、ポートフォリオがほぼ四等分されており、GPIFの4資産均等ファンド化が完了したと言っても決して過言ではないでしょう。

GPIF 資産配分

あと細かい違いを言えば、3月末時点で5.95%あった短期資産(現金比率に相当)が9月末時点ではなくなっています(厳密には2020年度第1四半期末の6月末時点ですでにゼロになっておりました)。これは取りも直さずコロナショック後にリスク資産を買ったことを意味するわけで、GPIFもなかなかしたたかな運用をするなというのが私の偽らざる印象です。

これらを総合した過去の運用成績がGPIFのサイトのトップページに掲載されていますので、スクリーンショットを貼り付けておきます。

GPIF 運用成績

ご覧のとおり、市場の変化に臨機応変に対応しながらこれだけの成果を残しているのですから、その結果については適正に評価されるべきというのが私の意見です。果たして皆さんはどのようにお考えでしょうか?

本エントリーはここで終わりにしてもよかったのですが、せっかくですから私たち個人投資家にとって4資産均等運用ってどうなのよ?という視点でも考えてみましょう。

過去のエントリーに何度も書いているとおり、私個人としてはiDeCo口座で8資産均等ファンドを保有しています。ご承知のとおり、コロナショックはREITや新興国に大きな打撃を与えたため、8資産均等ファンドの下落幅は大きく、その後の回復も弱いというのが私の実感です。そこで4資産均等ファンドと8資産均等ファンドの単純比較を行ってみましょう。以下はいつものようにYahoo!ファイナンスからお借りしてきた過去1年の比較チャートで、対象は青:eMAXIS バランス(4資産均等型)赤:eMAXIS バランス(8資産均等型)です。

4資産・8資産比較 1年

いかがでしょう?見事に私の体感どおりの結果となりました。やはり8資産均等はREITや新興国を組み入れた分だけ、コロナショックにおいては4資産均等より不利であったことが一目瞭然です。それでは比較期間を3年に伸ばしてみるとどうなるでしょうか?

4資産・8資産比較 3年

ご覧のとおり、コロナショック前は逆に8資産均等の方が大きく上振れしています。ご承知のとおり、この頃はREITが絶好調でしたから、まさに我が世の春を謳歌していたんですよね。その後に大きな落とし穴が待ち受けているとも知らずに。それでは最後に5年比較チャートも見ておきましょう。

4資産・8資産比較 5年

これを見ると8資産均等の方が上下に振れる幅が大きいことが一目瞭然ですね。これこそが投資の世界におけるリスクそのものであり、結論としては4資産均等より8資産均等の方がハイリスクであると言えそうです。ただし、全体的には8資産均等の成績の方が総じて上振れしており、リスクを取った分だけのリターンは得られているようにも見えます。とはいえリスク許容度は人それぞれですから、安定運用を求めて4資産均等を選ぶというのも、もちろんありでしょう。

というわけで、最後は個々のリスク許容度に応じて決めましょうという常識的な結論に至りました。しかし、私たちの大切な年金資金を運用するGPIFが4資産均等運用を実践していることは紛れもない事実ですから、個人投資家としてもその動向や成果を大いに参考にできるのではないでしょうか?

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