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ひふみの資金流出は販売会社のせい?

kage

2020/10/25 (Sun)

10月22日付の日本経済新聞電子版にレオスの「ひふみ」、高い運用効率の秘訣は?と題する記事が掲載されました。その中でひふみシリーズを運用するレオス・キャピタルワークス株式会社の代表取締役会長兼社長にして最高投資責任者である藤野英人さんが資金流出に関して以下のように言及しておられます。

■ひふみから資金流出、「とても残念」

――「ひふみプラス」や「ひふみ投信」から資金流出が続いています。

「とても残念なことだと思っています。好成績を収めているにもかかわらず、資金が流出している理由は2つ考えられます。1つは個人投資家が日本の未来を信じられず、含み益が出た段階で売ってしまうこと。もう1つは販売会社が顧客に対し、含み益を抱えるファンドの売却を後押ししているケースがあります」


このように資金流出の一つの要因は販売会社のスタンスにあるとの藤野さんのご指摘から、今回のタイトルをいただいた次第です。

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この販売会社のスタンスについては、私にも容易に想像が付きます。すなわちかつて金融庁も問題視した、かの悪名高き「回転売買」のことでしょうね。具体的には「残念ながら最近のひふみは成績が低迷しています。そこで利益のある今の内に売却して、将来有望なテーマに投資するこちらの投資信託に乗り換えませんか?」といったセールストークで顧客に対して回転売買を促すのです。これにより販売会社は労せずして申込手数料(販売手数料)を稼ぐことができますので。

かつて藤野さんがテレビ東京系の経済情報番組「カンブリア宮殿」に出演された際に、私は「カンブリア宮殿 野次馬視聴記」(2017年2月19日付)と題するエントリーを書きました。その中で番組で紹介された金融機関におけるひふみプラスの販売手数料を調べておりました。なお当時の具体的な数字は以下のとおりです。

髙木証券 購入時手数料 1,000万円未満:3.24%(税込)
千葉興業銀行 申込手数料 購入金額に2.16%(税抜2.0%)を乗じた額としています。


それが今ではどうなっているのかを調べてみると、以下のようになっていました。

東海東京証券(髙木証券を吸収合併) 申込手数料 1000万円未満:3.3000%(税込)※ただしオンライントレードや積み立てでは優遇あり
千葉興業銀行 申込手数料 1億円未満:2.2%(税込)※ただしつみたてNISAならなし


ご覧のとおり、結局のところは消費税の引き上げ分だけ値上がりしていました。このような状況が続く限り、販売店において回転売買へのインセンティブはかかり続けるでしょうね。

私個人としては、ひふみ側が販売会社に付け入るスキを与えてしまったという側面もあると考えています。具体的には先に例示したセールストークにある「残念ながら最近のひふみは成績が低迷しています」の部分です。論より証拠で、前回のエントリーに掲載したひふみ投信の5年チャートをご覧ください。

ひふみ投信 5年

いかがでしょう?前回の設定来最高値を更新するまで約2年半かかった状況は「成績が低迷している」と言われても反論の余地はありませんよね。長くこのような状況に置かれた受益者は誰しも、利益が出れば「やれやれ売り」を出したくなるものです。その心理を巧みに販売会社に突かれて「損益がプラスに転じた今こそ乗り換えには千載一遇のチャンスです」と言われて、その口車に乗ってしまう受益者も少なくなかったのでしょう。すなわち資金流出の一因は設定来最高値の更新まで2年半もかかってしまった運用チームにもある(あえて厳しい表現をするなら「自業自得」)というのが私の考えです。その点はぜひ真摯に受け止めてくださいませ。

さて、ここで話題を少し変えましょう。上記インタビュー記事の中で藤野さんはSBIホールディングス傘下入りについて下記のように言及しておられます。

――SBIホールディングス傘下入りで変わったことは。

「現時点ではデメリットは全くありません。SBI側からは好きなように思う存分やってくれと言われています。いずれはSBIが掲げる地銀連合構想の中で、当社のファンドを拡販していきたいと考えています」


ご承知のとおり、地方銀行は日銀の異次元金融緩和によるマイナス金利政策で疲弊しています。だからこそ投資信託の申込手数料(販売手数料)が貴重な収入源になっており、顧客に回転売買を促す動機付けにもなっているのでしょう。このあたりの整合性を藤野さんがどう考えておられるのか?個人的には大いに気になります。願わくば、SBIホールディングスの北尾社長に直談判してでも、地方銀行の意識改革に取り組んでいただきたいものです。

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