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侮れない個人投資家の影響力

kage

2006/12/10 (Sun)

先週の為替動向は週末に少し戻したとはいえまだ円高傾向が続いています。海外資産に大きなポジションを置いている身としては円高は資産の目減りに直結するだけに悲しむべき状況といえますが、私自身はそれほど悲観はしていません。なぜなら世の中がボーナスシーズンを迎えて、支給額の一部が投資信託や外貨預金などを通して外貨買いに向かうと想定できるからです。もし私が投資信託の販売担当だったら間違いなく「円高の今が投資のチャンスです」というセールストークを使うでしょうから、外貨商品を扱う証券会社・銀行・郵便局にとってはまるでボーナスシーズンに合わせたような円高は外貨商品の販促につながる追い風として大歓迎しているかも知れませんね。

今年の春ごろに外国為替証拠金取引(通称FX)を駆使する日本の個人投資家の力が為替動向で無視できないものになっているという記事を書きましたが、現実に個人の外貨投資により為替がどれくらい影響を受けるのかについては素人の私が簡単に想像することはできません。しかし投資信託ホルダーにはおなじみのモーニングスター社の11月30日まで3カ月間の純資産額の増加ランキングを見ると海外に投資するファンドが圧倒的多数を占めており、個人投資家の行動が相当な円売り圧力になっていることが容易に想像できます。どうやら日本の個人投資家の影響力は侮りがたいものであることは確かなようです。

人気blogランキングに参加しています 人気blogランキングへ さて、このような個人投資家の力を再認識した上で注意しなければならないのは、前回の記事でも触れた証券優遇税制廃止後の個人投資家の動向です。日本の個人投資家が外貨や外国株などの外国の資産を買うことはすなわち日本円を売るとういことです。低金利で弱い日本円を売って高金利で強い外貨を買うという行動は、以前から何回も採り上げてきたヘッジファンドが好んで行うキャリートレードそのものです。日本の低金利政策を背景にして日本の投資家はせっせと外貨資産を積み上げ、反対に外国の投資家は日本円を借りまくる。この日本円を借りるのは今やヘッジファンドだけでなくこちらでご紹介したように欧州の住宅ローン利用者にまで拡大していますので、日本円を中心としたキャリートレードの実態はわれわれの予想以上に世界中に拡大していると思われます。

今年6月に起こった世界同時株安の原因のひとつは、日銀のゼロ金利解除によるヘッジファンドのキャリートレードの巻き戻しだったといわれています。ヘッジファンドの動きだけでも世界中にあれほどの影響があったのですから、もし証券優遇税制廃止によって個人投資家が一斉に外貨資産を引き揚げる(外貨を売って日本円に戻す)ような事態が起これば世界経済に及ぼす影響は量り知れません。ロイターの海外投資家も証券税制を注視、日本株売りのリスクもという記事にはヘッジファンドの多くが日本国内の投資家の動向に注目していると指摘し、「日本の投資家が07年末に向けて利益確定の売りに急ぐという地合いを察知する前に、ショートポジション(売り持ち)を作りに動くだろう」とみると書かれていました。このように日本の個人投資家の動向が世界経済に多大な影響を与え得るという事実を認識した上で、証券税制のあり方については「金持ち優遇」と簡単に切り捨てるのではなく、もっと深く掘り下げて真剣に議論していただきたいと願うものです。

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