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最近気になっているファンド

kage

2019/06/23 (Sun)

最近ネット上で情報収集を行う際にたびたびその名を見かけるようになり、気になっているファンドがありますので、今回はそれをネタにすることにしました。その名はズバリ「グローバル3倍3分法ファンド」(日興アセットマネジメント)です。実は4月24日付で日経新聞のサイトにも取り上げられており、ここに来て急速に注目度が増していることは間違いありません。

「3倍3分法」で増やす分散投資(話題の投信)(日本経済新聞)

以下はファンド資料からの引用ですが、ご覧のとおり今年の4月から急速に純資産総額が増えていることがお分かりいただけるでしょう。

グローバル3倍3分法ファンド03

また運用成績についても上記のとおり、昨年10月4日の設定来で+10.2%(5月末時点)と、あの「クリスマス暴落」をはさんで難しい相場展開が続く中でも十分に満足できる結果を残しています。

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それではここで改めて「グローバル3倍3分法ファンド」の仕組みを簡単にご説明しておきましょう。その名が示す「グローバル」とは国内外の資産に投資を行うという意味であり、「3倍」とは先物を使って3倍のレバレッジをかけるということです。そして「3分法」とは株式、REIT、債券に分散投資を行うことを示しています。すなわちこのファンドは、これまで長期投資とは相容れなかったレバレッジを組み合わせたという点で画期的な存在であると言えるでしょう(この際その是非は問いません)。ちなみに以下がその具体的な資産配分比率です(目論見書からお借りしました)。

グローバル3倍3分法ファンド01

ご覧のとおり、元となる資産配分比率は株式20%、REIT13.3%、債券66.7%です。これだけを見ると、長期投資前提であっても保守的と言えるでしょう。さらに細かく見ていくと、株式は日本、先進国、新興国で三等分、REITは日本と海外で二等分、債券は日本、米国、ドイツ、英国、オーストラリアで五等分となっており、個人的には「8資産均等」と同じようなザックリ感を覚えます。そしてこのファンド最大の特徴である先物を使ったレバレッジでそれぞれに3倍相当の投資を行うわけで、合計が300%となっている点にぜひご注目ください。すなわちこれは、このファンドを1万円分買えば実質3万円分の投資をしたのと同等の結果が得られることを意味します。その成果イメージは下記のとおりです(こちらも目論見書からお借りしました)。

グローバル3倍3分法ファンド02

この資料を見た私の素直な感想は、「確かにリターンの3倍増には期待できるが、同時にリスクも3倍増になるので、投資効率(シャープレシオ)は変わらないのでは?」というものです。アニメの世界で「3倍」と言えば例の赤いヤツが有名で、圧倒的な性能の象徴でしたが、ファンドの世界の「3倍」は上昇時だけでなく下落時もレバレッジがかかるので、「必ずしも有利ならず」というのが私の偽らざる直感でした。とはいえ上でご紹介した日経新聞の記事を読むと、この資産配分やレバレッジ比率は過去の知見や内部テストを繰り返して導き出したとのこと。もしかすると私のような素人には思いもよらない絶妙の組み合わせなのかも知れません。事実、設定来では十分に満足できる結果を残していますしね。そこでご参考までに他の代表的なバランスファンドと運用成績を比較してみました。下記はモーニングスターのサイトからお借りしたもので、橙:グローバル3倍3分法ファンド緑:eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)赤:セゾンバンガードグローバルバランスファンドです。なお起点はグローバル3倍3分法ファンド設定日の昨年10月4日になっています。

グローバル3倍3分法ファンド比較

ご覧のとおりグローバル3倍3分法ファンドは他のファンドを圧倒する結果を残しており、まさにこれは「3倍」の名に恥じぬ実績と言えるでしょう。とはいえこの目先の好成績だけを見て飛び付くのはいささか早計かも知れません。その理由を説明する前に、まずはファンド資料からこの好成績の要因を分析してみましょう。以下はファンド設定来の各アセットクラスの推移を示したものです(運用成績ではありませんのでご注意ください)。

グローバル3倍3分法ファンド04 グローバル3倍3分法ファンド05

ご覧のとおり株式はすべてマイナスで、REITと債券がすべてプラスという結果になっています。先にご説明したように、このファンドの特徴は債券比率の高さ(全体の2/3)にありますので、現在の好成績は債券が牽引したものと言えるでしょう。ご承知のとおり現在の世界経済は景気後退懸念に米国の利下げ期待や地政学的リスクが加わり、債券が買われて(=値上がりして)長期金利が低下しています。この追い風に3倍のレバレッジをかけたことが現在の好成績を生んでいると考えてまず間違いありません。ちなみに下記は各アセットクラスごとの基準価額への影響度分析です。ご覧のとおり指数としては絶好調を維持している国内REIT以上に投資割合が大きい(=レバレッジ効果が大きい)海外債券がリターンを稼ぎ出していることがお分かりいただけるでしょう。

グローバル3倍3分法ファンド06

以上の点から私は、現状の好成績は組入比率の大きい(=レバレッジ効果が大きい)債券にたまたま追い風が吹いている影響が大きいと判断します。もしも将来、長期金利が上昇に転じた(=債券価格は下落)時にどうなるのか?個人的には大いに興味があります。さらに、先物を多用していることから実質の運用コストがどのくらいになるのか?にも懸念が残ります。例えば先物を使ったレバレッジETFでは日々のコストで基準価額が徐々に毀損するため、長期投資には向かないことがよく知られていますので。また長期投資を謳っていても決算で分配金を出す可能性があり、その点でも注意が必要ですね。そういう意味でも個人的には、まずは今年10月の第1回決算の中身を確認してから投資判断をしても遅くないのでは?と考えています。ただしその存在自体は間違いなく個性的で興味深いファンドですので、今後ともウォッチは続けていくことにしましょう。

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