2020 03 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. »  2020 05

山崎バズーカ第22弾炸裂

kage

2019/01/27 (Sun)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第22弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は先々週の1月12日(土)でした。本当ならもっと早くブログネタにするつもりだったのですが、年明け早々何かと多忙で、文字起こしの作業時間が取れず公開が遅れてしまいました。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は第16弾以来久しぶりとなる第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さんでした。

なおタイトルをご覧いただければお分かりのとおり、今回は前編と後編に分けておりません。これは文字起こし作業が遅れて、できるだけ駆け足でまとめたためで、VTRによる説明部分や出演者のちょっとした掛け合い部分は泣く泣くカットしております。例えば番組レギュラー出演者の鈴木奈々さんが山崎さんに何度言われてもまだ保険にガッツリ入っていることや、でも最近の円高で外貨建てでは損をしていると山崎さんに皮肉を言われる部分などがこれに該当します。何卒ご了承くださいませ。

それでは早速今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

(Sponsored Link)


1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて永濱さん:「勤労統計 過少給付567億円」。実はこれには伏線がある。2015年にサンプル替えをした時にデータがブレたことで大問題になった。そこで政府が改善検討会を開催し、私はその委員をやっていた。その時にはサンプルがキチンと調査されている前提でどうすればデータがブレないかの検討を行ったが、サンプルすらいい加減だった。

番組MCの田村淳さん:なぜこのようなことが起こるんですか?

永濱さん:役人が手を抜きたかったのでは?手を抜くためのプログラムも作っていたという話なので、かなり悪質。私はこれが政治的に大きな影響が出ると思っている。なぜなら12年前の消えた年金問題と結構近いので。12年前も統一地方選挙と参議院選挙が一緒だった。あの時、消えた年金問題に対処したのが第一次安倍政権。結果的にこの問題で支持率が下がり、安倍首相は退陣に追い込まれた。今回も問題が大きくなりそう(筆者注:放送から2週間で実際に大きくなっています)。もし参議院選挙で自民党が大敗するようなら、アベノミクスは終わるかも知れない。安倍さんが嫌いな人は嬉しいだろうが、外国人投資家は株を売るだろう。そうなると景気にも影響が出てくる。

田村淳さん:そもそもお役人のデータの扱い方が雑過ぎるという指摘は前々から出てませんでしたか?

山崎さん:「サバを読んでも分からないだろう」というようなことをあちこちでやるようになってますよね。民間でも自動車の検査不正などがあるし(筆者注:建設業界では耐震偽装もありましたね)。全体的に「調べられなければ分からない」という姿勢が蔓延してきているように思える。

田村淳さん:姉歯さんの時(構造計算書偽造問題)にあれだけみんなで叩いたのに、国がそれをやっている、官僚もやっているとなったら何を信じればいいのか分からないですよね

山崎さん:官僚も企業も個人も信任をしない方がいいですね。

番組アシスタントの古瀬絵理さん:何を信じたらいいんでしょう?私たち。

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて山崎さん:「東京地検 ゴーン被告を追起訴」。罪を認めなければずっと勾留を続けていいという形でこれまで日本はやってきた。しかしさすがに人権上無理があるなという感じがする。取り調べに弁護士が立ち会えないとか。罪を認めなければ出してもらえないというのは事実上禁固刑を与えているようなもの。それはまだ有罪になっていない人に対してはまずいんじゃないかなと思う。ゴーン事件に関しては最初の容疑(有価証券報告書不記載)にしても特別背任にしても有罪が立証できるかどうか結構微妙。相当強欲だったということはあっても、不正を知りながら指示したメールのような決定的な証拠はまだ出てきていない。証拠の固め方が甘かったのでは?という気もするし、日産という会社が大丈夫なのかな?という気もする。司法取引があったにせよ西川社長には経営責任があるわけで、普通の社長の感覚からすると辞任していなければおかしい。また日産が完全にルノーの傘下に入ってしまうのか?あるいはある程度距離を置くのか?についても背後にフランス政府や日本政府がいるのでハッキリしない。でも会社として何とかしなければならないとは思う。ルノーに株主総会を要求されれば拒否できないし、議決権も握られているので、ある程度の影響力は容認するしかないと思うが。

田村淳さん:フランス政府はルノーを通じて日産を押さえたいと。

山崎さん:例えばイギリスにある日産の工場をフランスに持ってきていというような意図があるのだろう。ゴーン氏はフランス政府とそのような背景を話し合った上で日産の会長職に就いたとも言われている。

永濱さん:私はフランス当局がJOCの竹田会長を捜査したことがゴーン事件と関係しているようにも思える。

田村淳さん:そっちがゴーンをやるならこっちは竹田をやるぞと。もう無茶苦茶じゃないですか。

山崎さん:中国みたいになってきましたね。でもオリンピックの招致なんかは叩けば埃が出るでしょうから。

今週のキキタイ、テーマは「2019年の景気は?私たちのお給料はどうなる?

永濱さん:日本の景気は今年の秋から悪くなると思う。そもそも株は景気を先読みして動くので、目先の株価が下がっているということは今年の景気は厳しい。実際に最新の景気ウォッチャー調査では企業部門が2年半ぶりの水準まで下がってしまった。現実に株が下がると実体経済にも影響が出てくる。秋には消費増税もあるし、オリンピックにしても前回の東京大会を見るとちょうど1年前くらいが景気のピークになっている。つまりオリンピックの直近1年間はむしろ景気が悪くなる。今年秋には新国立競技場も完成して建設需要はピークアウトする。それを見越して株は今年前半から厳しくなる。ただアメリカ経済は景気が悪くなってもせいぜい1年程度。日本でも1年半程度。今回の景気後退はリーマンショックのような状態ではないのでおそらく2020年が最悪で、そこからは循環的に戻ってくるのではないか。

山崎さん:現在の経済状況は民主党政権時と比べると良くはなっている。アベノミクス自体はやらないよりやった方が良かった。しかし賃金が上がるところまではきていない。賃金を上げるためには人手不足を恒常的な状態にしておく必要があるのだが、外国人労働者の受け入れを始めようとしている。給料を上げなくても労働者は簡単には辞めないので経営者も労働分配率を上げようとはしない。国からは自己資本比率を小さくして利益を上げろ(いわゆるROE重視経営)と言われる。賃金を上げると利益が減るので両立は無理。それではどちらを優先するかといえば、ROEを上げて株主からの評価を上げる方が自分自身の給料を上げやすいのでROE重視(賃金軽視)になる。日本の景気は海外の影響を強く受けるので、アメリカ経済の一巡感や中国経済の低迷を考えれば今年はあまり思わしくないだろうが、リーマンショック前のようなバブルの状態ではなく金利が上昇したので景気が交代する自然循環になっているので最悪期はそう長続きしないのではないか。

番組レギュラー出演者の鈴木奈々さん:じゃあお給料上がらないんですか?

永濱さん:現状は2016年と似ていて、当時も株が下がっていた。あの時も春闘で賃上げ率はものすごく下がった。今年の春闘も厳しいだろう。そうなるとお給料面も厳しい。ただしプラス面もある。原油価格が下がっているので、その波及効果でガソリンなどの消費負担は減る。また携帯電話料金もおそらく下がるだろう。そう考えると給料は上がらないが物価もそれほど上がらないのでトータルでは若干のプラスかなと思う。

山崎さん:でもまた何かジワッとデフレっぽくなりますね。

永濱さん:あとあえて良い面を挙げるなら、今年はテレビが売れると思う。昨年から4K・8K放送が始まった。消費増税前の駆け込みもあるし、今年のラグビーワールドカップや来年の東京オリンピックを控えて結構売れるのではないか。

山崎さん:消費増税見送りがあれば一番いい。これまで出ている消費増税対策はどれもパッとしないものばかり。統一地方選挙や参議院選挙を控えて最大の選挙対策にもなるし。

永濱さん:ゴールデン・ウィークの10連休も良い面。私個人としてはこの間のマーケット変動を恐れてみんな株を売ってしまうのでやらない方がいいと思うが、働き方改革でも長期休暇を取れない人にとっては貴重だと思う。実際に10連休中のパック旅行は売り切れが出るほど。

山崎さん:日本の金融市場が10連休すると、終わってマーケットが開いた時にものすごい円高になっているかも?

永濱さん:景気は2020年が最悪だと思うが、東京オリンピックで日本人選手が活躍すれば気持ちは高揚するかも?あと天皇の代替わりについても前回は昭和天皇崩御で自粛ムードだったが今回はお祝いムード一色になるので景気にはプラスかもしれない。

山崎さん:でも元号を変えるためのシステム改修に手間とコストが…

田村淳さん:いいんですよ、山崎さん!マイナス面は。

山崎さん:新元号は4月1日に発表で5月1日から始まるのでシステム改修も1ヵ月間でやらなければならない。システム担当者は相当残業しなければならないだろう。

田村淳さん:でも残業すればその分収入が増えて、せっかくもらったのだから使おうとなって消費拡大につながるのでは。

山崎さん:無駄な仕事でも仕事があることはいいことですね。

田村淳さん:無駄な仕事!元号を変えるのも大切な仕事ですから。

鈴木奈々さん:2019年は気持ちで上げていこうと思いました。

番組後半のテーマは「巨大IT企業の問題点とは?

ザックリと説明すると、米国を代表する巨大IT企業GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が膨大な個人情報を収集して活用することが問題だと指摘されている。一方で新たに台頭してきた中国の巨大IT企業BATH(Baidu、Alibaba、Tencent、HUAWEI)は反対に国家の意向を背景に個人情報を積極的に活用している。今の価値観で良し悪しを判断していいのか?そして私たちの未来はどちらに向かうのか?というのがこのテーマのポイントです。

山崎さん:技術面では中国の勝ちになると予想するAIの学者は多い。技術水準は相当のレベルにまできているし、国家もそれをバックアップしている。

田村淳さん:中国だと倫理観を飛び越えて研究できますもんね。

山崎さん:人口10億人という大きな母集団を持っていて、そこで実験し放題なので中国は強い。だから中国がアメリカに勝つという予想もあり得る。

永濱さん:巨大IT企業の競争で中国に負けるなどアメリカ国民にはとても容認できない。そうなると中国叩きがより強まる。それは世界経済にとって大きなリスク。

田村淳さん:この争いの中に日本企業がまったくいないのが若干寂しくもある。

山崎さん:個々の製品だけで考えれば、例えばアップルをソニーが打ち負かす可能性もゼロではない。しかしグローバル展開した巨大IT企業に日本の個々の電機メーカーはとても太刀打ちできない。1社が投資できる金額にも限界があるので逆転は事実上不可能だろう。

永濱さん:巨大IT企業には税金という問題点もある。税金がより安いところに拠点を移して、ものすごく儲かっていても全然税金を払っていない。これが国際的な大問題になっている。

山崎さん:Facebookの純利益率は30%を超えていて、個人情報を集めて売るのはものすごく儲かることがよく分かる。

消費増税前に買っておくと良いものは?との視聴者からの質問に対して永濱さん:売れなくても値下げしない定期券とか。後は税金がかかる人間ドック、インプラント、増毛など。

山崎さん:あまり駆け込みで買わない方がいい。特に不動産は今のタイミングでは止めておくべき。

以上、山崎バズーカ第22弾炸裂をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?前半のテーマに関しては、2019年と2020年の給料アップにはあまり期待できそうにありませんね。でも資産運用の観点では永濱さんの予想どおりに2020年が景気後退の底になるのであれば、そこは(筆者注:決してダジャレではありません)投資には千載一遇のチャンスと捉えることもできそうです。なぜなら山崎さんご指摘のとおり、これがバブル崩壊ではなく景気の自然循環であるのならば、その後は再び上昇に転じるはずですからね。もちろん投資の世界に「絶対」はありませんので、すべからく投資は自己責任でお願いいたします。

後半のテーマに関しては、「結局のところ、アメリカ型と中国型のどちらが私たちにとって幸せなの?」ということですよね。番組内でも紹介されていましたが、中国ではすでにSNSの評価により融資枠や婚活のマッチングサイトのランクが変わることが実際に起きています。私が別のテレビ番組で見た実例としては、最近の中国の若者はこの数値化された自身の信用評価を見せ合って、自慢するのが普通になっているそうです。この信用評価は例えばレンタル自転車を返却する際に決められた枠内に置かないとGPSで確認されて減点されるため、若者のマナー向上にも効果があるとのこと。これを堅苦しい監視社会と捉えるのか、生活向上のための新たな抑止ルールと捉えるのかは人それぞれだと思いますが、私個人としてはいずれ人類は中国型の未来を目指すことになるのでは?と感じました。

以上で山崎バズーカ第22弾炸裂はすべて終了です。次回はいつになるのか分かりませんが、どうぞお楽しみに。

(Sponsored Link)

関連記事

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック