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ひふみ投信大反省会リターンズ

kage

2018/12/22 (Sat)

本エントリーは11月10日に書いた「ひふみ投信大反省会」の続編です。このところ市場の大逆風にさらされて満身創痍状態のひふみ投信ですが、まずは前回のエントリーでご紹介した運用元であるレオス・キャピタルワークスの上場延期の続報から始めましょう。その後、下記の報道などで事態の中身が多少なりとも判明してきました。

レオスの上場延期、主幹事証券が事実上要請 藤野社長「法令違反などなく納得できない」(日本経済新聞)

レオス藤野氏激白「みずほ証券が上場延期要請」 25日のマザーズ上場、異例の取り止め(日経ビジネスONLINE)

これらの記事を見る限り、今回の騒動の発端はIPOの主幹事を務めたみずほ証券からの申し入れだったようですね。しかしレオス社側はそれに納得できず、「根も葉もない言いがかりレベル」だと判断してその詳細については明らかにしないという立場なのでしょう。しかしここは一度冷静になって考えてみてください。もし自社の投資先があのような奥歯に物がはさまったようなニュースリリースを出してきたらどう思うでしょうか?レオス社が今後も引き続き上場を目指すのであれば、徹底した情報公開が必要不可欠です。ですから「隗より始めよ」の精神で、先方の要請と自社の言い分を堂々と公開してはいかがでしょう?現状のままだと私たち受益者としても情報不足から疑心暗鬼になり、折からの相場環境の悪さも手伝って浮足立つ可能性も大いにありますので。

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ちなみに上場直前になっての中止は異例のことではありますが、前例がないわけではありません。私の記憶に強烈に残っている事例としては2016年12月のZMPが挙げられます。自動運転を手がけるZMPは私がNISA投資の主力にしているドリームインキュベータの投資先でもあり、その上場には大いに期待しておりました。しかし上場承認後に顧客情報の流出が判明し、結局ZMP側から上場中止を申し入れることになりました。その後何度も再上場の噂が流れてはいるのですが、同社はいまだに上場を果たせていません。このように、一度「ケチ」が付いてしまうと再チャレンジは容易ではないのかも知れませんので、レオス・キャピタルワークスの上場についてもあまり過度な期待はしない方がいいような気がします。ここは発想の転換で、これは「相場環境が最悪の時期にわざわざ上場することはない」という天命だったと思って、誰からもツッコミを受けないよう体制の強化に努めてくださいませ。

さて、それでは次の反省点に話題を移しましょう。冒頭にも書いたとおり、ひふみ投信はこのところ市場の大逆風にさらされて満身創痍状態であり、12月18日には基準価額の下落を受けて臨時レポート「ひふみ投信の基準価額変動について運用責任者からのメッセージ」が出されました。この文面の中にも個人的に気になる点がいくつかありましたので、ここはひふみ信者として将来の改善につながればと心を鬼にしてあえて指摘させていただきます。まずは下記の一文をご覧ください。

ひふみ投信の基準価額下落にともなう臨時レポートは原則、基準価額が5%以上下落したときにお出ししています。今回の基準価額の下落はその基準より小さいのですが、昨今の株価変動について不安を感じていらっしゃるお客様へ、少しでも不安の軽減につながればとわたしたちの考え方、そしてマーケットの見通しを改めてお伝えいたします。


今回の臨時レポートは前日比マイナス1,411円(-3.22%)で出されており、本来の「反省文」とは違うのだと言いたいのでしょうが、現在のような相場環境で基準価額がダダ下がりの時にこのような言い方をして私たち受益者の神経を逆なでするとは思われなかったのでしょうか?この一文は過去にも使われており、おそらく今回も定型的に使いまわしたのでしょうが、それではこの日までの3営業日の下落率はどのくらいだったのか?(答は45,065円→42,435円で-5.84%です)、あるいはこの日から昨日までの3営業日でどれくらい下がったのか?(答は42,435円→40,158円で-5.37%です)を考えてみてください。このようにわずか6営業日で下落率が-10%を超えるような緊急事態であってもまだ「反省文」を出す必要はないとお考えであれば、それはぜひ改めていただきたいと思います。具体的にはこれまでのような1営業日で-5%だけではなく、今回のように3営業日で-5%でも臨時レポートを出すような基準変更をぜひご検討ください。

とはいえ臨時レポートはただ出せばいいというものでもありません。言うまでもなく重要なのはその中身です。今回の内容をあえて辛辣にまとめるなら「相場が行き過ぎているから基準価額下落も仕方がない」となるでしょう。しかしそれは言い訳にならないと私は考えます。なぜならひふみ投信は「守りながら増やす」を看板に掲げて営業しているのですから、プライドがあれば「相場環境が悪いから基準価額の下落もやむなし」などとは口が裂けても言えないはずです。現在のような相場環境に対応することが極めて難しいのは私も重々承知しておりますが、ひふみ投信は他の一般的な投資信託とは異なり現金比率を最大50%まで高めて守りに入ることを許されているのです。それなのにほぼフルインベスト状態(11月末時点の現金比率は4.1%)でこの困難な相場に戦いを挑んだ理由こそ受益者に説明されるべきでしょう。

カンブリア宮殿効果でひふみ投信マザーファンドの資産規模が急拡大しても、依然として大型株比率は42.0%(11月末時点)に過ぎません。すなわちひふみ投信はいまだに中小型ファンドなのです。然るに現状は今年1月までの中小型ファンドバブルが崩壊し、売りが売りを呼ぶ悪循環に陥っています。このため、資金規模が大きいひふみ投信は売るに売れない状況(自分自身の大きな売りで値崩れしてしまうため)に追い込まれているのかも知れません。これはかなり以前から指摘されていた資産規模拡大がもたらすリスクですが、実際に手をこまねいてそのリスクが顕在化したのであれば受益者としても看過できない大問題です。この点も含めて、下落相場に備えたパラシュートを持っていたのに使わなかった理由をぜひ正直に説明してください。

「相場環境が悪いから基準価額の下落もやむなし」という説明なら誰でもできます。それで許されるのであれば、今年1月までの上昇相場においても「ただ相場環境が良かっただけで、決して我々の実力ではないので誤解なきよう」という臨時レポートを出すべきです。投資はすべて自己責任である以上、現在の結果は甘んじて受け入れますが、運用チームの皆さま方におかれましては私たちが信じて託した大切な資産を守れなかったことに対して真摯な説明を希望します。広い意味ではこれも情報公開ですから。

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この記事へのコメント

kage

どうして適切な時期に大型株にシフトしなかったのか、現金比率を上げなかったのか、運用の仕方に失敗したと言わざるを得ません。
おっしゃる通りアクティブファンドは結果が全て。
それでもひふみの理念や方針を信じて2012年頃からコツコツ投資していました。
ただ今回の上場延期だけはいただけません。レオスという会社自体が信用できなくなりました。
もしかして私たちが全く知らない裏の顔があるのかもしれません。
上場延期に対する適切な情報開示がなければ全て一度手放すことを検討しています。

Posted at 10:26:20 2018/12/24 by junjun

この記事へのコメント

kage

junjunさん

コメントありがとうございます。

組入銘柄の調整に関しては、米国の超大型株を外した時(10月頃)に日本株の方にも大胆に切り込めばよかったと思うのですが、やはり中小型株の流動性が低いゆえに売るに売れない状況だったのでしょうか?もし本当にそうであれば、私たち受益者にとっては由々しき大問題ですね。

上場延期に関してはみずほ証券の申し入れが納得できないため、その詳細を明らかにしたくないという心情は理解できなくもありません。しかし今のままではどうしても疑心暗鬼を招いてしまいますよね。ですから私としても明日以降、何らかの情報公開が行われることを希望します。

Posted at 22:30:40 2018/12/24 by おやじダンサー

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kage


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