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山崎バズーカ第21弾炸裂 前編

kage

2018/12/08 (Sat)

経済評論家の山崎元さんがTOKYO MX(正式名称は東京メトロポリタンテレビジョン)の番組に出演された際の歯に衣着せぬご発言の数々をご紹介するこのシリーズも回を重ね、今回で第21弾となります。山崎さんがご出演されたのはこれまでと同様に「田村淳の訊きたい放題!」(リンク先は番組公式サイトです)で、放送日は先週の12月1日(土)でした。なお今回の相棒(もう一人のゲストコメンテーター)は千葉商科大学国際教養学部専任講師で人材コンサルタントの常見陽平さんで、第18弾以来となる札幌南高等学校の先輩後輩コンビの復活となりました。

なおタイトルをご覧いただければお分かりのとおり、今回も前編・後編に分ける構成にさせていただきます。当初はまた初心に立ち返り要点に絞って1本にまとめるつもりだったのですが、実際に文字起こし作業をしてみると途中まででかなり長くなってしまいましたので一旦区切りを入れることにしました(実はまだ文字起こし作業は終わっていません)。

それでは早速今回も放送の一部を文字に起こしてご紹介させていただきます。なお毎度のご注意となり誠に恐縮ですが、以下に掲載する出演者のご発言は私の判断で言い回しを変えておりますので、ご本人の真意とズレてしまっている可能性のあることをあらかじめご承知置きください。

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1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて山崎さん:やっぱりゴーンですかね(見出しは「ゴーン容疑者、退任後報酬認める」)。本当に有罪になるのかどうか、ちょっと微妙な感じがする。もちろんお金を遣っていたことはあるのだろうが。金融商品取引法では株主や投資家のために確定した報酬を記載するよう定めている。(有罪にするためには)報酬が確定しており不正を指示したという本人の認識を立証しなければならない。将来もらう気ではいたと言っているようだが、8~10億円という金額は世界的な企業では決して高くない。だから20~30億円もらって当然だという意識はあったのだろう。ただその金額が確定しておらず、法律上問題ないように処理するように言っていたのであれば、不正を指示したことを検察が立証することはなかなか困難だと思う。おそらく日産社内のアンチ・ルノー派や日産がルノーに取り込まれることをよしとしない政府関係者の意図もあるのだろうし、逆にフランス政府側としては今のルノーはもはや日産がなければ立ち行かない会社になっているので支配力を強めて、例えばフランス国内に日産の工場を造りたいというような意図があり、両者がせめぎ合う形になっていることはまず間違いない。それで逮捕することがよかったのか?また逮捕するだけの材料を本当に検察は持っていたのか?が少し心配な面がある。報酬に関する記載をキチンとしていないのであればゴーンさんも悪いのだが、それを訴えている西川さん(日産の社長)も同罪のようなもの。一方を司法取引で許して、一方を摘発することは果たしてフェアなのか?という問題もある。ここであえてテレビを観ている若者に言いたいのは、20~30億円は巨額に思えてもサラリーマン社長だと所詮はその程度。成功したオーナー社長の保有資産は数千億円と桁違い。だから若い皆さんは起業を目指しましょう。サラリーマン社長が欲を張ると何となくみっともないじゃないですか。

常見さん:個人的にはライブドア事件やリクルート事件、ロッキード事件と一部共通点があるように思える。事件自体が他の意図に利用されている感がある。なぜいきなり逮捕だったのか?とか。これが恣意的に行われているのであれば怖いことだし、国家間のドロドロとした部分も感じる。

山崎さん:「指示するメールがあった」というような物的証拠がなかなか新聞に出てこない。「ここに家があった」とか「こんなに強欲だった」とか「社員はこう言っている」という話ばかりで、もしかしたらまずいのではないか?

常見さん:本当に全国紙が東スポのような話をするなよと思う。東スポは愛読していますけれども。何が悪くて、どこまで証拠があるというような話でないのはちょっとよくないなと思う。あと「その手の噂は前々からあった」と記者が今さら言うなとも思う。

1週間NEWSフラッシュ!から気になる話題は?と問われて常見さん:「同一労働同一賃金のルール決定」。これにより日本の派遣労働者など非正規労働者を巡る風景が変わるのかなと思う。僕はかつてリクルートにいて、1年間だけ「とらばーゆ(女性のための求人・転職情報誌)」編集部にいたのだが、はっきり言って暗黒時代だった。一般的に「とらばーゆ」は女性の雇用を増やして社会進出を後押ししたと言われるが、決してそのような側面だけではない。時代の流れに乗った側面もあるし、最後の方では「派遣スタッフになれば残業代も付くし柔軟な働き方ができる」とあおっていた。「ふざけるな!残業手当が付かない会社の方がおかしいのだ」という話。一緒に働いていた派遣社員は交通費がもらえず、給料も少ないので、食事時間になると皆打ち合わせテーブルでお弁当を食べていた。今回のルール改正で手当や福利厚生で違いを認めないというのは大きな前進だと思う。しかし本当に重要なのは給与や賞与で納得感が得られるかという点。例えばサービス業の現場はもはや非正規雇用前提で動いており、戦力化を通り越して基幹化している。そこで本当に待遇が改善される流れになるのか?とか、仕事がどう評価されるのか?などは注視していく必要がある。この件に関しては今後ドンドン訴訟が起こってもおかしくないなと思っている。よくネット上ではより待遇を良くしたいなら辞めて転職しろという意見を目にするが、現実は日々の生活を回すのが精一杯で転職活動をする暇などない。

今週のキキタイ、テーマは「わたしたちの生活も変わる?外国人労働者拡大へ、問題点を考える

常見さん:労働力不足は深刻。最近では限界集落ならぬ、限界企業という言葉も生まれるほど。これは人材が採用できなくて回らない会社のこと。問題なのは少子高齢化の進行で人手不足になることは前々から分かっていたのに有効な対応策を打ち出せなかったこと。政府はAIを活用した労働力革命などを打ち出しているが、いかにも拙速。今回の法案も稚拙で、将来の絵がなかなか見えない。

山崎さん:私は賃金が上がってから外国人労働者を入れる流れの方がいいと思う。日本の人口構造を考えると外国人を計画的に受け入れることは必要だし望ましい。ただしどういうペースで進めるかには合意が必要。また受け入れるには教育、年金、医療保険などの対応も必要。今回の法案はとりあえず人手が足りない部分を外国人労働者で埋めさせてくれと言っているように見える。日本がデフレから脱却するためには賃金の上昇が必要。人手不足がとりあえず外国人労働者の受け入れで解消されれば、非正規雇用の低賃金が固定化されてしまう恐れもある。

番組MCの田村淳さん:賃金が上がれば雇用のミスマッチも解消されますか?

山崎さん:ある程度は解消されるだろう。ただし、今までずっとデスクワークをしていた人がいきなり建設現場や介護の仕事はできない。例えば介護の賃金が上がって多くの人が就職を希望するようになればいいが、今のところ事業者にはその気がない。人手が足りないのであれば、もっと賃金が上がってよいはず。

田村淳さん:人手が足りないのならもっとお金を払って人材を集めなければならないのに、なぜそうならないのでしょう?

常見さん:企業の意識変革が必要。今や人材争奪戦が世界レベルで起きていることを企業も政府も認識すべき。ガーファ(GAFA)(筆者注:グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムを指す造語)に行けば日本企業の2倍以上の給料がもらえる。外国人だったらきつい仕事もやってくれると考えるのはおかしい。さらに僕らも含めて「人手」と話しているのもおかしい。労働力は単純に量だけではない。どのようなスキルを持っているかなども重要。例えば旅行業界に外国人労働者がきてくれれば多様な言語に対応できるというような攻めの理由があればいいが、単純に人手が確保できれば何とかなると考えるのはナンセンス。

山崎さん:家族同伴禁止で5年経てば入れ替わってくれ(筆者注:新制度における特定技能1号の条件です)というのは人間らしい扱いをしていないように見える。単純に労働力としかみなしていないのは人道的観点でも感じが悪い。

常見さん:日本企業は遅ればせながらも人手不足に対応するため、給料を上げたり福利厚生の充実を図ったりしている。なぜ国はそういう発想ができないのか?もはや人材は国同士での奪い合いになっているのに。

田村淳さん:外国人労働者受け入れによる多文化共生の問題はどうお考えですか?

山崎さん:いろいろと多様な文化が交じることで変化を生み、おもしろいと考えればいい。ただ現実問題として外国人労働者の年金はどうするのか?とか、健康保険の不正使用はどう防ぐのか?(筆者注:外国人が保険証を貸し借りしても病院ではわからないため、不正利用が横行しているらしいですね)など、社会の枠組み全体の問題がある。それらを全部後回しにしているので、将来さまざまな問題を生みかねない。今はとりあえず人手さえ入れれば経済は回るという理解なのだろうが。

番組レギュラーの鈴木奈々さん:このままだと日本に行きたいと思う外国人が少なくなると思う。本当に不人気になると思う。

番組アシスタントの古瀬絵理さん:実際に不人気なんですよ。外国人採用事業を手がけるユナイテッドマインドジャパンの宮沢さんによると、中国では日本に行くより上海の方が稼げるイメージ、欧州では日本の労働に年功序列や長時間労働など負のイメージが大きい、ベトナムではすでに優秀な人材は米国に行ってしまう。

山崎さん:「一流どころは日本なんかには行かないんだよね」という雰囲気になってしまうとちょっと厳しいですね。現実にそうなってますもんね。

常見さん:現実にそう。僕が学生だった20数年前と比べて、今は優秀な学生は日本に留学して来ない。日本が留学先として選ばれなくなっているのが大学関係者の現実の声。すでに選ばれない国になっているんですよ。実は外国人観光客にとっても日本は優しくない国。政府が掲げた2020年4千万人、2030年6千万人の目標達成も厳しいかも。

田村淳さん:「お・も・て・な・し」ってさんざん言ってたのにね。

常見さん:日本の「おもてなし」は例えばコンビニなどで賃金の安い人に過剰なサービスを要求しているだけ。本当の国際レベルのおもてなしでは(高級ホテルの)リッツ・カールトンには勝てないと思いますよ。

以上、山崎バズーカ第21弾炸裂・前編をお送りいたしましたが、いかがだったでしょうか?ご承知のとおり、今回のテーマの中心に位置していた「改正出入国管理法」は本日未明、参議院本会議で可決、成立しました。ただ番組の中でもたびたび指摘されていたとおり、法案の中身はスカスカですので、今後は来年4月からとされる運用開始に向けての運用法の取りまとめに注目しなければなりませんね。実際に首都圏で生活していると、コンビニ・スーパー・飲食店などのサービス業を中心に外国人労働者を頻繁に見かけますが、今後はこれが全国規模で拡大することになるのですから、日本国民誰もにとって決して他人事ではありません。ですから私たち一人ひとりが我が事と思って関心を高める必要がありそうです。

現在人手不足が深刻な建設や介護の分野でもいずれはIoT技術の進歩で自動化が進み、人手は足りてくるのかも知れません。日本で外国人が就労する際の最大の壁と言っても決して過言ではない言葉の問題についても、いずれは高精度のリアルタイム翻訳機が実用化されてあっさりと解決されるのでしょう。それでも日本の少子高齢化は確実に進行していくのです。結局のところ、私たちが介護を受ける立場になった時に相手は機械でいいのか?それとも例え外国人でも血の通った人間を希望するのか?というライフスタイルの問題でもあるのだと私は考えます。実際に社会で起きている問題は学校とは違って、誰もが納得できる100%の正解は存在しません。外国人労働者受け入れに光と影が存在することも動かし難い事実でしょう。それでも私たちにはこの国を子どもたちに伝えていく責任があります。そのためにどのような将来像を描くのか?今回の法改正は私たちにその回答を迫っているように私には思えました。果たして皆さんはこの国の将来にどのような理想像を描きますか?

さて、それではそろそろ文字起こし作業に戻りましょう。後編のテーマは「年末年始に役立つ“節約術”」です。どうぞお楽しみに。

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